アミカケのマフラー。
辺りは、すっかり暗くなって、寒くなって来た。少し前から、みぞれも降って来た、トラは雨と寒さをしのぐ為に公園内の土管の中に居た•トラは以前•顔馴染みの優しい•おじさんが持って来てくれた、クッションを敷いてある丸い籠の中に入って毛繕いをしている。するとドカンの中に誰かが入って来た!トラはびっくりして身構えた!、土管の中に入って来た人物は高校生位の年頃の女の子だった!、女の子はトラを見て(わっ!猫!?猫ちゃん逃げなくて大丈夫だよ!雨が降って来たから•少しだけ雨宿りさせてね?びっくりさせてゴメンネ•)と、トラに話しかけて来た、トラは逃げなくて大丈夫だと思い、また何事も無かったように籠の中で毛繕いの続きを始めた。その様子を見た女の子はトラの側に腰掛けて•切ない表情を浮かべながら(猫ちゃん•この•クッション入りの籠•暖かそうね••誰かが猫ちゃんの為に持って来てくれたんだね••愛されてるね••。)そう言うと、女の子は自分のバッグの中から、棒針と毛糸を出してきた•どうやら編みかけのマフラーのようだ!、女の子は自分の指に毛糸を引っ掛けて•片方の手には棒針を持ち•ぎこちない手つきで•ゆっくりと•慎重に毛糸を編み始めた。トラは毛繕いを中断して、女の子の手元に目をやり•ジッと•見つめた。トラは女の子が誰か•自身にとって大切な人の為に「マフラー」を編んでいる••何となく•そんな気がした。女の子はトラの視線に気付き•(マフラーを編むのは生まれて初めてなの••難しいね••完成したら••貰ってくれるかな?喜んで貰えるかな•••)、と•囁いた。トラは女の子に向かって「ニャッ」っと短く鳴いて女の子に返事をした!。女の子はトラの方を見て笑顔になった。
ふと•土管の外に目を向けると•外は•みぞれから雪に変わっていた••土管の中の1匹と1人は••雪が降る様子を静かに見つめていた。




