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鏡像世界

作者: 葉沢敬一

毎週日曜日午後11時にショートショート1、2編投稿中。

Kindle Unlimitedでショートショート集を出版中(葉沢敬一で検索)

 毎晩毎朝夢を観る。みんなそうだとおもうが、僕は奇妙なことに気づいた。

 左右が逆なのだ。例えば山手線。新宿が東で、上野が西になっている。起きて混乱する。あれ? そうなのか? と思う。


 昔、京王線沿線に住んでいたのだけど、東から新宿に向かう夢を観る。


 そうかと思えば、今住んでいる地方の路線の東西が反対になっている。街に出るのに西に行かないといけないのに東に向かう夢を観る。


 そんな夢をみることに気づいて夢の中でも気にしていたら、部屋の配置が左右逆になっているし、右利きなのに左利きになっていた。


 あまりにも不思議なので調べてみたがネットにもそんな記述は出てこないことに気づいた。これは僕だけのことだろうか?


 ある日、僕は左右逆の不思議な世界についてのブログを立ち上げた。この珍しい体験を共有しようと思ったのだ。最初はただの趣味から始めたそのブログだが、徐々に読者が増えていき、僕の体験に共感する人々が世界中から寄せられるようになった。


 そんなある日、僕は自分の体験をもとにした小説を書くことにした。物語は、左右逆の世界を旅する主人公が、真の自己を見つける旅をするというもの。完成した小説は、ある出版社から高い評価を受け、出版の運びとなった。


 そして発売日。僕はわくわくしながら書店へと足を運んだ。そこには、僕の本がずらりと並んでいるはずだった。しかし、目に飛び込んできたのは、なんと表紙のタイトルが左右逆に印刷された本だった。一瞬、僕はまた夢の中にいるのかと錯覚した。


 書店の店員によると、印刷工程でのミスだという。しかし、このユニークなミスが話題となり、本は予想外の売れ行きを見せた。左右逆の世界について書いた本が、左右逆のタイトルで売られるというオチ。僕は、この奇妙な巡り合わせに、運命のいたずらを感じずにはいられなかった。

全ての著作権は私、葉沢敬一にあり、勝手な書籍化、マンガ化、ドラマ化、映画化などは禁止します。

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