7,痛いですか?
つづいての第三最上級国民さん、発見~。
ところでその人は、ちょうど宝箱を開けているところだった。僕には、まだ気づいていない。
宝箱はダンジョン内にランダムで置かれており、オリ子が用意させたもの。第1階層にはなかったけど、第656階層ともなれば相当なアイテムが入っているのでは?
見守っていたら、第三最上級国民さんが歓声を上げる。その手には、黄金に輝く長剣が握られていた。
「おお! この輝きこそ、レア度『赤』の〈黄金剣〉ではないか!」
「レア度の色分けって、なんだっけ?」
さっきから付いて来ていたララさんに尋ねる。
「レア度は低いほうから『白』~で、最も希少なのが『紫』よ。『赤』は『紫』の次にレアなのよ、イコライザーさん」
レア度が高ければ、そのアイテムの効力も高くなるわけだね。つまり、いま第三最上級国民さんは新たなる力を手に入れたのだ。
じゃ声かけよー。
「すいまーせん」
第三最上級国民さんが、ハッとして振り返る。僕とララさんに気づくと、にやぁ~と笑った。
「ちょうどいい。この〈黄金剣〉の試し斬りをしてやろうじゃないか。ありがたく思えよ、雑魚モンスターどもがぁぁあ!!」
第三最上級国民さん、意気揚々と〈黄金剣〉を振るう。
「防御力を強制的に1割にする斬撃だ──くらえ、〈黄金斬〉!!」
瞬間、黄金に輝く斬撃が飛んできた。
で、僕を縦方向に一刀両断する。
ところで──
僕の防御力は無いに等しい。攻撃力が微々たる風刃でも、レアアイテムの黄金斬撃でも、同じように真っ二つにされちゃう。
相手としては、真っ二つにし甲斐がないかも。
そこのところは、本当に申し訳なく思うんだけど。
一刀両断から再生、第三最上級国民さんめがけて走り出す。
「真っ二つにされても死にませんよー」
「な、なんだ、コイツはぁぁあ! なんで死なねぇんだぁぁぁ!───と、おれが言うと思ったか?」
「ほう」
「てめぇがスキルで不死身になっているのはお見通しだ。だがな、おれ様にはこれがある──〈スキル封じ〉がなぁぁぁあ!」
おお。第三最上級国民さんの〈スキル封じ〉なら、僕の〈殺しようがない〉を封じることができるらしい。
そうしたら、どうなるんだろうね?
「死にやがれぇぇ、雑魚モンスターがぁぁあ!」
第三最上級国民さんが、また〈黄金斬〉を放ってくる。
ただし今回は、〈スキル封じ〉も発動済みだ。
「いいですよー」
黄金の斬撃が、僕の体を通過。縦方向に真っ二つです。
かくして僕は死にました。
ところで、標的にかけたスキルというものは、その標的が死んだら効力がなくなる。
第三最上級国民さんの〈スキル封じ〉も、僕が死んだことによって効力をなくした。
一方〈殺しようがない〉は、僕が完全に死んでも効力を発揮し続けるのです。
死んだら、無。
何もない無。
その無から、〈殺しようがない〉で引き戻される。
第三最上級国民さんは、僕の死体を踏んづけているところだった。
「どうだ! 〈スキル封じ〉と〈黄金剣〉を持つ俺は、最強だ! この分なら、〈灼熱の蹂躙者〉越えも夢じゃないな! はっはっはっ!!」
「盛り上がっているところ、すいませーん」
ちょうど右手を上げたところが、第三最上級国民さんの股間だった。
なので、そこに〈地獄神〉のドリルビットをねじ込む。
とりあえず僕の方針は、『最上級国民さんが痛がりそうなところにドリルビットを叩きこもう』だから。
「あぎゃぁぁぁあああああぁぁぁぁぁぁあぁあぁぁぁあ!!!」
第三最上級国民さんはひっくり返り、股間を抑えてのたうちまわった。股間からは血がブシューと噴き出している。
「痛いですか?」
第三最上級国民さん、僕を見て絶叫した。
「て、て、てめぇぇぇぇぇぇぇぇ、なんで死なねぇんだぁぁぁぁぁぁぁぁああああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
左眼にドリルビットをねじ込んであげながら、
「結局、言っちゃいましたね」
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