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リリス③

「すごいっ、天才だらけ!!」


魔物たちの知能レベル。

それが高まったこと。

それを肌で感じ、リリスはなぜか感動。


賢さ0のリリス。

そのおかげで、魔物たちが人間を遥かに超えたという恐ろしさを理解できずに居る。


「これはお祝いをしないとですっ。そうと決まればうかうかしていられません!! ケーキを用意しないと……ところで、ケーキってなんですか?」


立ち上がり、一人興奮するリリス。

そんなリリスの眼前。


そこにアレンは佇み--


「リリス」


リリスの名。

それを呼び、冷酷な表情で見据える。


だがリリスは賢さ0。

しかしそれをもってしても、アレンの雰囲気に気圧されてしまう。


「? リリス? リリスっておいしんですか?」


命の危機。

それを肌で感じ、本能的に後ずさるリリス。


「み、みなさんも。そんな怖い顔をしないでリリスとおままごとしましょうっ。あっ、そうです。宿屋ごっこしませんか? あ、あなたたちがお客さん役で、貴方が主人。リリスが奥さん役で。どどど、どうですか?」


よりにもよってリリスは宿屋ごっこを提案してしまう。

それはリリスに染みついた快楽。

それがそうさせてしまったのだ。


そんなリリスの頬。

そこに飛ぶ、アレンの平手。


「へぶっ」


賢さが0。

そうなったからと言って、アレンは加減などしない。


盛大に転がり、「……っ」ぽたぽたとリリスは鼻血を垂らしてしまう。


「な、なにか赤いモノが出ていますね。なんでしょうか、コレは? そ、それにほっぺたもすごく痛いです」


鼻血といっしょに流れる涙。

それさえも、リリスには理解できない。


「あ、あれ。ど、どうしてお目々から水が出ているのですか? わからないっ。わからないっ。リリスにはなにもわからないです」


なにもわからない己。

それに対し、リリスは絶望に落ちていく。


だが、アレンは止まらない。


転んだままのリリス。

その元に歩み寄り--


「言っておく。俺は中途半端なことはしない」


そう声を響かせ、アレンはリリスの頭を踏みつける。


「ひぐぅ」


「ほら、リリス食えよ。パーティーをするんだろ? 草でも砂でもたらふく食べろ。いくらでもあるぞ」


リリスの顔面。

それを足で地に擦り付け、声を響かせたアレン。


「これからてめぇは賢さ0で生きていく。その身に残った宿屋での快楽。それだけを糧として生きていくんだな」


「へぐっ。おが」


声にならぬ悲鳴。

それをあげ、リリスはアレンに顔面を地面に擦り付けられ続ける。


そして。


「さて、と」


片膝。

それをつき、リリスの髪。

それを引っ張り顔を持ち上げたアレン。


現れる、リリスの顔。


「はぁはぁ。ひっぐぅ」


砂利と血。

そして涙と傷。

それに彩られた、リリスの絶望顔。


その顔に、アレンは拳を飛ばす。


「おごっ」


歯が飛び、血飛沫を散らすリリス。


その光景。

それをガレアと魔物たちは、静かに見守る。


一切の邪魔はしない。

そんな思いをたたえた表情。

それを浮かべながら。


数発の鈍い音。


それが響き--


ようやく、リリスはアレンより解放。


力無くその場にぐったりとし、ぴくぴくと痙攣を繰り返す有様。


そのリリスを担ぎ、アレンはガレアに向き直る。


ぽたぽたと。

アレンの拳から滴る血。


それはアレンの心に宿る闇。

それを完璧に表現していた。


「アレンよ」


「はい」


「お主の心の闇。それは我ら魔族にも劣らぬ」


静かに頭を下げる、アレン。

その姿。

それは紛れもなく闇染まりし人間そのもの。

引き続き更新頑張ります!!

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なんかもう無茶苦茶だし、正当性もないな。 人間がクズだし守る価値もないから滅ぼそうとなった時にやはり話としては勇者が魔物につこうが正当性を担保するために行いとして勇者側魔族側が善に見え…
[一言] ここまでアホの子だと幼児虐待にしか見えない
[一言] 賢さ0は微妙だなぁ 自分がどれほど愚かな真似したのか自覚すら出来てないからざまぁとしてはちょっと弱くなったかな?
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