第7話 報酬と負債の均衡 〜それでも資産は歩みを止めない〜
1. 朝の帳簿と勇者たちの絶望
「オルカ、昨日の討伐報酬、また減ってるぞ!」
朝の宿屋。ハイレが討伐記録を手にやってくる。
「オーク討伐で資産200ベル、負債40ベル。ワイバーン討伐で資産500ベル、負債100ベル。
……で、今月の合計は……税金と社会保障料でごっそり引かれて、手元に残るのは半分以下だってよ」
「これが可処分所得の現実か……」
俺は家計簿を見てため息をつく。
「働いても働いても、手取りが増えない……」
「全部、魔王ジミンのせいよ。
センキョで勝つために、古い税制や社会保障の仕組みを全然変えようとしないんだから」
ブリジットが怒りをにじませる。
「政策で搾取され続ける国民の図、だな」
ランスが冷静にまとめる。
2. 第一バトル!搾取の化身・税金魔人
そのとき、宿屋の扉がバンッと開き、
「納税の時間だ!」という不気味な声とともに、
巨大な税金魔人が乱入してきた。
「お前たちの報酬、社会保障料と税金で根こそぎいただくぞ!」
「来たな、搾取の化身!」
俺たちはすぐさま戦闘態勢に入る。
「オルカ、右から回り込め!」
「ハイレ、討伐スキルで囮になれ!」
「ブリジット、ブログで税金魔人の弱点を暴いて!」
税金魔人は源泉徴収パンチ、年金ブレス、健康保険ビームを次々と放ってくる。
「うおおお、手取りがどんどん減っていくぅぅぅ!」
ハイレが絶叫。
「でも、税金魔人の弱点は制度改革よ!」
ブリジットがブログで搾取のカラクリを暴露し、SNSで拡散。
町の人々も「おかしいぞ!」「制度を変えろ!」と声を上げ始める。
「ランス、今だ!」
「天引きの鎖を断ち切れ!」
ランスが均衡の一閃で魔人の鎖を断ち切り、
税金魔人は断末魔の叫びとともに消滅した。
3. 報酬と負債の現実
「現実は厳しいけど、地道に資産を積み上げるしかないな」
俺はしみじみと呟く。
「ブログ収益も、夢はあるけど不安定。
SNSやアフィリエイト、商品開発と組み合わせれば可能性は広がるけど、
努力と継続、それに情報収集は必須」
「全世界株インデックスは、今日も地味にプラス。
派手さはないが、こういうのが一番安心だな」
ランスがスマホを見せる。
「ドラゴンファンドは……分配金は入ったけど、基準価格がまた下がってる。
やっぱり、見た目の配当だけじゃダメなんだな」
ハイレがしょんぼりする。
4. 第二バトル!暴落の魔獣・ブラックベアラー
その夜、討伐ギルドの魔法通信板が突然ざわめき始めた。
「速報!外国で大規模な戦争が勃発!」
「世界中の株式市場が急落!」
と同時に、窓の外から轟音。
闇を切り裂いて現れたのは、巨大な黒い熊の魔獣――
その名もブラックベアラー(暴落の魔獣)!
「資産を持つ者よ、絶望の底へ叩き落としてやる!」
「来たか、暴落の化身!」
俺たちは再び剣を抜き、立ち向かう。
「オルカ、全世界株を守れ!」
「ハイレ、ドラゴンファンドの盾になれ!」
「ブリジット、snsで暴落の真相を暴け!」
ブラックベアラーは[サーキットブレーカークロー]、[パニックセルブレス]で、
俺たちの資産を容赦なく削り取ってくる。
「うわっ、俺の全世界株インデックスが真っ赤だ!」
俺が叫ぶ。
「ドラゴンファンドも大暴落!」
ハイレが青ざめる。
「ブログのPVも激減……みんな不安でネットどころじゃないのね」
ブリジットがスマホを握りしめる。
「ランス、どうする!?」
「耐えろ!ここで狼狽売りしたら、本当に終わりだ!」
ランスが叫ぶ。
俺たちは必死に耐え、資産のロスカットを防ぐ。
5. イナズマの気配、そして絶望の夜明け
ブラックベアラーは暴れ狂い、町中の資産を根こそぎ奪い去ると、
最後に夜空を睨みつけて消えていった。
その瞬間、遠くの空に一筋の稲妻――イナズマが走る。
だが、それはまだ遥か彼方。希望の光にはほど遠い。
「……これが、暴落か」
俺は膝をつく。
「資産が真っ赤だ……」
ハイレが呆然とつぶやく。
「でも、まだ終わってない!」
「しかし今はただ、耐えるしかないんだな……」
俺も闇の中で拳を握る。
資産も負債も、現実も夢も、全部背負って進むしかない俺たち。
「オルカ、どうする?」
「ここからが本当のサバイバルだ!」