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すったもんだあって、勇者パーティーの最強剣士はなんでも屋になりました  作者: 麦とポップ
第二章 なんでも屋、営業中です
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第十八話 ~再開~

「で...街まで出向いたはいいものの...これからどうするんだ?」


「それはですね...どうしましょうか...」


 勢いよく街に出向いたレスティではあったが、彼女も具体的な案は浮かんでいなかった。


「え? こんなところまで来ておいて何言ってんの? 馬鹿なの? 君は」


「うるさいです! 待ってくださいよ...今いい案を...あ! あれにしましょう!」


 そういってレスティが指さしたのは看板だった。


「あそこに私達のお店の宣伝を書くんです! そうすれば、あの看板を見た人が自然と私達の店に集まってきますよ!」


「えぇ...それじゃ、俺がここまで来た意味って...」


「いいから、ほらカイトさん何か紙とペンを下さい」


「そんなん持ってきてるわけないだろうが」


「じゃあ、あそこの酒場で借りてきてください」


「俺が?」


「そう、俺がです」


「はぁ~...へいへい、わかりましたよ」


 渋々といった様子でカイトは紙とペンを借りるために街の中にある、"野郎共の宴"と書かれた酒場の中に入っていった。


「あいつ人使い荒いなぁ...俺一応あいつの命二回も救ってんだけど...て、ここはまた一段と盛り上がってんなぁ」


 レスティへの不満を呟きながらカイトが店内に入っていくとそこでは、この酒場で恒例と言われている冒険者達のいざこざによる喧嘩が始まっていた。一人の冒険者はデカいというのが一言で分かるほどの巨大な大男でもう一人の方は喧嘩を観戦している冒険者が陰になって見えなかった。


「なぁ、あいつ等ってなんで喧嘩してんだ?」


 カイトは対戦相手が気になり近くのテーブルに座っている冒険者に話しかけた。


「ああ、さっきあのデカい方の冒険者が酔った勢いで店の中に入って来た子供みてえな冒険者に冷やかしの言葉をかけたんだよ。ここの酒場にはお子様が入ってくんのかよ...てな」


「お子様? おいおい、じゃああの男は子供相手に喧嘩しようとしてんのか? さすがにそれは誰か止めてやんねぇと」


「いや、確かにあの男の連れが謝罪はしたんだけどよ...その確かに小さな冒険者はよ、こう言ったんだ『ならばお前がそのお子様に今ここで倒されるようなことがあったら、お前はお子様以下だな』てよ」


 その冒険者が言うには、酒が回っていてその言葉に逆上した大男の冒険者がその小さな冒険者に対して喧嘩を吹きかけたことで、今の状態になっているという


「それでも、お前...何かあったら危険だろ」


 そういって、カイトは二人の喧嘩を止めに向かうが、観客の中の一人が開始のゴングとして手元に置いてある定員を呼ぶためのベルを鳴らし、喧嘩の火蓋ひぶたが切って落とされた、双方が互いの空いた距離を一気に詰める。


「くっ! 遅かったか!」


 始まってしまった二人の喧嘩を止めるべく観客の合間を抜け、二人の間に割り込もうとするカイトであったが、時はすでに遅く大男がその巨大な腕を振り上げ、相手に向かって叩きつけようとする。


「危ねぇ! 避け...」


 「ろ」と言おうとしたところでカイトが見たものとは、後方に物凄い速さと勢いで飛んでいき店の壁を突き破った後に数回転げ回って倒れた大男の無残な姿だった。


「「「「....へ?」」」」


 その一言がカイトと観客たちの間で絶妙にシンクロしていた。そして、当の小さな冒険者はというと自分が顔に被っていたフードを取ると、そこには黒い髪をお団子のように後ろ髪にまとめた可愛らしい女の子が現れた。そして、その少女の顔を見た瞬間、カイトは「げぇっ!?」という素っ頓狂な声を上げてしまった。


「まったく...小さいからと言って人をなめてかかるからこういう事になるんだ。これに懲りたら人を見た目ではなく...」


 そして、何やら言おうとしていた少女は偶然目にしたカイトの顔見て酷く固まった状態になる。


「お、お、お、お前は...か、かかか、カイト!」


「よ、よぉ...シェンリィ。久しぶり」


 おずおずといった様子で、シェンリィという少女に挨拶するカイト。しかし、それも無理はなかった。なぜならシェンリィとカイトはかつて勇者パーティでともに戦った旧知の友であったからだった。

早くも新キャラを出すことができました。しかも、その新キャラが勇者パーティの一人なので、これからどういった物語が展開するのか、お楽しみに! やっぱロリが一番すわぁ

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