第11話 白雪姫と七人の主人公
第11話 白雪姫と七人の主人公
スノーホワイトというお姫様がいました。
その美貌から年増の(というにはあまりに年を取りすぎている)魔女に逆恨みされ、毒リンゴを食べさせられ眠りに落ちました。
アンチエイジングに失敗した気狂い魔女の完全な逆恨みです。
邪魔者のスノーホワイトを排除し、自分の城に帰るなり魔女は魔法の鏡に聞いた。
「鏡よ鏡、この世で一番美しいのは誰だい?」
「それは、いばら姫タリーアです」
「誰だいそいつは!」
「良き魔女の祝福により美貌を得たお姫様です」
「そいつは今どこにいる!」
「この近くに」
魔女は変装しタリーアの元へ向かった。
ヘンゼルとグレーテル、髪長姫ラプンツェルに新たに加わったいばら姫タリーアの一向は北に向かっていた。
その前にひとりの老婆が現れた。
「お嬢さん、なんて可愛いんだろうね」
突然現れた老婆に皆警戒した。
「そうだ、お嬢さん、リンゴはどうだい、採れたてて甘いリンゴだよ」
老婆はタリーアにリンゴを差し出した。
それを見てラプンツェルがヘンゼルに合図を送った。
ヘンゼルが矢でリンゴを居抜く、すぐさまラプンツェルの鉄球が老婆を打ち抜いた。
「な、何をするんだい」
「あなたたち悪しき魔女からは腐った匂いがしてくるのよ」
「まったく、手荒な事はしたくなかったんだけどね」
魔女は呪文を唱え魔獣や悪鬼を大量に呼び出した。
「骨にしてやるよ」
一体一体はヘンゼルたちの敵ではないが、あまりに多い数に苦戦をした。
突然、何かが爆発し大量の悪鬼が吹き飛んだ。
その爆発を寸前で逃げた魔獣たちだったが赤ずきんを被った少女に次々を打ち倒されていった。
爆風の中からかごを持った少女がヘンゼルたちの元に来た。
「助かったあんたたちは」
「私はマッチ売りの少女アンネ・マリー、あの刀のこは赤ずきんメイジー、そしてこの子が、」
アンネ・マリーの胸ポケットからひょこっと顔を出した少女が自己紹介をした。
「親指姫のサンベリーナと申します」
「このまま共闘って事でいいかな」
「はい、是非とも」
形勢が不利になるや魔女はカラスに変身し逃げようとした。
「そうは問屋がおろしませんよ」
紐を持ったサンベリーナがアンネ・マリーに投げられ。
サンベリーナは器用に魔女の足に紐を結びつけた。
魔女は飛ぼうとするが地面に叩きつけられる。
サンベリーナはハンカチをパラシュートのように使い見事アンネ・マリーの手のひらに着地した。
「さすがリーナっち!」
「アンネ・マリーさんのコントロールも素晴らしかったです」
「もう、許さないよ」
魔女はカラスからクマに変身しようとした。
刹那メイジーとタリーアの剣が十字に切り裂いた。
「あら、お見事ですわね」
「あんたもね」
こうして魔女は討たれた。
ハンターたちは互いに自己紹介をし、お互いの目的が一緒である事を確認、共に旅をする事となった。
そんな皆の前に白雪姫スノーホワイトが眠りから覚め現れた。
ヘンゼルが尋ねる。
「あなたは」
「私はスノーホワイトどうやら眠っていたようです」
「我々はハンターを生業としている者。カエルの王子を探しています」
「カエルの王子? そういえばここより北に沼があり、そこに人間ほどの大きさのカエルがいると聞いた事があります」
「間違いない、そいつだ」
いよいよ元凶の場所がわかった。
七人となった一同は北の沼地へ向かった。




