第七話 ~悪は成敗するのが世のため人のためのようです~
カイト達は憲兵とこのクエストを受ける他の者達との合流場所に到着し移動手段の為の馬車に乗ろうとしていた
「憲兵が10人と他が俺等を含めて6人、その6人の中で男は俺だけって...いわゆるハーレムってやつかこれは!」
「変なこと言ってないで早く馬車の中に乗ってください!」
「へいへい...わかりましたよ」
「本当に国王の依頼を全うする気があるんですか...ん? カイトさん何か落ちましたよ?」
レスティに馬車に乗るよう急かされ、馬車に乗ろうとするカイトの後ろポケットから落ちた物を拾うレスティ。どうやら、それは笑顔の男女7人が描かれた絵であった
「ん? あぁ...それは昔一緒に冒険してた仲間たちと一緒に居たときに村の絵師に書いてもらったもんだ」
「へぇ~、カイトさんって仲間の呼べる仲間が居たんですね」
「うん、もうそこまでにしておこうかレスティさん。そろそろ俺の心も限界なんですよね」
カイトが精神的ダメージをおって苦しんでいるのよそにレスティはある話題を出す
「そういえば、カイトさんは伝説の勇者と彼と共に冒険を繰り広げた最強の6人の話って知ってますか?」
「ああ? まぁ知って..「私も知ってるはその話! 伝説のパーティーの話よね!」」
カイトが返事をしようとした瞬間に別の誰かがレスティの質問に答える。彼女は国王から冒険者になる為に試練を与えられた者達の一人で、名はシャロム、と名乗った。彼女は伝説のパーティーについて頬を上気させながら、興奮気味に語り始めた
「勇者を筆頭にそれぞれ剣、弓、魔法、槍、拳、そして双剣! 全員がその道を極めし者である最強パーティー! 彼らにこなせないクエストは無いとまで言われていたわ! ちなみに、レスティさんだったけ? あなたは七人の中で誰が一番好き? 私はやっぱり、弓を極めし御仁、フィオレンティーネ様よ! あの方は女冒険者でありながら弓という武器を極め、優雅に華麗に敵を倒していたと言われているわ! 私もいつかあの方のように...はぁ...キュン」
感極まった彼女はそのまま、地面に倒れ気絶してしまった
「えぇ...なんだよこの娘、おじさんちょっと怖かったよ」
「ま、まぁ、それだけ彼らのファンなんでしょうね」
カイトとレスティは彼女にはあまり関わらないようにしようと心に決めたのであった
「ところで、お前は結局その七人だったら誰が一番憧れなんだ?」
興味本位でレスティに問いかけたカイトに対してレスティは
「私は...憧れというほどではないのですが、剣を極めし人に一度あってお礼が言いたいですね」
「お礼?お前はそいつに助けられたことでもあるのか?」
「はい、実は私って本当の両親がいなくて、私がある村で赤ん坊だった私が一人で泣いている所を剣を極めし人が見つけてくれて今の私の故郷の村まで連れて行ってくれたらしいんです」
「....」
「剣を極めし人は、今では勇者を殺した罪悪人なんて言われていますが、私はそれも何かの間違いなんじゃないのかなって今でも思うんです」
「...何かの間違い...ね...お前はあの子供だったのか(ボソッ)」
「え? 今何か言いました?」
「いや、お前結構、いいお尻してんなって言った」
「...燃やしますよ」
「あ! やめて! 俺を炙ろうとしないで! 謝るから!」
カイトの言い分を無視し、炎魔法をぶつけようとするレスティであったが、横からの罵倒と嘲りから、レスティは魔法を中断しその方向を見ると二人の憲兵がこちらを見ながら話をしていた
「おい、聞いたかよ? あの女、あの勇者殺しの大罪人である剣を極めし者が実は善人だ~、とか何とか言ってるぜ?」
「ハハハハハハ! 傑作だなぁ! あの女、頭おかしいんじゃねえのか? 見た目とか田舎くさいし、世の中の事なぁーんもわかってないような顔してるしなぁ」
「...最低」
憲兵二人の言われようのない罵倒に顔をしかめるレスティ、しかし、二人の憲兵は罵倒をやめようとはしない
「なぁ、お嬢さん、なんなら俺があんな勇者を殺して行方まで暗ますような腰抜け野郎を見つけてとっちめてあんたの目の前まで連れてくりゃ、俺といいことでもしてくれねぇか?」
「へっへっへ、そうだなそれがいい! お嬢さーん、俺らもあんたをお世話してあげるからお礼してくれてもいいんだぜー、まぁもちろん身体でだけどなぁ。」
「...っ! もう許せない! ...て、いきなり何するんですかカイトさん!」
怒りが頂点にまで登り憲兵二人に食って掛かろうとするレスティであったが、後ろからカイトに引き留められる
「やめとけ、お前が行ったら万が一国王にチクられた時に面倒だろ? ここは、このなんでも屋さんに任せなさい」
次の話で、カイトの実力発揮なるか!?次のお話をお楽しみに~