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最強証明
「随分と飛んだな?」
全力と全力を叩きつけ合った結果は残酷だった。
確かに、『破天荒快男児』ジョージは、組織の第2位だった。
他に候補も思い当たらないし、強いのは認める。
組織の中には、俺をすらも凌ぐと評する奴らもいた。
だが、現実は残酷だ。
飛んでしまったジョージと、飛ばしてしまった俺。
「俺は、『最強』だ。誰かが最強と呼ぶから、最強なわけじゃない。俺は『最強』だから、『最強』なんだ」
「…よ、よぉ、最強…さんよぉ、言ってなくちゃ不安か…?」
「黙れ、ジョージ…」
「認めて、や、ルよ、…ホント、テメェは最……強、だ」
それが、ジョージの最後に発した言葉だった。
彼は死んだ、俺は勝った。
彼を殺し、俺は証明した。
ジョージが命を費やし、俺の右腕を奪った。
右側が軽い。
もう、長くない。
短い方がいい。
ここに全てを集めたのは正解だった。
やはり、俺は…。