第十四話 ~国王の計画~
ドラゴンとの戦闘後、カイトはレスティ達の縄を解き休憩をした後にルパスの森を抜け入り口に止めてあった馬車を使い王都への帰路についていた
「それにしても、あのドラゴンはどこに行ったのでしょうね?」
「そんなことは、もうどうでもいいですよ...そんなことより、生きてて良かったぁ~」
ドラゴンの咆哮によって意識を失っていた彼女達は口々に安堵や疑問の声をあげていた
(ええぇえええっ!?ど、どどどど、どいうことなの!?カイトさんがあの伝説の勇者パーティーの元一員で、しかも私の命の恩人でもある剣を極め者でもあって...)
しかし、その中でも唯一意識を保っていたレスティはカイトが言い放った事実に頭が追い付いていなかった。早速でもカイトに質問したいレスティであったが、カイトから他の人には自分のことは、ばれないようにしてくれと言われた手前そうすることもできないでいた
(私ってそういえば、命の恩人に対して炎魔法をぶつけたり、殴ったり、悪口も無茶苦茶言ったりしたんだけど!? ああぁああ...あとで謝っとかないと...でも、あれはあの人が悪いわけであってぇ...)
「おーい! お前らー! 王都に到着したぞー!」
レスティがあれよこれよと考えるうちにカイトからの王都の到着の知らせがはいる。その後カイト達は門の前で入国を済ませ、現在は近くの酒場に来ていた
「えーっと...つまり、今日の話をまとめると...俺達は国王に騙されて危うくあんなことやこんなことをされそうになった...と」
「そうですね。でもそれだと国王がカイトさんまでも一緒に同行させた意味がよくわからないんですが」
「あー...それは多分俺の憶測だけど、大方あいつらはあんたらで満足したらその場であんたらを殺害して全部の罪を俺に被せようとでもしたんじゃないかと思うぜ。そうすることであの国王にとって目ざわりな俺の店も潰せるしな」
「なにそれ...最低じゃないですか」
「でも、それってことは今あたし達がここに無事で帰って来たのが知られたら危ないんじゃないですか?」
「もしかして...口封じとして処刑されたり...」
口々に不安を語りだす彼女達にカイトは笑顔で語りかけた
「そのことに関しては俺に手があるから任せておいてくれ」
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「国王様! 現在、なんでも屋のものが城の門の前で国王からの依頼を達成したから城内に入れろとの申し出がありましたが、いかがなされますか?」
「な、なななな何いぃいいいいっ!? 憲兵達はあのなんでも屋を仕留めそこなったというのか!?」
守衛からの報告に驚きの声をあげたのは今日もその立派な巨体を揺らしながら国王の間でカイトの死亡の報告を今か今かと待っていたブルドであった
「仕留める? それは何のことですか?」
「あん? やかましい! お前には関係ないことだ!」
ブルドの言葉に訝し気な目を向ける守衛に対してブルドはそう吐き捨てると国王の方を向くと、国王は閉じていた目を開け守衛にこう伝えた
「...よかろう。通せ」
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城内への入国を許され国王の間に踏み入ったカイトは国王を見据えると次に言葉を発した
「どうも国王さん、俺はあんたの言う通りに旅に同行してあいつ等の手伝いをしたんだが...憲兵の奴等は行方不明、そして冒険見習いの奴等は俺が見つけた時にはあられもない姿になってたんだ。それで俺は彼女達になにがあったか問い詰めたんだ...するとよ彼女達は自分達は憲兵に襲われたっていうじゃねえか!しかもその憲兵達を仕向けた張本人が国王だっていう驚愕の真実も打ち明けたんだよ!」
「き、貴様ぁああっ! 言わせておけば国王がそんなことを命令するはずがないだろう! それに例えその小娘の言ったことが真実だとして、もうこの世にはいない小娘の話など、何の証拠にもなりはせんわ!」
「ふふふふ...それはどうかなぁ! これを見やがれい!」
そう言うとカイトは自分の懐から一つの水晶のような物を取り出した。そしてその水晶はボロボロになって心体に傷を負ったフリ(・・)をした一人の女性を映し出した
「ぬぅっ!?」
国王を含め、王の間にいる者すべてが驚愕の声を上げる。その理由は、水晶に映し出された女性は先ほどカイトが言った国王の命令の内容を同じように話し始めたからである
「すごいだろ、これは記録水晶ってもんなんだけどな。つまり、あんたが仕向けた今回の悪事は全部この水晶に記録されてるんだよ!」
最近はPV数も増えてきて自分も書くモチベーションが上がってきております!え?その割には更新が遅いだろって?そっそれは言わないでほしい案件だぜ!