静かな森の中
prrrrrrrrr.....
「ちっっ、あいつ電話に出ねーよ。せっかく愛情込めた手紙を置いてきてやったのになぁ」
未来月に目を向ける。しかし彼女はうつむいたままだった。
「いい加減にしr」 後頭部からなにかの衝撃を感じた。
*
電話に出ようと決心したときちょうど電話が切れた。その後ケータイはなることがはなかった。
手紙に目を向ける。俺宛の手紙。なぜ俺に?未来月と俺は今日はじめてあったばかり。繋がりなんて妹の友達ってことくらいだ。いろいろな思考が頭を巡る。
「これ、未来月の字じゃなくない....?」りらが呟いた。
周りが手紙の字を見て同調した。なぜかと聞いてみると。
「未来月の字には癖があるんです。前書道を習ってたからなのかわからないけど、」洋介が教えてくれた。
詳しく聞いてみると、未来月は多くの習い事をしていたいわば英才教育を受けていたようだった。
スマホを見るとロックはかかっていなかった。少し申し訳ない気持ちを持ちながら中身を確認する。その間に他のみんなにも未来月の荷物の中から怪しいものがないか調べてもらうことにした。
スマホの中には特に変わったものはなく、LINE、Instagram、TikTokなど女子高生らしいアプリや広告によく動画に出てきそうなクソゲーなどが入っていた。LINEはパスワードがかかっていて開けることができない。未来月の誕生日や好きなものの数字を当てはめてみたが開かなかった。他のSNSも特に怪しげはなく普通。
はぁ。と特に発見もなく諦めていると、「警察呼んだほうがいいんじゃないか?」と斗真が言った。確かにそうだが今の状況をどういうせつめいすればいい? まだ誘拐されたか事件に巻き込まれたかもわからない状態なのに。そんなことを考えている間に沙耶香の行動力が勝った。すでに警察に電話をかけていた。
「もしもし、警察のかたですか..........」沙耶香が警察にこれまでの経緯を話したらしくケータイを渡してきた。「責任者に変わってくれだと」と沙耶香に渡される。
まじか。まあ最年長だし付き添いはそういうものだと割り切り電話を変わった。
「もしもし」
「もしもし、こちら〇〇警察署の安西と申します。そちらの方で誘拐事件があったとお伺いしたのですが」
「まぁ誘拐っていうかなんというか、連れが一人いなくなっちゃって」
「今どちらにいるかお伺いしても?」
「はい 〇〇県〇〇市にある〇〇キャンプ場に来ています」
「っえ」
「はい?」
「.....いやいやなんでもありません。すぐにそちらに伺います。お名前をお伺いしても?」
「はい、柊陽太と言います。」
「分かりました。すぐに向かいますがいかんせんそちらは山奥にあるので少し時間がかかってしまいます。皆さん必ず最低でも二人一組、一人にはならないでください。そしてコテージの中で我々が到着するのを待っていてください。こんな暗い中探しに行こうなど馬鹿なことを考えてはいけませんよ」
なんかすごい剣幕だな
「分かりました。お待ちしています。」 電話を切った。
*
「いってぇ何が起きた?」 後頭部に強いショックの痛みがまだ残っていた。周りを確認すると別の場所に連れてこられたらしい。しかも森の中。
「クッソ。何が起きたんだ。」 イライラしながらあたりをもう一度しっかり確認する。すると月に照らされて逆光になっている何かを見つけた。 忍び寄るようにそれに近づく。 瞬間自分の目を疑った。
目の前には巨大な木に首を巻き付けて吊るされた未来月の姿があった。
ネタ切れです。頑張ります。