第六話 ~彼等はとんでもなく怪しいクエストを依頼されたようです~
「なんでも屋よ、此度の来訪ごくろうである」
ここは玉座の間、カイト達はブルドに案内され国王と対面していた
(あ...あれがアストの国王アスト・ネピア三世...あれ、国王の前での礼儀作法ってどうやるんだったけ?)
国王などを見たのは初めてのレスティは緊張で慌てふためいていたが、一方のカイトはというと何処吹く風といった様子で
「で? 国王直々のクエストってのはなんだ? まぁ、あんたからの依頼なんだから報酬額も結構あるんだろ?」
「なっ!? カイト殿! 国王の御前でなんたる無礼を!」
開口一番、国王に向かって報酬の話をしだすカイトに怒りを露にするブルド、しかし国王はブルドに「よい」とゆうように手で彼を制した
「今回、そなたに行ってもらいたいクエストはこの王都から離れた場所にあるルパスの森で出現した魔物の討伐を頼みたいのだ。もちろん、報酬ははずもう」
「ルパスの森? あの周辺のモンスターはゴブリンぐらいの下級魔族しかいないはずだ。わざわざ俺なんかに頼むより街にあるギルドで募集すりゃよかったんじゃねぇのか?」
「確かに、そなたの言うことはもっともである。しかし、このクエストは私の国の憲兵達への演習と新たに冒険者になる者達への試練も含まれたクエストなのだ。つまり、それほど大勢の手練れの冒険者達が報酬目当てに来られても困るのだ」
「ふぅ~ん...まぁ、いいか...いいぜ、あんたの依頼受けてやるよ」
終始、疑いの目を向けるカイトであったが、最後には国王の依頼を受けることにすると国王は口元に笑みを浮かべた
「そうか、頼んだぞ。早速で悪いが出発は今日からになっている、王都の門で憲兵達と他の冒険者になる為にこの依頼を受けたもの達が待っている。そなた達もそこに合流してほしい」
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「...はぁ~、緊張したぁ~」
国王から依頼を受けた後、カイト達は合流地点へと向かっていた。玉座の間で国王と対面した時から終始緊張して一言も発していなかったレスティは安堵の息を吐く
「はははは! お前のあのガチガチになってる姿、傑作だったぞ!」
「....」
「あいたぁ! や、やめて! む、無言で人の脛をけり続けないで!」
カイトへの怒りは収まらないが、レスティは気を取り直してカイトに問う
「それよりも、カイトさんが持ってるその長い布袋って何ですか? 妙に長いですけど?」
「いたたた...あ? これか? 俺の武器だよ。俺が前に冒険者だった時に使ってたな、まぁていっても今回のクエストがこいつ(武器)を抜かないでいいようなものであることをことを願うがね」
「え!? カイトさんってもしかして冒険者か何かなんですか!?」
「もと冒険者だよ。も・と! ていうかあんたは俺のこといままでどんな風に見えてたわけ?」
「え?それはもちろん、ダメ人間です!」
「笑顔でそんなこと言わないで! 俺だって傷つくんだからな!?」