Re:GENERATION
この作品は東方プロジェクトの二次創作に当たる作品で、Youtubeにて動画実況を行っているNikolachannelの「ゆっくり実況バトオペNikola小隊奮戦記」のプロローグに当たる作品です。動画を見ていなくても問題なく読めます。
前回までのあらすじ
神隠しに遭い幻想郷へとやってきてしまったころろたち。幻想郷で生きるためになんでもやNikola商店を開店しスペルカードも習得する。そして物語はあらたな局面へと向う。
死人、それは生命的に、肉体的に死んだ者たち。蘇ることのない故人たちのこと。
そう蘇らないはずである。が、ここは常識が非常識な幻想郷。何でも起きる。そう、それがたとえ死人を蘇らせることだとしても。
ころろ達が幻想郷に来て早、一か月。暮らしにも慣れ、食べていける職も見つかったところで生活も安定してきている。現在9月下旬。今、ころろは帽子を被っている。三角帽子の。
「ハッピーバースデー!! ころろぉ!!」
パーン、パーン、とクラッカーのはじける音が家中に鳴り響く。9月23日、いわゆる秋分の日。そしてころろの誕生日である。
「いやーありがとう、ありがとう」
テーブルにはアルが作った豪華な夕食。長い食卓用テーブルにずらりと並んでいる。そしてそれを囲むようにアル、ラッキー、にょろ、トライ、魔理沙、霊夢が並び、真ん中には今夜の主役であるころろが座る。
「さあみんな食べようか!! よし、かんぱーい!!」
「大変だよ!!」
みんな手に持ったコップを掲げ乾杯をしようとしたとき荒く息を吐きながらサチが駆け込んできた。
「なんだよサチ、いまから飯だってのに」
「大変だよ! 死んだ人がよみがえってる!! 」
「は?」
さすがにラッキーも信じていなかった。いくら常識=非常識の幻想郷だからと言って自然の摂理に反する生物がよみがえることなどないからだ。
「それで私犯人見ちゃったのよ!!」
「おいおい、マヂかそれ? まあガキの記憶力なんざアテしないがよ」
「まあラッキーそういうなって。 で、サチ、そいつどんな姿してたんだ?」
にょろに促されサチはゆっくりと犯人の特徴をしゃべりはじめた。
「えっと確か、髪の色は黒で少しハネてたかな? 赤いパーカーで確か身長は170ちょっとだったかな?」
「おいおいそんなやつこの世に一人しかいねぇじゃんか」
そしてみんなは一斉にある人物を見つめる。その人物は自分を指差して、
「お、オレ・・・・・・?」
そうこの幻想郷にそんな風貌なのは一人しかいない。そう紅羽ころろである。そして物語は少し前まで遡る。
一週間ほど前の幻想郷、人間の里午前1時、多くの人が寝静まった頃ある一人の女性が家への帰路についていた。その女性が自分の家の前につくと人影が居た。女性にはその後ろ姿に見覚えがあった。
死んだ自分の兄であった。当然ながら女性は疑問に思う、なぜ死んだ兄がいるのかと。そしてふと足元をみると地面が透けていた。それが何を示しているかを理解した時、女性は甲高い悲鳴を上げ気絶した。
これがここ最近幻想郷で話題になっている「死人返り」である。
その事件を発端に一日に数回起こるようになっていた。当然だが異変認定はしたもののかの博麗の巫女はやはりやる気がなくいまだに未解決である。
そして現在の数分前、サチはそれを体験した。
「視た」ものは死んだ祖父。サチはそれに一度呼びかけた。が、振り向いただけで呼び掛けには応じない。どんどん「それ」は近づいてくる。そして尻餅をついているサチに手を伸ばし触れようとしたところで「それ」は消えた。
そして「それ」が最初にいたところに居たのは紅い服の子供、そうころろ達くらいの。そしてサチは一目散に走りだす。恐怖とこの事実をころろ達に伝えなければいけないということから。
そして現在。事件現場。
「さすがにもういないか・・・」
ラッキーはかがみこんで何か痕跡が無いか探している。
「とにかく今日のところは一度家に戻ろう。 サチ、また明日来てくれ」
「うん、分かった・・・・・・。」
おやすみと一言言ってサチは自分の家の方へと帰って行ってた。
「で?どうする? 俺らも戻るか?」
「犯人の手掛かりも何もなければ見つけられもしないしな」
「いや、そうでもないぜ」
ころろはにょろとラッキーの肩にポンと手を置き振り向かせる。
「さてお前らには何が視える?」
ころろ達の目線の先、青白い靄がたっていた。そこにいるのは
「親父・・・・・・?」
「母さん・・・・・・?」
ラッキーには母親が、にょろには父親が、そしてころろとアルにも同様に両親が視えていた。が、ころろとアルはさらに奥を見据えていた。
「視界共有」
アルがそう呟くとスペルカードが発動しラッキー、にょろ、ころろにもあるものが視えていた。
紅いパーカーを羽織り、少しハネた黒髪。身長は170近くありそうな「少女」。右目は髪に隠れて見えないが左目はまさに深紅だった。
「さっきから何か寒気がするんで見てみたらこれだ」
ころろは嘆息して言った。
すると少女は左手をかざした。その手は包帯でぐるぐる巻きになっていた。そして青白い靄から無数の霊がころろ達に向かってきた。
ころろ達は各々武具を具現化し応戦するが相手は霊、実体がないため攻撃は当たらない。
「くっ・・・・・・お前が犯人か!」
ころろは体を捻って霊たちを振り切り少女に肉薄した。ころろは具現化した短刀「ホオズキ」で切りかかるが何かの障壁に阻まれ刃はあと数センチのところで止まった。そして少女が口を開く。
「邪魔をするな」と。
その瞬間ころろは吹き飛び10mほど吹き飛びなんとか着地した。が既に少女の姿はなかった。
「なんだったんだ・・・・・・あいつ」
ラッキーはころろに手を伸ばして言う。
「わからない。でもあいつがこの事件の重要参考人ってことでよさそうだな」
「なにか手掛かりがあるの?」
「ああ。アル、お前の出番かもな」
アルは頭にハテナを浮かべていた。が、そんなアルをよそにころろはなにかを掴んだような顔をしていた。
to be continued
どうもみなさんころろです。本職の動画実況も復帰したのでちょっと大変で更新が遅れてしまいました。すまない。
さて今回からは新章黄泉返り編となっています。常識≠非常識のこの幻想郷ではこういうことも起こる。という観点からこの話を考えました。一応序章+四章の全5章となっています。というわけで今回はその序章であります!次回からもお楽しみ。次はイクシロンの更新を予定しています