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コードの向こう側  作者: たむ


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第36話:霧の支配者ロクス

深い霧に包まれた森——そこには未知の試練が待ち受けていた。翔太たちは旅の途中でこの不気味な森に足を踏み入れ、謎めいた霧の中で迷い込んでしまう。しかし、それは偶然ではなく、ある存在の意図によるものだった。


霧を操る謎の男、ロクス。彼はこの森を支配し、訪れる者たちに試練を課すという。通常の攻撃が通じない霧の魔物たち、見えざる敵との戦い——翔太たちはどう立ち向かうのか。そして、翔太はこの戦いを通じて新たな魔法の可能性に気づくことになる。


霧の支配者との戦いが幕を開ける。翔太たちはこの試練を乗り越え、先へ進むことができるのか?

霧が深く立ち込める森の中を、翔太たちは慎重に進んでいた。周囲は不気味な静寂に包まれ、木々の間からただ白い霧だけが流れている。


「……妙だな」カイルが剣を握りしめながら呟く。「さっきから、まるで同じ場所をぐるぐる回ってるみたいだ」


ガルドが地面を踏みしめながら「土地が歪んでいるのかもしれん」と言った。


「霧に幻術の魔力を感じるわ……」リーシャが小さく息を飲みながら呟く。「これは単なる自然現象じゃない」


その瞬間、どこからともなく冷たい笑い声が響いた。


「フフ……よくぞここまで来たな、旅人たちよ」


霧が渦を巻き、一つの影がゆっくりと浮かび上がる。黒いローブを纏い、長い杖を手にした男——霧の支配者、ロクスだった。


「貴様がこの霧を生み出しているのか?」翔太が警戒しながら問う。


「その通り。私はこの森を守る存在。そして、ここを通る者には試練を与える……」


ロクスが杖を振ると、霧が瞬時に形を変え、巨大な獣のような影を生み出す。その数は三体。どれも実体を持たない霧の魔物だった。


「くるぞ!」カイルが構える。


翔太はすぐに魔法を詠唱し、右手に炎の魔力を込めた。「《フレイム・バースト》!」


火炎が爆発し、霧の魔物を包み込む。しかし、一瞬後には元通りになってしまう。


「効果がない!?」翔太が驚愕する。


「霧の魔物に通常の攻撃は効かん」とロクスが不敵に笑う。「さあ、お前たちはどう戦う?」


リーシャがすぐに詠唱を開始し、風の魔法を発動させる。「《ウィンド・カッター》!」


鋭い風の刃が霧を切り裂くと、魔物の体が一瞬揺らぎ、形が崩れた。


「なるほど……霧を散らせばいいのか!」翔太が納得し、新たな魔法を構築する。「風と火の融合……試してみるか!」


翔太は深く息を吸い込み、炎と風の魔力を一つに束ねる。そして、杖を前に突き出した。


「《フレイム・テンペスト》!」


炎と風が融合し、竜巻のような火柱が霧の魔物たちを飲み込む。ロクスの笑顔が一瞬凍りついた。


「これは……!?」


霧の魔物は次々と燃え尽き、霧そのものが勢いを失い始める。


ロクスは舌打ちをしながら「ほう……なかなかやるな」と呟く。「ならば、次は本気で相手をしてやろう」


霧がさらに濃くなり、ロクス自身がその中へと溶け込むように消えていく。


「消えた!?」カイルが周囲を警戒する。


ガルドが斧を構え、「いや、奴はまだこの霧の中にいる。ここからが本番だな」と低く唸った。


翔太たちは緊張を高め、次の戦いに備える。果たして霧の支配者ロクスを打ち倒し、この森を突破することができるのか——。

霧を纏う森での戦いは、翔太たちにとって大きな試練となりました。通常の攻撃が通じない敵との戦いは、知恵と魔法の組み合わせが鍵となることを示しています。翔太が新たな魔法フレイム・テンペストを生み出したように、逆境の中でこそ進化することができるのかもしれません。


しかし、ロクスの本当の力はまだ明らかになっていません。彼が仕掛けるさらなる試練とは? そして、この森を抜けた先には何が待ち受けているのか? 


次回もぜひお楽しみに!

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