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途中途中兵賊の支配下にある集落で、金を出して滞在させてもらいながら、兵賊にも色々な種類がいることに気づいた。本当に夜盗のようなものたちもいれば、集落の保護者として規律を保って警護団のように振舞っているものたちもいる。


中には都市国家の総督のような存在として、都市を庇護している兵団まであった。


小休止中に、クラベが話しかけてきた。「日本は政権がいくつも分裂して争いが絶えませんが、関東はその中でも更に無秩序な状態です。無数の兵団が起こっては消える、混沌とした地域でした」


私は率直に言った。

「そんな土地に安住できるものだろうか」


「それでも関東の兵賊はいずれまとまります。実はもう兵賊同士での争いはほぼ禁じられています。各々の支配領域も、お互いに承認し合っています。関東南部に突出した兵賊の兵団があって、関東の三分の一の兵賊は、既に彼の傘下か同盟関係にあります」


それは初耳だった。兵賊など自由と略奪が合言葉の、落ちぶれた野蛮な集団だと思っていたからだ。


「私たちがお世話になるキリヤマの兵賊も、その兵賊達の大頭目の傘下に入っています。言ってみれば、大頭目が国主で、頭目たちが領主のような関係でしょうか。大頭目はヤマガミというのですが、いま兵賊達はそのヤマガミの傘下に続々と入っているという、そういう情勢です」


兵賊同士では秩序が生まれつつあるらしい。それは私たちにとって都合がいいように思われた。


その大頭目の配下のキリヤマの兵団の保護下にいれば、問題なく平園に定着できるわけだし。


「魔王はその大頭目の支配する都で庇護されています。魔王はまだ子供なので、成長するまで、ヤマガミの保護下にあるでしょう」


「ふーん」


まぁ魔王についてはおいおい聞いとくとして。


「平園まだ? 到着したらしばらく一か月くらい寝込むから、キリヤマとの交流はあなたと兵士たちに任せるからね?」


実はまた超高熱が出ていた。立っているのもしんどいし喋っていても脂汗が出てくる。


「風邪ですか?」とクラベは心配そうに言う。


「額触ってみて」「うわ、すごい熱!」と驚いた様子だった。


私は自嘲気味に言う。


「私が死んだら三日間は待って。生き返るかもしれないので。腐ってきたら埋めていいけど、火葬とかはマジやめて。埋めるときも包帯に包まず、いまの服装のままで埋めて、棺の中に自殺用の毒物と笛を置いておいて。私の墓場から笛が聞こえたら駆けつけて救助して」とめちゃくちゃなことをお願いした。


クラベは呆気にとられたように「だ、大丈夫ですよ、そこまで心配しなくても。まずは休んでください。顔も青いですね」


「絶対火葬はやめてね」


わたしも自分で変なことを言っていると自覚しながらも、頭痛がしてきて、それ以上クラベと喋っていられなかった。アベたちが気を利かせて馬車を下りてくれたおかげで、馬車の中で横になれた。


私は朦朧とする頭で、冷静に考えれば土葬も半生き埋めだから生き返ったら残酷度やばいな、とぼんやり考えて、眠りに落ちた。


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