ブンブン少年。
蒸し暑い夜だったんだけど、公園のベンチの側にトラが良く出没してるのを知っている優しい誰かが、プラスチックの容器に水を入れて置いてくれてるんだよ、それをトラが飲んでいる時に、(ブンブン〜ブンブ〜ン)と遠くでバイクの音が聴こえて来て、音はドンドンと公園に近付いて来たから、トラは、ベンチの後ろに生えてる木の後ろに隠れて様子を見ていた所、ブンブン音を鳴らして原付バイクが公園の中に入って来てベンチの所まで来てエンジンを止めたんだよ、バイクにまたがってたのは髪の毛の色が金髪の15〜16歳位の少年で、バイクを降りてベンチに座ると、ポッケからタバコを出して吸い出したんだよ、トラは少年に気づかれ無いように、そぉ〜っと木から顔を半分出して少年の様子を観察してたんだよ、(タバコはまだ吸える年齢じゃ無いでしょ!そこは禁煙ですよ!)と思いながら少年を見てると、少年が突然後ろを振り向いて、トラが居るのに気付いて!トラを凝視して来たんだよ!。トラは(あっ!ヤバイ・・見つかった・・何か怖い顔をしてトラを見てる・・、逃げようかな・)とトラが迷っていると、少年はスッとベンチから立ち上がると、くわえタバコの状態でバイクにまたがってエンジンをかけて、またブンブンと音を鳴らしながら何処かへ走り去って行ったんだよ、トラは(ふぅ〜、ちょっとだけ、びっくりしたなぁ)と思って、ベンチに飛び乗ってリラックスしたんだよ。何分位が経ったかなぁ・、トラはいつの間にか眠ってしまって、何かの気配で目がさめて、眼をゆっくり開けたら・、(わっっ!目の前に、さっきのバイク少年が、しゃがみながらトラを見てるじゃないか!)少年の側にはバイクが停めてある、エンジンを止めて、バイクを押しながら公園に入ってトラの所に来たのかな?。少年は無言でトラを見ていて、ポッケから何かを取り出したんだよ、猫缶!!少年は手で開けられる猫の缶詰の蓋を開けて、トラの前に置いてくれたんだよ!。トラは(コレ、トラのために買って来てくれたの?食べてもいいの?)トラが少年に向かって(ニャ〜ァ)と鳴いて問いかけると、少年はニッコリと笑顔になったんだよ!トラが猫缶を綺麗に食べ終わると、少年は空の缶詰を持って、バイクを押しながら公園から去って行ったよ、しばらくすると、少年のバイクのブンブンと言う音がして、やがて音が遠のいて聴こえなくなったよ。トラは(猫缶ありがとうね!最初に怖い顔をしてると思ってごめんね、バイクの運転は気をつけてね。また会いに来てね。)と思いながら、お腹がいっぱいになったので、また眠くなったのでトラは眠りについたのでした。