3/15
胸の高鳴り
なるせと話してから、利佳子は浩也を見かけるたびに恥ずかしさがこみ上げてくるのであった。ほかの男子のときは抵抗はない。
「こういうことなの？人を好きになるって」
しかし、恥ずかしくなる分、うれしくもなるのであった。利佳子にとっては大きな一歩だったかもしれない。
利佳子は、浩也といられたらどれほど幸せか、と想像していた。
もっとも、浩也という人物をまだ利佳子は理解していない。
まだ、利佳子は恋というものさえも知らない。
なるせは、変なダンスをしている利佳子を見て、
少し心配になるのだった。
