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り・くりーげりん 童話少女戦記  作者: 星麒麟


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最終話 ハーメルンの笛吹き男と終楽章

最終話 ハーメルンの笛吹き男と終楽章


カエルを止めた七人は元凶である笛吹き男がいるというハーメルンの街に来ていた。


「カエルを殺したのは君たちだね」


色とりどりでまるでピエロの様な格好をした男が現れた。


手には笛を持っている、この男がこそがハーメルンの笛吹き男だろうと皆が思った。


「皆様の想像通り、私がハーメルンの笛吹き男でございます」


「逃げも隠れもしないということか?」


ヘンゼルの問に半笑いで男は答えた。


「なぜ、逃げる必要があります? 私の犯した罪はなんですか?」


「カエルに本を渡しただろう」


「それがどうしました。本は本、そこに意思は何もないんですよ」


「だが、世界に悪意を撒き散らす様に指示しただろうが」


「誤解なされているようだ。私が渡した本はただの本。何も力は無いのですよ」


「そんなハズはないだろう、現にカエルが書いた事が現象として起こっていた」


「それはですね、カエルにかかっていた魔女の呪いがカエルの憎悪によって漏れ出したに過ぎないのです」


笛を吹く、魔獣たちが現れる。


「まどろっこしい事をしなくても魔獣・妖獣を操るなど造作もない事なのですよ、私にとっては」


「なぜ、あんな面倒な手段をとった」


「絶望に暮れるカエルが綴る物語を楽しみたかった。それだけですよ。あの本に力があるとすれば、それは『憎悪を増幅する』くらいでしょうか」


「なんにせよ、元凶にある事は変わりない。倒すだけだ」


赤ずきんのメイジーは刀を構えた。


「本来はあなたたち物語の主人公たちは『その後、幸せな生活を送りました』と綴られ終わるはずだったんです。それが皆で旅に出ている。あなたたちの作者ですら考えもしなかった形に変貌を遂げているのですよ」


メイジーは笛吹き男に呼び出された魔獣を斬り伏せ、笛吹き男に向い駆ける。


メイジーの刀を笛でさばき続ける笛吹き男。


いばら姫タリーアも加勢するが笛吹き男を捉えられない、身のこなしも中々の物だ。


「しかし、多勢に無勢ですねぇ」


男が笛を吹くと街中の子供たちが男の前に立った。


子供たちに囲まれ男に近づく事ができない。


「おいおい、旦那よ、人質とは卑怯だな」


「人質? 何を言っているんです、これらは私の私兵ですよ!」


子供たちが包丁や鎌などを手に七人に向け襲って来た。


「ちょっと、もっとズルいじゃない!」


髪長姫ラプンツェルは髪で子供たちを捕縛するも、数が多すぎる。


ヘンゼルも捕縛銃で数十人を捉えるもキリがない。


「誰かあの笛の音を止めろ!」


「はいな!」


ドゴオオオ!!


マッチ売りのアンネ・マリーが空中でダイナマイトを爆発させた。


轟音に笛の音がかき消され子供達の動きが止まった。


その一瞬を逃さずメイジーが子供達をぬって進み笛吹き男に斬りかかる。


笛吹き男は笛で防ぐ。


メイジーの持っていたのは刀ではなくグレーテルのハンマーだった。


笛吹き男が距離をとり再び笛を吹き始めるが子供達は眠ったままだった。


笛はハンマーでひしゃげて楽器としての機能を失っていた。


「アンネ・マリー!」


アンネ・マリーはメイジーに日本刀を投げ、メイジーはそれを受け取る。


メイジーとタリーアは二人で笛吹き男を斬り伏せた。



倒れた笛吹き男を皆で囲んだ。


旅の終焉のはずが、死の間際、笛吹き男が呟いた。


「本は一冊ではございませんよ」


それが笛吹き男の最後の言葉だった。



主人公たちはその後、妖獣・魔女を倒す旅を続けました。


【第一部 完】


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