表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

4/180

4,「冒険者が雑魚すぎるなんて、フロアボスの僕への侮辱だぁぁ!」ので、惨殺コース。

 


 アンデッドの潮崎さんを従え、とりあえず進む。

 すると、潮崎さんが遠慮した様子で聞いてきた。


「あの、えーと、お名前は?」


 もう僕の手下のようなものなので、名乗ってもいいかな。


「僕の名はイコライザー(均一化する者)


「はぁ……」


 何だろうか。中二病を見るような気の毒な眼差しなのだが。


「イコライザーさん、わたし達はいまどこに向かっているのですか?」


「知らない」


「えぇ! 知らないのですか?」


 冒険者の現在位置が分かるシステムの導入を、オリ子に頼んでみようかな。

 通路のかどを曲がったとたん、ふいに人とぶつかった。


「あ、すいません。急いでいたもので」


「なんだぁ、コイツは?」


 僕がぶつかった相手は、10代後半の男。これが冒険者002だな。

 その後ろには、取り巻き顔の003と004がいる。


 冒険者というのは、イギリス貴族がキツネ狩りするのに似ている。彼らにとっては、特権階級だけができるスポーツというわけだ。だからこうして気軽にやって来る。


 冒険者002の視線が僕の後ろへと向けられる。潮崎さんへと。


「てめぇ、なんで生きてやがる? 俺がせっかく絞め殺してやったのによ?」


 なるほど。潮崎さんを扼殺したのが、この002か。


「まぁ、いいぜ。また俺と遊びたくて蘇ったってわけだな? そんなに俺たちのオモチャになるのが気持ちよかったのかよ」


 潮崎さんの表情には、悔しさと恥辱がある。

 僕の手下をイジメないでもらいたい。


「すいませんが、名乗るのが遅れました。僕の名は、イコライザー。第1階層を任されているフロアボスです。彼女は潮崎佳奈さん──改名・アンデッドのカナです」


「この女がアンデッドだとぉ? はっ、なら丁度いいや。どれだけ乱暴にやっても、そうそう壊れねぇってことだろ。遊びがいがあんじゃねぇか」


 潮崎さん、ではなくアンデッドのカナが恐怖に身をすくませる。


「あのですね。ここの主役は僕でして。分かりますか? フロアボスですよ、フロアボス。3人で協力してかかって来てくださいよ」


「あぁ? ボコられてぇんなら、そう言えよ。ほらよっ!」


 ただのパンチを顔面に食らって、僕は後ろに吹っ飛んだ。

 003と004がすかさず、倒れた僕を蹴とばし始める。


 カナの悲鳴が聞こえる。


「やめてくださいっ! イコライザーさんが死んでしまうっ!」


「おい。そいつをボコったら来いよ。俺は先にこの女と、向こうで遊んでるぜ~」


 002がカナを引きずっていく。そして見えなくなった。


 この間も、僕は殴る蹴るの暴行を受けていたわけだけど──これは納得いかない。


 フロアボスに対する扱い、ひどくない?

 これじゃ、不良がいじめられっ子をボコっているみたいじゃないか?


 いま思うと冒険者001は、いい人だった。

 最初から《火弾ファイヤ・ボール》を使ってくれたんだから。あれは僕をプロのフロアボスと認めてくれていたからに違いない。


 ところがこの冒険者たちはどうだろう?

 殴る蹴るだって? フロアボスを殴る蹴る……


「ちゃんと殺す気だしてくださいよぉぉ!」


 電動ドリル型マジックアイテム《地獄神ヘル・ゴッド》を召喚。というのも、異空間から出し入れできるようになっていたので。


 さっそく、003の右足のかかとにドリルビットを当てる。スイッチオン。ぐぉぉぉ。


「ぎゃぁぁ! 痛てぇ! 痛てぇよ!」


 004が笑い出す。


「はは。お前、何やってんだよ、バーカ」


 余裕をかましている004の股間へと、稼働中のドリルビットを叩き込む。ぐぉぉぉぉぉ。

 アレがひき肉になった。


「ぎゃぁぁゃぁぁゃぁぁああぁゃぁぁゃぁぁゃぁゃぁぁゃぁゃぁゃぁぁゃぁゃぁゃぁゃ!!!!!」


 004が悶絶しながら両膝をつくので、ドリルビットを移動。004の下顎へ。

 押し込む。ぐぉぉぉぉ。


「あばばばばばばはば………」


 下あご貫通。さらに上あごまで貫通。

 引き抜く。


「うべぇぇぇぇ!」


 さらに、こめかみにドリルビットを当てて、ぐぉぉぉ。脳まで進む。


「ひぎぎぎぎききぎぎ!!!!」


 1人、片付いた。


 見ると003が腰を抜かしている。漏らしている。

 これが冒険者とは情けない。


「さぁ、《火弾ファイヤ・ボール》くらい、僕に撃ち込んてくださいっ! 3秒以内に! 3、2、1──」


「で、で、できまぜん」


 衝撃の告白。


「え? 魔法を使えないの? 冒険者なのに?」


「あの、俺が、俺が使えるのは、こ、これくらいで」


 003が魔法を使った。そよ風が吹いた。

 終わり。


「冒険者が雑魚すぎるなんて、フロアボスの僕への侮辱だぁぁ!」


 003の左膝に、ドリルビットを押し込む。ぐぉぉお。

 骨と筋肉をかき混ぜよう。


「あぎゃぁぁぁ痛いよぉぉぉぉぉ!」


 抜いて、絶叫している003のひたいにドリルビットの先端を向けた。


「や、やだぁぁぁあ! 死にたくないぃぃぃぃよぉぉぉぉぉぉぉ!」


「またまたぁ~」


 ぐぉぉぉぉお。


 さて2人目も片付いた。

 あとはカナを連れていった、冒険者002だ。


 きっと002は、強い冒険者に違いないぞ!



気に入って頂けましたら、ブクマと、この下にある[★★★★★]で応援して頂けると嬉しいです。励みになります。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ