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三年の月日が流れた。

わたしはどうも冬以外は調子が悪くなるらしく、冬の間以外護衛隊の仕事は出来なくなっていた。元々病気がちで、戦の出陣にも出遅れていたほどだったが、年々体調が悪化している。それでも死ぬようなことはなく、静養さえ取っていれば、命を繋いでいられることが分かった。


医者の見立てでは心臓の機能がわるくなっているらしい。実際心音にも異常があるとのこと。


護衛の面々や瑞葉様には非常に悪かったが、そんな風に三年を過ごしていた。


アヤメとも最近は連絡が取れるようになって、文通している。健康と金銭面の心配ばかりしている様子だったが、むしろこちらのほうが金持ちになったくらいだ。


私が死んだら呪物は従者に届けさせるから、安心して、と毎回書き送っている。向こうは西部諸州がもろもろ奪われてしまったが、それ以上の侵攻はなく、細々と国の命脈を保っているらしかった。


祖父はやはり死んだ。先日敵国から通達があったらしい。砦陥落の折に戦死したらしい。死体は埋葬したとのこと。祖父の呪物については何の連絡もなかったから、恐らく奪われたのだろう。せめて苦しみの少ない死であってほしい、と心の中で祈った。


それからまた一年が過ぎた29歳の秋ごろ。

キリヤマの頭目から自警団に使者が来て、代理で代表を担っていたムラキと面会があった。


私は寝込んでいたのだが、その次の日にムラキが私の家に訪問してきた。


「兵団の大頭目が、関東統合のため、関東東部へ侵攻するという話をされました。キリヤマ氏もそれに参加するそうです。そのため、義務ではないが、自警団からも兵を出してほしいという要請がありました。

見返りに報奨金と、街の運営への関与をする権利を与えるそうです」



キリヤマにはここでの平穏な暮らしを手配してもらった恩がある。できれば協力してあげたい。


「瑞葉様はなんて?」


「その裁量はサダメ様にお任せするそうですが、付き人は兵士に参加させられないそうです。また出陣にかかる経費も負担できないとのこと」


まぁ瑞葉様からしたら自分と関係のない戦なんて関心ないよね。と思って、私は意を決めて言った。


「参加する。従者二十名と、私で。騎兵と馬車も連れていく。残りは護衛隊の業務を継続して」


「サダメ様が行くんですか? ご無理をなさらず、俺とアベで行きます」


私は首を振る。


「いえ、私が行く。冬も近くなってきたし、体調がいい。出稼ぎでお金稼いでくる」


ムラキは食い下がる。


「サダメ様に何かあれば我々が困ります。戦力が恐ろしいほど低下しますから。せめて護衛としてもう一人兵士が必要です。俺が参加します」


確かに兵士は多いほどいいけど、瑞葉様の護衛業務でお給金を貰っているのだから、その兵士を減らすのは気が引けた。


「兵士は私一人で十分だよ。貴重な従者を使っちゃうけど」


ムラキは繰り返した。

「俺も行きます」


結局押し切られ、侵略随行には私とムラキが行くことにして、従者24名連れていくことにした。



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