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青騎士  作者: シャーパー
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最強変化

「雑魚と遊ぶ趣味はない。選別してやる」


真正面に向かって、覆い尽くすほどの衝撃波を放つ。


中年の男、若い女が消し飛んだ。


残りは4人、老人ばかりだ。


「半分以上も残ったか。悪くない、楽しめそうだ」


老人が互いに目配せをする。


4人同時に戦ってくれた方が楽しめるのだが、彼らには彼らなりの無駄な誇りがあるのだろう。


やがて、濃紺の作業着を着た老人が進み出た。


銀縁の眼鏡が印象的だ。


逆に言えば、それ以外は特に何の印象もない。


「最強よ、先程は我が一族の不肖者が世話になったな」


「どいつの事だ?」


「月景幸雄」


「ああ、『戦列鬼』か。という事は、お前も血染めの月景一族か…」


老人は答えず、軽く右手を振った。


右腕の袖に忍ばせていたであろう短刀が、鮮やかな動きで彼の右手に収まる。


「我が名は、月景正範」


月景正範、『戦列鬼』だ。


「死んだんじゃなかったのか?」


「奴に箔を付けてやる為、そう言わせておったんだがな」


「弱かったはずだ。あの程度が『戦列鬼』でなくて良かった」


「ならば、本当の『戦列鬼』を堪能してから死ね」


「死ぬ気はないが、堪能はさせてもらおう」


お喋りの時間は終わり、戦闘開始と洒落込もうと思った時、後方から幾つもの声が轟いてきた。


怒声や殺意に満ちた響きは、仲間に向けられう類ではない。


「来客のようだな?」


「最強、死ね!」


「最強を殺せ!」


「どうやら、用があるのは貴様の方に、らしいな?」


後方に一瞬だけ、視線を向けた。


「組織の連中か…」


前方に強敵、後方に雑魚。


「やはり、ここは愉快な場所だ。宴だ、宴、さあ、楽しもうか?」


左手を突き出し、衝撃波を放ったままで一回転する。


この程度に耐えられない雑魚は、宴に必要ない。


相変わらず、前方の老人達は4人とも避け切っている。


後方の雑魚は8割方、掻き消えてしまったか。


元々の数が多いから、まだ、群れを成している。


ふと、視線を感じる。


離れた場所、懐かしい顔が立っていた。


かつて、共闘した男、王子という名前の男。


ああ、いたな、そんな感じで笑う。


そして、この建物の中に、発見をした。


大胆に踏み込み、一気に距離を殺す。


右手に握られた短刀が閃く。


だが、その愚かしさは、振りかぶった事にある。


こちらは、左手を突き出したままだ。


「鈍ったか?」


「衰えではないよ、最強」


実力だ。


1匹目、残り3匹。


だが、こいつらにはもう興味が無い。


後方も同じ。


建物の中にこそ、俺を満足させてくれる奴がいる…。

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