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【連載一時中断中】並みいるイケメン達よりも、なぜか(しかも美少女に)モテる平凡男子  作者: 波瀾 紡
伊田 天美編

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【10:伊田さんは人を見る目がある】

急にお茶に誘ってきた伊田さんの話を、広志が凜に話すシーンからです。

 一日の授業が終わって、三年A組の生徒たちも次々と教室を出ていく。


 帰宅部で家に帰る広志は、部活に行く凛と途中まで一緒に廊下を歩きながら、伊田さんの話をする。


「なんかわからないけど、僕に興味があるんだって。それで癒し系だから、そのうち相談をしよかな、だって」

「なんの?」

「わからない。教えてくれなかった」

「そっか。伊田さんは人を見る目があるね」


 凛はニコッと笑って広志の顔を見る。広志の良さを心から認めるような優しい笑顔。栗色の髪を揺らしながら、首を斜めに傾げる。


「そうか?」

「そうだよ。癒し系で相談相手に適任。まさにその通りじゃない?」

「そうかなぁ。自分ではそう思わないけど」

「まあ、またしっかり相談に乗ってあげてよ」

「うん、そうだね。もしもホントに相談してきたらね」


 可愛く笑う凛に、広志も笑顔で応えた。




 階段を降りて校舎から出た所で、凛は部室のあるグランドの方に行く。広志はグランドとは反対方向の校門に向かうから、そこで凛と別れた。


「じゃあまた明日ねー」

「ああ、また明日」


 凛は優しい目を細めて笑いながら、両手を振った。グランドの方に歩いていく凛の姿を、広志は名残惜しく見送る。


(相変わらず、凛は可愛い〜)



 凛は、本当に心の底から広志を信用してくれてる。だから他の女の子と二人きりでいても、まったく怒らない。


 それどころか広志が他の人の役に立ちたいと思ってることを理解して、他の女の子であっても男の子であっても、どんどん仲良くしてほしいとすら言う。


『そりゃ少しは妬くけどさ。これから大学生になって社会人になって。違う所で生活するかもしれないし、ヒロ君だって色んな女性と出会うだろうし。いちいち気にしてたらキリがないもんね』


 そんなことを言える凛は、なんて大人なんだろうと思う。それに凛は『ヒロ君を信じてる』とも言った。


 そこまで信用してくれてる凛を、裏切るようなことは絶対にできない。


 しかも、

『それでも、ヒロ君に自分をずっと好きでいてもらえるように、もっともっと素敵になるように私がんばるから!』

 ──なんて凛は言うんだ。


 大した取り柄もなくて、見た目も平凡な自分に

対して、こんな風に言ってくれる凛って……



 (くうっ、可愛い! 凛は可愛い過ぎる!! どんだけ可愛いんだよーっ!)


 ──凜は可愛いすぎて、そして、僕は凛には絶対に敵わない。


 広志は心の底からそう思う。



◆◇◆


「ただいま〜」


 広志が帰宅してリビングのドアを開けても、いつものように茜の元気な返事がない。


 まだ帰ってないのかと思ったけど、よくよく見るとソファに茜は寝転がってる。そしてゆっくりと上半身を起こして、ソファに座った。


「あ、おかえり」


 ぼーっとして青い顔をしてる。


「どうした茜? 調子悪いのか?」

「うん……」


(最近はずっと元気だったのに、どうしたんだろう?)


 広志はソファに座った茜のすぐ横に腰かける。


「学校で何かあった?」

「うん……」

「どうした? 辛かった?」

「うん。一年から仲良かった子と喧嘩しちゃってね、茜なんて大嫌いって言われた。やっぱり茜って、嫌われる子なのかなぁ」


 広志は茜の頭を優しくナデナデしながら「そんなことないよ」と話しかける。


「茜はすごくいい子だ。きっと何かの行き違いだよ。早く誤解が解けたらいいね」

「広志君は茜のこと好き?」


 茜は見上げるようにして、すがる様な表情で広志に問いかける。そんな茜に、広志は優しい笑顔で答える。


「うん大好きだ」

「もう一回言って。そうだ、いつもの、いい声で言って」


 広志はいつもより少し低めの声で、優しく語りかける。


「茜はホントにいい子だよ。大好きだよ」

「にゃーん」


 茜は笑顔になって、頭を広志の肩にすりすりこすりつけて甘える。茜はちょっと低めの、この声が大好きだ。この声で語りかけられると、茜は身体中がふにゃふにゃになって甘えたくなるらしい。


「広志君、ありがと。ちょい元気が出てきた」

「そっか良かった」


(そういや伊田さんからもイケボだって言われたけど、そうなのかな?)


 自分の声って自分ではなかなかわからないし、少し不思議に思う広志であった。


「もう大丈夫か? 元気は出た?」

「うん、大丈夫。広志君、ありがと」


 茜はにっこり笑って、頰に赤味が差してる。さっきの青白い顔から、だいぶ生気が戻ったみたいだ。


「じゃあアレはしなくて大丈夫か?」

「うん。今日は大丈夫。またもっと辛くなったらやって」

「うん、わかった」


 広志は茜が辛い時に、気持ちをリラックスさせる手段を持ってる。だけど今日は広志のイケボで優しい言葉をかけるだけで少し回復したから、そこまではしなくていいと茜は思ったようだ。


「ありがとねー広志君。おかげで元気が出たぞー」


 茜はガッツポーズをして、拳をわさわさと上下に可愛らしく動かしながら、広志に礼を言う。


「どういたしまして」


 広志が笑顔を投げると、茜はくりくりとした目を細めて、にっこり笑顔を広志に返した。

いつも読んでいただき、ありがとうございます!

妹・茜ちゃんは中三。可愛い妹っていいよね~

次話は伊田さんが割とぐいぐい来ます。お楽しみに!


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=新連載のお知らせ=
双子なのに、性格も見た目も真逆な美少女姉妹は─→やっぱり僕に惚れている?』 【略称:真逆姉妹】
※結構王道なラブコメ。キュンとしてもらえたら嬉しいなぁ
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