表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
青騎士  作者: シャーパー
115/168

青岸のジョージ

「ここは…?」


灰色の世界で見事に復活を遂げたジョージが、呟きを漏らした。


俺は少しく緊張しながら、彼に応じる。


「よぉ、気分はどうだ?」


対等以上であるかのように振る舞うが、やはり、声は震えてしまう。


我ながら情けない事ではあるが、相手はあの『破天荒快男児』ジョージなのだから、仕方が無い。


「青岸、お前は俺に何がして欲しい」


まさか、ここまで、俺の望む通りの言葉をジョージが吐いてくれるとは思わなかった。


だが、そう聞かれてしまった以上、ここで、はぐらかすなんて無意味な事は出来ない。


「俺と一緒に、世界征服をしてくれないか?」


「ああ、分かった」


迷いもなく即答するジョージを見て、俺は心底、驚いてしまう。


「構わないのか…?」


「俺はお前に従う、その約束は叶えよう」


本当は怖かった、恐れていた。


ジョージが約束を破り、俺を嘲笑うなんて未来も容易に想像できたから。


しかし、それは起こらず、あまりにも理想的に物語は進んでくれる。


「これで、世界征服は出来たも同然だな!」


「いや、それはどうだろうな。俺は全力でやるが、再び、最強と戦ったとして、勝算は高くないぞ」


意外には思う。


あのジョージですら、最強に敗北したという事実は大きかったのだろうか。


ただ、さっきの戦いと今では、まるで意味合いが違う。


「いや、ジョージは勝つよ。この灰色の世界に来てくれた時点で、ジョージは誰にも負けなくなった」


そこから、ジョージに対して、俺はこの灰色の世界について懇々と説明してやる。


最初は疑っている様子も見せたが、結果としての自分を考えてみれば、納得するのも時間が掛からなかったようだ。


「…という事は、俺は死ねない…、いや、死ななくなったわけだな?」


「そうだ、死なないんだ。死なないジョージは誰にも負けない、絶対に!」


確信を込めて応じる、断言する。


「俺の力をお前の野望の為に、存分に使ってくれ」


「ああ、頼りにしているぞ!」


俺はついに、ジョージを手に入れたのだ。


本当の意味で、彼が俺のものになった。


嬉しくて仕方がなかった、どうしようもない興奮に満たされていた…。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ