10,耳の詰まりを取ってあげる(親切)。
雷雲からは勝ち誇った声がする。
「馬鹿め! 俺の正体に気づいたようだが、そこまでだ! どうやって『雲』を攻撃するつもりだ!」
《雷雲化》のこの方だが、第九最上級国民となる。第六~第八は、さっきララさんとの共同作業で脳天を抉っていった人たち。
ララさんが心配そうに言う。
「えーと、イコライザーさん? 雷雲にダメージを与えられる攻撃はあるのよね?」
それは〈地獄神〉次第かな。
「とりあえず貫いてみましょうか。ララさん、突撃でーす!」
ララさんが僕を抱き上げたまま、雷雲めがけて飛翔。
〈地獄神〉で雷雲を抉る。
あ、手ごたえがあった。
刹那、雷雲から鮮血が勢いよく噴き出される。
「そ、そんなはずがぁぁぁあ!!」
雷雲化が解けた第九最上級国民さんが、人間の姿になって落下。そのまま床に激突。
僕もララさんから落としてもらって、
「いま行きますよ~!」
第九最上級国民さんが見上げて、僕が降ってくるのを見た。
「来るなぁぁぁぁ!!」
重力加速度の勢いで、ドリルビットを第九最上級国民さんの顔面に叩き込む。
とたん第九最上級国民さんの顔面が破裂して、肉塊が周囲に飛散。
しかし第九最上級国民さんはまだ生きていた。
ドリルビットが破裂させたのは、第九最上級国民さんの顔面の上部分。
下部分は残っていて、その口から絶叫が発せられる。
「うがゃぁぁぁぁああああ!!!」
第九最上級国民さんの全身から、四方へと稲妻が発射されだした。
しかもこれ、敵味方問わずだよ。
近くにいた別の最上級国民さんや、さっき僕を吹っ飛ばしたサイ型のモンスターなどが直撃を受けていく。
「ちょっと稲妻を乱射しすぎですよ。仲間まで攻撃してますよ」
「お、おれの顔があぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
あれ、僕の声が聞こえてないのかな? 確かに顔の上半分は吹っ飛んでいるけど、両耳は無事なのに。
もしかしたら、耳に何か詰まっているのかな?
僕は改めて、第九最上級国民さんのそばまで行く。そのさい何度も稲妻を受けながらも、感電ダメージを再生しながら。
「いま耳の詰まりを取ってあげますよー」
ドリルビットを、第九最上級国民さんの右耳の穴にねじ込んだ。そのまま押し込んでいく。
「あぎゃぁぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
これでいいかな。右耳からドリルビットを引き抜く。
それから僕は、第九最上級国民さんの右耳へと言った。
「聞こえますかー? 稲妻の乱射が、仲間にも当たってますよー?」
「お、おれの耳がぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」
「ふむ。まだ詰まっているみたいだね」
再度、右耳の穴にドリルビットをねじ込んだ。今度はもっと奥の奥まで突っ込んでいき、詰まりを取ってあげよう。
「うぎゃぁぁあああああああああ………!!!」
白目をむき、泡を吹きながら第九最上級国民さんは息絶えた。
これで稲妻の乱射も止まる。
「詰まりは取れましたかね」
ふと静寂が訪れる。周囲を見回すと、最上級国民さんとモンスターたちが僕を見ている。
「えーと。どうかしましたか? 戦いは休止中ですか?」
ララさんが僕のそばに降り立ち、耳打ちしてきた。
「イコライザーさんの苛烈な戦いぶりに、みんな言葉を失っているみたいよ」
「なるほど」
「モンスターたちの指揮を執ってあげてくれる? ここに阿修羅さまがいない以上、イコライザーさんしかいないわ」
「まぁ、そういうことでしたら」
僕は〈地獄神〉を突き上げて、
「モンスターの皆さん、いまこそ鬼畜のように戦うときですよ! さぁ、戦いの再開です!」
モンスターさんたちが鯨波を上げる。
「「「「「おおー!!!!!」」」」
最上級国民さんたちがギョッとした様子で、撤退を始めた。モンスター軍の気迫に、一瞬で呑まれたらしい。
こうなったら僕の指示はただひとつ。
「モンスターの皆さん! 最上級国民さんたちを逃しちゃダメですよ! 一人残らず皆殺しでーす!」
「「「「「おおー!!!!!」」」」
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