第三話 ~国王はとんでもない奴のようですよ~
ここはアストの王国の城内、街の商店街に出向いて売り上げの調査を行ってきたブルドは息を荒げながら城内の警護をしている憲兵の間を抜けて王のもとへと向かっていた
「まったっく! あの、なんでも屋とかいう無駄に土地を消費してるだけのゴミのような店がっ!素直に土地を明け渡せばよいものをあのカイトかいう店主め」
アストは様々な種類の店が立ち並んでおり、その様々な店の物珍しさにこの王都を訪れる者達が大半であり客足が芳しくないような店や売れ行きが怪しい店は即刻立ち退きが命じられる。国の利益にならない店があるよりもその土地を買って新しい他の商売を始めさせたほうが国のためになる。ということらしい
「このわしが言ってもダメなら国王に相談するほかあるまい」
ブルドは国の中では商業関係の任を国王から与えられており、比較的に上の身分に属しているため彼から立ち退きを命じられたものは断った場合に何をされるか分かったものではないためほとんどの者は抵抗することなく店を畳むのだが、彼の怒りの原因である店の店主は別であった
「いや、別に俺は売り上げの為にこの店をやってるわけじゃない死ね!|(なぜかここの語尾が強かった)こう、どんな人でも困ってる人を24時間365日いつでもウェルカムで待ってるわけだから慈善事業の一環として立ち退く必要など、なぁーい! と俺は思う!」
というのが彼の言い分であり、自分の命令に背くその行為と自分を下に見ているようなあの言動がブルドにはどうしても許すことができなかった
「国王陛下!ブルド・ナーザリックでございます! 謁見を許可願えるでしょうか!」
「...いいだろう、許可する」
国王から許可をもらいブルドは国王に謁見する。アスト・ネピア三世、ここ王都アストの国王であり先代の国王と違い何かと悪い噂が多い国王である。噂の域を出ないが、前に立ち退きの命令に背いた店に対してその店主の目の前で家族や両親を殺し最後に店主も殺したというような噂も出回っており、アストの国民が立ち退き命令に対して従順である一因となっている
「一体何の用だ? ブルドよ」
「はっ! 今日は国王にご相談したいことがあって参った次第です!」
「ほう? で、その相談とはなんだ?」
「はい、実はですね...」
ブルドはなんでも屋という店の売れ行きが悪いこと、また立ち退き命令に対して全く従うことがないことを国王に伝えた
「そうか...ならばいい考えがある。最近うちの警護の者達が欲求不満だなんだとうるさくなってきてな、内密にそれを解決するためのクエスト用意したのだがな、後始末のためにそいつが使えそうだ」
アスト・ネピアは邪悪な笑みを浮かべながらブルドに計画を伝えた
「おぉ! なるほど! さすが国王! それならばいけますな!」
「そうであろう、ならば早速その手はずを整えるがよい」
「ははぁ!」
今日は、これが最終投稿になりそうです