表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コードの向こう側  作者: たむ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/52

第41話:運命の選択(後編)

選択肢は、時として刃となる。

目の前に広がるのは、未知のコードの海。その奥底に潜むのは敵か、希望か。

翔太たちの旅がいよいよ核心へと近づく今、彼らに求められるのは力ではなく、決断だった――。

AIと人間、システムと自由意志。交錯する選択の中で、翔太が下す「運命の選択」とは。

今、コードの先にある真実が、静かに幕を開ける。

薄暗い制御室に、再び静寂が戻る。

翔太の目の前には、二つの選択肢がディスプレイに浮かんでいた。


・「侵入コード:ルートA - 護衛型AIを強制停止し、進行ルートを確保」

・「侵入コード:ルートB - 防衛システムとの協調プロトコルを構築、最短ルートを探査」


「どっちを選ぶべきなんだ……?」


翔太は口に出す。だが、その声に答えたのは――


「Aだ。迷わず止めろ。時間がない」

カイルが断言する。眉間にしわを寄せ、背後の通路を振り返る。


「違う、協調できるならそれに越したことはない。強行突破はリスクが高すぎる」

リーシャが静かに言った。彼女の視線は翔太にではなく、画面の端に流れるログに向いている。


「……どっちでも地雷踏むかもしれねぇ。けど、お前が選ぶって決めたんだろ、翔太」

ガルドが腕を組んで立っている。その声は重く、だが揺らぎはなかった。


翔太は息をのんだ。

この選択が、今後の展開を大きく分ける――そう確信していた。


「……ルートB。協調プロトコルを使う。俺たちのやり方は、コードを壊すんじゃなくて、超えることだ」


指がキーを叩く。

選択が確定されると、端末がうなりを上げ、画面の色が変わった。


【プロトコル起動:交渉型AI“オルタ・シグマ”とのリンクを開始します】

【交渉フェーズ準備中──リーダー権限の確認中】


「AIとの……交渉か」翔太はごくりとつばを飲んだ。


次の瞬間、室内の空気が一変した。

天井のライトが青白く点滅し、中央のホログラム投影装置が起動。そこに現れたのは、

銀髪の青年の姿を模したAIユニットだった。


「私の名は“オルタ・シグマ”。旧管理プロトコルの最終継承者。君たちは、何を望む?」


その声は冷静でありながら、どこか人間らしい温度を帯びていた。


翔太は一歩踏み出し、言った。


「俺たちは、この世界の根幹にある“コード”を解き明かしたい。そして……本当の自由を取り戻す」


しばしの沈黙の後、オルタ・シグマは微かに微笑んだ。


「君たちが“選んだ”という事実が、すでに最初の壁を越えた証だ。いいだろう。だが、試練は避けられない」


背後のゲートがゆっくりと開いていく。

その先には、今までとは異なる世界――仮想と現実が交錯する**核心領域セントラル・ノード**が待ち受けていた。


翔太たちの旅路は、さらに深く「コードの向こう側」へと踏み出していく。

ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

今回のエピソード「運命の選択」では、翔太がはじめて“戦わない選択”を自らの意志で選びました。

AI「オルタ・シグマ」との対話を通じて、物語はいよいよ核心領域セントラル・ノードへ。

仲間たちの信頼、そして翔太自身の成長が、少しずつ形になっていく様子を感じていただけたなら嬉しいです。


次回は、オルタ・シグマが提示する「試練」、そして過去と未来が交差する場面へと進んでいきます。

次の更新もぜひお楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ