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すったもんだあって、勇者パーティーの最強剣士はなんでも屋になりました  作者: 麦とポップ
第二章 なんでも屋、営業中です
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第十七話 ~出張~

 レスティが、なんでも屋の新たな従業員となって数日がたった。初日はやる気が満ち溢れているといった様子であったレスティだったが、全く訪れない客を待ち今は店の商品の整理をしていた。一方のカイトはというと


「客が来ね~...暇だ~」


 何もせずに店にあるカウンターに突っ伏したまま気だるそうにしながら来客を待っていた


「カイトさん! 暇なんだったらこの無造作にあちこちに置かれてる商品の整理を手伝ってくださいよ!」


「いやぁ、レスティちゃんは働き者だな~。最初はどうなることかと思ったけど、レスティちゃんがここの従業員になってくれて助かったわ」


「私はこんな雑用をするためにここの従業員になったわけじゃありませんよ! 一刻も早くたくさんの人の問題を解決してあげて、いずれはカイトさんが正体を明かしても世界中の人から受け入れられてもらえるぐらいにしないといけないんですから!」


「いや...別に俺はぶっちゃけ、昔の地位とかはどうでもいいんだが...」


「よくありません! 剣の勇者は何も悪いことはしてないのに史上最悪の大罪人として語り継がれていくんですよ? そんなのは理不尽です!」


「ははは...理不尽...ね」


 レスティの意気込みに苦笑するカイト、しかし、彼女が自分のためといって何かをなそうとしてくれいることに対しては悪い気持ちはしなかった


「う~ん...でもこんなに人が来ないんじゃ人助けも何もあったもんじゃないですよね...」


 なんでも屋の深刻な問題である来客の少なさに頭を悩ませていたレスティだったが、突然何かを閃いたように顔が明るいものとなった


「そうです! 客が来ないんなら私たちから行っちゃえばいいんですよ! ということでカイトさん、街に行きましょう!」


「はぁ? 嫌だよ、面倒くさいから」


「面倒くさいってなんですか!? いいから、い・き・ま・す・よ!」


「こ・と・わ・る! 大体、そんなことしたってどうせ人疲れるするだけだろうが! 俺はそれだったらこの店にいたほうが静かでいい!」


「へぇ~...絶対行かないつもりなんですか? いいですよ、それなら私にも考えがあります」


「ほう? なんだ? 実力行使でもするつもりか?」


 レスティは店のカウンターの方に引っ込みなにやら店の中を物色し始め、そして何か袋のような物を持って店から出ようとする


「え? おま、ちょ、それもしかして俺のヘソクリじゃねえか! どうやって見つけたんだよ!? ていうかそれをどうするつもりだ!?」

 

 その袋はカイトが現国王が謝罪としてカイトに送った依頼達成の報酬であったものをカイトがこっそり店の奥に隠してたものであった


「店の奥の掃除をしてる時に見つけたこのお金ですけど...今から人助けの一環としてこのお金を街の人達に

ばらいてきます」


「ま、待てレスティちゃん! やめて! わかったから! 俺も行くから! だからそのお金だけはー!」


 結局、カイトはレスティの持つ自分のヘソクリの為に渋々、街に繰り出す羽目となった


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