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5,心臓は滑るものだ。

 


 山道を進むと、有岡さんの死体を発見。


 不可解な死にかただ。

 全身を竹に貫かれている。つまり局地的な竹林が急成長して、有岡さんを殺したらしい。


「この竹、硬いね」


 試しに竹を《地獄神ヘル・ゴッド》で貫いてみたのだ。《地獄神ヘル・ゴッド》はどんなものでも簡単に貫けるし、同時に硬度を測定することも可能。


「《地獄神ヘル・ゴッド》によると、ウルツァイト窒化ホウ素並みの硬さだってさ。ところでウルツァイト窒化ホウ素って何だろうね」


「知樹くん。ウルツァイト窒化ホウ素は、地球上で最も硬い物質らしいよ。いま速攻でググった」


「つまり、この竹は地球上で最も硬いというわけだね。そんな竹を自在に操れるなら、けっこう強いのかも」


【無限ダンジョン】なら、もっと硬い材質のものが沢山ありそうだけどね。


「なんで竹なんだろうね?」


 と、早苗さんの素朴な疑問。


「竹が好きだったんだねぇ」


「あ、そっかぁ」


 ふいに複数の竹が絡み合い、20メートル級のヒト型を作り出す。ようは竹でできた巨人。それが襲いかかってきた。


「これは自動で動いているみたいだね。近くに敵を感知すると、攻撃する仕組みかな」


「どうする知樹くん?」


「殺し甲斐のない敵とは戦いません。早苗さん、逃走プランよろしく」


「え、わたしが決めていいの? じゃ知樹くん──失礼しまーす!」


 早苗さんが僕に抱きついてきた。全裸のままで。

 そのまま押し倒される──そして樹木の影に沈み込んだ。

 これは《影同化シャドウ・シェア》だね。しかしハグの必要はあったのだろうか。


 影に入り込んだことで、竹の巨人をやり過ごす。


「このまま影を飛んでいって、赤岩二郎を追跡しようと思うんだけど。知樹くん、いいかな?」


 まだ早苗さんは抱きつきを維持している。抱きつき維持の必要があるのか聞くべきだろうか。何となく、スルーでいい気がしてきた。


「いいよ、追跡して」


 早苗さんが《影同化シャドウ・シェア》状態のまま、《影跳躍シャドウ・ジャンプ》も発動。

 影と影の間をびゅんびゅん跳んでいく。なんか酔いそう。


 早苗さんが言うには、赤岩さんには《影跡シャドウ・トラッキング》というものを取りつけ済みとか。これはGPS発信機のようなもので、現在位置を把握できるという。


 早苗さんの進化が目覚ましいので、モンスター化してあげた僕も誇らしい。


 赤岩さんを見つけたとき、ぐるっと一周していた。先ほどの林間で、前広さんの死体を見下ろしているのだ。

 あと湯川さんは逃走済み、良かった良かった。 


 僕は影から出て、後ろから赤岩さんに声をかける。


「逃げずに戻ってくるなんて。赤岩さん。これだと狩りの愉しさがないので、もう一回やり直しますよ。5分待ちますから、はい逃げて~」


 赤岩さんが振り返り、憤怒の形相。


「これは貴様の仕業かぁぁぁ! 《征服竹(ザ・バンブー)》!!」


「あ、もうそういうのはいいんで」


 大地から複数の竹が伸びてきて、僕の体を突き刺す。同時に《自爆セルフプレイ》からの完全再生で、赤岩さんに肉薄する。


「貴様の攻撃など効かんぞ!」


「そういうのもいいんで」


 赤岩さんが《征服竹(ザ・バンブー)》による竹防御を発動。そりゃあ世界一硬い竹だからね。鉄壁の防御かもしれないけどさぁ。


地獄神ヘル・ゴッド》で竹を貫き、さらに赤岩さんの胸部も貫いた。ぐぉぉぉぉ。


「あぎゃぁぁぁぁぁああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」


 貫いていき、心臓まで到達したら《地獄神ヘル・ゴッド》を消す。

 かわりに右手で、赤岩さんの心臓を鷲掴みして引っ張る。


 思ったより抵抗があるので、頑張って引っ張る。


「ぎゃぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああぁぁぁぁぁぁ!!!」


 ようやく引きちぎった。


 瞬間、《自爆セルフプレイ》。

 完全再生したのは、境野さんの背後。


 境野さん、赤岩さんの悲鳴に釣られて近くまで来ていたのだ。


 境野さんの右ひざ裏を穿つ。

 すると境野さんが片膝つくので、頭頂部にドリルビットを押し付けた。だが、まだスイッチは押さない。


「ま、まままま、まって。い、命だけは助けて」


 と、震え声で哀願する境野さん。


「境野さん。ご家族はいますか?」


「な、なんの話?」


「ご家族ですよ。いますか?」


「い、いるわよ。そ、それがなんなのさ?」


「来週、また《人狩りゲーム》を開催します。ただし開催地は、【無限ダンジョン】第1階層です。最近、Cランクさん程度しか来てくれないんですよ。是非とも、Aランクさんのお友達を連れて来てください」


「わ、わわたしが?」


「そうです。最低でもAランクさんを4人ですね。それだけ連れて来てくれたら、境野さんは助けます。命とか取りません。

 けれども、もしも連れて来てくれなかったら──僕は境野さんのお宅にお邪魔しますよ。そして境野さんのご家族が、こうなります」


 境野さんの顔の前まで、赤岩さんの心臓を持っていく。

 で、握りつぶそうとした。


 ところが、つるっと滑って地べたに落ちちゃった。あらら。


 仕方ないので、踏みつけておく。ぶちゃりと潰れた。


「じゃ、よろしくですー」



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― 新着の感想 ―
[一言] とりあえず一気見しました。 サイコパスな文章、読みやすいです。 次の更新待ってます。
[一言] スキル封印スキルとかが有れば主人公を殺せるのかね?
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