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仕組まれた悪夢

警察との電話を切り、みんなに事情を説明した。

これから警察が来てくれるが少し時間がかかること、一人では行動しないこと、極力コテージの中から出ないこと。 みんなただ事ではないことが起きたと感じていたためか素直に了承した。 このとき時間は日付を越えようとしていた。


2時を少し回った頃、しばらく続いた沈黙を破ったのは洋介だった。

「警察はいつ着くんだろう?もう2時間以上も経ってるのに...」

誰も返事はしなかった。たしかにここが山奥だから時間がかかるととは言っていたがあまりにもおそすぎる。行きに車で来たときは都市部から山の中に入っても45分くらいで着いたキャンプ場だった。

「おれ、トイレ」と斗真が立ち上がる。それに同調するように風磨、洋介、沙耶香が立ち上がった。

「気をつけていけよ!コテージからあまり出るなって言われてるんだから」と注意した。流石にトイレを止めるわけにもいかないし、四人で行くから安心だろう。


四人が出ていきりらと俺は二人きりになった。友達が一人いなくなったこともありりらは一言も喋らず体育座りでうつむいていた。表情も確認できない。睡魔も回ってきたため少し俺も目を瞑ろう。

prrrrrrrrrrrr.... 誰かのケータイが鳴った。 俺のではなく未来月のでもなかった。 りらも起きたようで自分のケータイを確認していたが目があったときに首を振った。あたりを見回して見ると沙耶香のケータイがなっていた。 相手を確認しないで電話にでた。


「もしもし、沙耶香? あんたどこに行ってるの? お兄ちゃんもいないし」相手は母だった。

「もしもし、母さん? 陽太だけど」

「あらなんだふたりとも一緒にいたの。一体こんな時間まで何をしているの?」

「沙耶香の友達とキャンプに来ているんだ。少し前に言ってただろ沙耶香が。」

「あぁ、そんなこともあったわね、でもなんであなたはそこにいるの?」

「付き添い」めんどくさそうに答えた。 確かダイニングテーブルの上に置き書きをおいてきたつもりだったのだが。

「あらそう、まぁわかったわ。明日返ってくるのよね?」

「うん」 少し濁った返事をしてしまった今の状況を伝えるべきか悩んだが余計な心配だろう。こちらに警察も向かっていることだ

「そういえば、あなた達が言ってるのって〇〇県のキャンプ場でしたっけ?そこに繋がる道が交通止めになってるらしいわよ。土砂災害とかで、昼前には復興するらしいけど気を...」

その後母が何かを言って電話を切っていたが後のことは全く耳に入らなかった。全身に悪寒が走る。通行止めしている? だから警察が来ないのか。

おかしい。 それなら警察は連絡の一つや二つしてきてもいいのでは? 周りのキャンプ場利用者は気づいていないのか?

そんなとき洋介が血相を変えて帰ってきた。

「さ...沙耶香がいない」 

俺はトイレの方に一目散に走った。トイレの前では風磨と斗真がなにか言い争いをしていた。そんなのを無視して女子トイレを確認する。中には誰もいなかった。

「お前が交代で見張りをしようって言うからだろ!二人が見張りで二人づつトイレを使えば中までは無理にしろ一人になる時間は短かったじゃないか!」 斗真

「だってしょうがないだろ!未来月がいなくなったんだ。トイレの中でも一人が怖くて二人が誰かがトイレの中にいるうちに行きたかったんだ!」 風磨

「なら、俺らが戻ったあとについていったりとかどうにかできただろ!」 「でも!...」二人が怒鳴り合っていた。

「うるさい!だまれ!」俺は感情的に声を上げた。 二人の言い合いなんてどうでも良かった。

「お前ら二人はコテージに戻れ。俺は二人を探す。絶対に外に出るな。わかったな。」

「で....でも」

「早くいけ!」

二人はビクッとしながらコテージの方へ帰っていった。 

なんで沙耶香と未来月はいなくなった? 他にキャンプ場を利用している人もいたがそんな騒ぎもなさそうだ。 あたりに監視カメラもない。 いろんな思考が頭を巡った。


prrrrrrrrr.....


また電話だ 未来月のケータイにかかっ来た。 「非通知」

「もしもし」電話に出る

「おーやっと出たね、陽太くん」 相手の声に少し聞いたことのあるような感じがした。

「あなたは誰ですか? どうして俺を知っているですか? 未来月ちゃんはどこですか? 沙耶香もあなたが連れ去ったんですか?」 一気にまくし立てる

「そんなに一気に聞かれてもこまるよ~。沙耶香ちゃんは俺と一緒にいるぜ~」いちいち喋り方が癇に障る。

「俺はあんたのことを知っている。当然沙耶香ちゃんのこともなぁ~。あんたも俺のことを知っているはずだぜ~」

「沙耶香をどこへやった!」

「まぁまぁ、沙耶香ちゃんの無事は保証するよ。あんたがちゃんと俺の言うことを聞いてくれればな~」

「言う事?」

「残った4人の中に一人異常なやつがいる。そいつを明日の朝五時までに突き止めて花火場につれてきな。ちなみにケーサツはこないぜ~。そして他の四人にはこの要求のことは言わないことだな。そうすると自分で沙耶香ちゃんの命を危険に晒すことになる。じゃあな」

「おい!」 電話は切れた。 なんでこんなことが起きた? 俺はどうすれば、あの四人の中の異常者を見つけ出せなんて。

俺のケータイにメールがなる。沙耶香のケータイからだった。

” 早くしないともっと被害は広がるよ^^ ”

俺はコテージに向かって走り出した。


   *


「あー、あいつ今頃色々悩んでるんだろうなー。あはは」陽太の顔を想像すると面白くなる、がはらわたが煮えくり返りそうになる。

「お前の兄貴はたどりつけるかねぇ?」沙耶香の顔を覗き込む。気を失ったあとそのまま目を覚ましていない。

「まぁ、アイツのことだ絶対に異常者を見つけ俺の正体を暴くことだろう。」

「そしたらこうかいするんだろうなぁ~。」笑いが止まらなかった。

「さてここから面白くなるぞ~。」 月光の中不気味な笑い声が森の中に響いた。


   *


コテージに戻ると四人は完全にやつれてしまっていた。戻った俺を風磨が気まずそうに俺の方を見た。

俺はそんなことを気にせず沙耶香のケータイを探した。さっきまで母と電話したあとにほっぽりだしてトイレに向かってしまった。見つからない。たしかにこの辺においた。焦っていたため完全な記憶ではないがこの辺であることは間違いなかった。

なんでないんだ?

「沙耶香のケータイしらないか!?」 四人に問いかける。

みんなぽかんとしていた。 糞が

「さっき沙耶香のケータイからメールがきた....」 先程の電話を思い出す。この中の異常者。

「さっき陽太さんが電話に使ったあとはみてませんよ」とりらが弱々しく答える。

あのあと洋介からトイレであったことを一通り聞いたあと風磨たちが帰ってきたらしい。その後は俺が戻ってきたまんまだとか。 なら誰かが沙耶香のケータイをもっているのか?

メールがなる

” 回収したに決まってるでしょ?お馬鹿さん^^ ”

沙耶香のケータイからだった。すかさず俺は沙耶香のケータイに電話をかける。 しかし近くでコールの音はしなかった。 またメールだ

” ほら~、余計なことしないの~。他の三人が変な目であなたをみてるよ^^ ”

この中に本当に異常者はいる。 顔を上げて周りを見ると四人がこっちをみていた。

” まぁもう少し自分の周りの人間を観察してみることをおすすめするわ~ ”

このメールを最後にメールが止んだ。俺はその場に座り込む。

「ケーサツまだこないんですかね?」と風磨がつぶやく。

「遅すぎるよな」と斗真。

「二人も見つからなしどうしてこんなことに、おにーさんさっきからケータイを見たり周りを見たり

どうかしたんですか?」と洋介が聞いてきた。

「あぁ、親からのメールだよ。何も言わないで出てきちゃったからね。警察の方は今日は来れないらしい。さっき一人でいるときに電話があったんだ。」

「え」りらの顔が真っ青になった。その瞬間りらが奇声をあげてコテージから出ていった。

「三人はここにいなさい!俺が連れ戻す!」

りらが走っていく方に向かって俺は走り出した。

森の方へ走っていくりら。見失わないようにしっかり後をつける。急にりらが止まった。そこは川の前だった。 またりらが叫ぶ。 近くに行くと沙耶香の靴と大量の血痕が着いた大きな石が置いてあった。

どう落とそうかな。迷走中

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