日常の終わり
これは東方プロジェクトの二次創作であり、YouTubeにてゲーム実況を行っているNikolachannelの「ゆっくり実況ガンダムバトルオペレーションNikola小隊奮戦記」のプロローグに当たる作品です。
これを読んで動画に興味を持ってくれた人がいたら幸いです。初の小説至らぬところばかりですが暖かい目で見守ってくださると嬉しいです。
これからここに綴るのはもし現世に帰れたらみんなに話そうと思っていること。見たこと聞いたこと体験したことすべてを書こうと思う。笑われるかもしれない。でもこれは全て俺の、俺たちの身に起った出来事なんだ。信じられないとかそんなことあるはずないとか思うところも多々あると思う。
それもそのはずさ。なぜならあちらの常識はこちらの非常識なのだから。
夏。といっても今年は尋常じゃないほど熱い。地球温暖化が進んでるって実感できる。台風はいくつも来るし、それこそコマみたいな軌道を描くやつもいた。そんなんだからどっかの馬鹿が
「じゃあさ! 山に避暑しに行こうよ!」なんて言うから・・・・・・。って忘れてた。自己紹介がまだだったな。
オレは赤羽ころろ。歳は・・・まあ高校生って言っておこうかな。珍しい名前だっていうけど親が決めたし俺にはどうもできないよな。初対面の人とかゲームのチャットとかでは「こころ」
何て言われたりもするけどね。
ガタンゴトンッと一定のリズムを刻み続ける電車の音ももう聞き飽きた。持ってきた推理小説も二週目が終わったころだ。ふと窓の外を見てみると景色は都会から森へと変わっていた。
「おっし上がり!」
「あっマジ?」
隣とその向かい側。四人で仲良くトランプでババ抜きをしている。どうやら最初に上がったのはラッキーらしい。
「はッ! 見たかこれがラッキー様の力よ!」
すぐ調子に乗るのはラッキーの悪い癖だ。それなのに人前に出るとテンパってわけのわからないことしか言わなくなる。こないだだって吹奏楽部の演奏会の後の打ち上げで・・・
「えっと・・・その・・・み、皆さん!夏ですねぇ!」なんて言っちゃってさ。まあ昔から変わらないけどね。
黄沢奇跡(ラッキー)。同級生で幼馴染。保育園からこっちずっと一緒。まあキラキラネームです。普通奇跡じゃラッキーとは読めないしね。本人はどうでもいいって言ってるけど。
「ラッキーに負けるとは何たる屈辱・・・」「ンだとコラ!?」
とまあにょろとのこういうやり取りも見慣れたもんだな・・・
翡翠にょろ。まあ幼馴染でにょろとは小学生からいっしょなんだけどね。俺らの中でおそらく一番知識が豊富。特に車や戦闘機の知識はものすごい。だからその話題に触れると半日は持っていかれる。だから俺たちの中じゃ触れないことが暗黙の了解なのさ。
「まあ次に上がるのは俺だけどな」
おそらくにょろは数手先まで読んでいるのだろう。将棋やオセロなんかも得意だからね。けどラッキーの行動は読めなかったみたい。というか読めないよな普通。
アイツはKY(空気読めない)だからね。
「そんな訳ないでしょ!次に上がるのはアタシよ!アタシ!」
とにょろに対抗心を燃やすのは透き通るような蒼色の髪の少女。ショートカットで右側の髪を三つ編みにし垂らし黄色のカチューシャを付けてアホ毛が立っている。
少女の名前は蒼樹アル。例に幼馴染。こちらも小学生から。運動神経は皆無だが頭は良い。たぶんここに居る誰よりもだ。
「にょろはどうせ最後に上がるんでしょ? いつもそうじゃん」
「なっ・・・・・・今の言葉聞き捨てなりませんな・・・・・・」
二人はにらみ合い火花を散らす。そしてその間に挟まれている男が一人。
「はい、上がりっと」
トライ。そう呼ばれている彼は無論小学生から一緒。本名は・・・今はいいでしょう。
「なんですとー!?」
アルとにょろはとっさに立ちあがった。
「ふっ・・・・・・能ある鷹は爪を隠すってね」
「キーむかつくぅー!」「調子に乗んなよぉ!」
トライはそんなふたりを「あー負け犬の遠吠えなんて聞こえない」と一蹴した。まったくおめでたい奴らだなと思った。ころろが読んでいる小説。かの有名なシャーロック・ホームズシリーズの緋色の研究。さっき二週目と言ったが実際は家でも読んだりしているので数百回は読んだ。つまり飽きたのだ。
避暑と言ったって俺たちが住んでいるヨコスカだってトウキョウから見れば十分田舎だ。それよりも田舎っていったいどんなところだよ・・・・・・。
「ところでラッキー、さっきからというより電車に乗った時から気になってたんだけどさ」
「ん?なんか変かアル?」
はぁ・・・・・・・と一つ溜息。
「その荷物、いったい何入れてきたのさ・・・・・・」
ラックに載っているラッキーの荷物。その大きさは他の四人とは比べ物にならないくらい大きい。
「何ってプレイゲーマー3とプレイゲーマ4とプレイゲーマーポータブルとルーターとモデム、エトセトラエトセトラだよ」
つまりオンラインプレイができる環境をそのまま持ってきたということ。
「そりゃそのくらいになるわな・・・・・・」
「Wi-Fiくらい宿にもあんだろうに・・・・・・・」
にょろとトライは飽きれて言った。
そしてころろはまた窓の外を見た。さっき見てから十数分立っているが窓の外は木々が生い茂るばかりで民家の一つも見つからない。
「なあアル、いったいどこに行くんだ?」
待ってましたと言わんばかりの表情でアルは胸を張ってこういった。
「それはですねぇ・・・・・・・」と続けようとしたとき電車のアナウンスがなった。
「次は神隠村ー、神隠村ー」
数秒の沈黙が五人を襲った。そして次に口を開いたのはころろだった。
ゴホンっと咳払いをして横目でアルを見ながら言った。
「あのーしんいん村って神隠しって書くんじゃ・・・・・・・」
「そうですが?」
アァァァァァァァァァとラッキーが絶叫する。
「俺マジでこういうの無理だから! なんでもっと先に言わねンだよアル!」
「だって言ったらラッキー来ないでしょ?」
「当たり前だろー!」
ころろはにょろとトライを見た。
「はははは・・・・・・神隠し、面白いじゃないか!」
と言ってはいるものの手がガクガク震えているにょろ。がそれに比べてトライは
「神隠しかー面白そうだなー」
と言ってることは同じでも全く手は震えてないしむしろ歓喜にあふれている。
そしてガタンゴトンッと一定のリズムを刻んでいた電車は足を止めて駅にプシューっとため息を吐くかのように止まった。
ころろ、アル、トライ、にょろ、ラッキーの順でホームに足を下ろす。ころろ達以外に降りる人はいないようだ。時刻表を見てみると次に来るのは三時間後らしい。
本当に田舎ってこんな感じなんだなーとあたりを見渡し思う。
「さあ、ここから歩きますよー!」
「歩くってどこを?」
アル以外の四名の頭にはハテナが浮かぶ。なにせ歩くべき歩道はおろか道路が無い。
「どこってここに決まってるじゃないですか!」
アルは右回りに一回転し両手をバンザイというようにあげた。
「この山ですよ!」
男子組はその山を一度見上げアルに視線を戻した。
そして三十秒ほどの間が空き、一斉に声を張り上げた。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?」
どれほど上ってきただろうか。ふと後ろを振り返るとさっき居た神隠村駅が点のようになっていた。
「さあ後半分ほどです! 頑張っていきましょう!」
と張り切るアルをよそにころろ以外の男子三人は今にも死にそうな顔をしていた。特にラッキーが。
「お、おいぃころろなんでそんなに余裕なんだよぉ~・・・・・・」
まるでゾンビのように手を出してにょろがころろに聞いた。
「忘れたか?俺の家農家だぜ?お前らとは鍛え方が違うんだ」
と言ったが専業ではない。だがころろの祖父は幼少期からころろに耕運機などの使い方を教えていたためいつも学校の総合科目、特に畑関係は他人をはるかに凌駕していた。
「ホント・・・・・・・にぃどうなってんだよをぉぉ」
一人だけ人の二倍以上の荷物を持っているラッキーはもう汗はだらだらでこいつよく生きてるなという状態だった。
「余計な物たくさん持ってくるからだ」
ド正論をラッキーにぶつけると
「だってさぁ~」と言い訳が始まったのでころろは聞かないことにした。
「うーんですがさすがに疲れてきましたねぇ・・・・・・ちょうど休めそうな神社もあることですし一旦休憩しましょうか」
「神社?マップにゃ載ってないけど」
でもほら! とアルが指差すその先にはぽつりと寂しく神社が建っていた。
境内に入りおそらく賽銭箱があったであろう場所、その階段に五人は腰を下ろした。
「ふいぃ~生き返るぅ~」
ラッキーは持ってきたペットボトルの水をぐいぐいと飲みほした。
「・・・・・・博麗神社か」
鳥居にそう記してあった。もう何年も前に誰も来なくなったのだろう。コケだらけだった。
「この村の初詣とかにはたくさん来てたのかな~もごもご・・・・・・」
「ラッキー、水飲み込んでから言いなさいよ・・・・・・」
アルは呆れながら自分も水分補給をする。
「あのさー今言うのもなんだけどさ、俺ら絶対山登りの恰好じゃないよね?山舐めてるよね?」
ラッキーは他の四人を足元から見上げる。
確かにそうだ。ころろはTシャツに赤パーカー、ワークボトムスという格好でラッキーはTシャツにズボン、腰には上ジャージを巻いている。
にょろは半そでYシャツにネクタイ、ベストの前のボタンを外してジーンズという格好。トライはポロシャツ短パン。アルに関しては一番舐めているであろうスカートでYシャツという格好である。
「まあそうだな・・・・・・」
ころろは周りを見渡して、
「さてとそろそろ行こうか。こんな小汚い神社からは早く出て・・・・・・」そこまで言ったとき声が聞こえた。
「何が小汚い神社ですってぇ?」
(女の声・・・・・・!?)だがアルの声ではない。別の誰か。そしてその時アルがばたりと倒れた。
「アル!?」ラッキーが駆け寄るがラッキーもその場で倒れた。そして立て続けににょろ、トライもばたりと倒れた。
「何がどうなって・・・・・・!?」
その時ころろの眼前が歪み始めた。
(くそっ目眩が)
そして目の前が真っ白になった時、また別の女の声が聞こえた。
「ようこそ。幻想郷へ・・・・・・」
その声が聞こえた時オレの記憶は一度途切れた。
最後までご覧いただきありがとうございました。次回はついに幻想郷へ!あのキャラたちも出てきます!ぜひご覧ください!それでは次回も行くぜ!大奮戦!