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「最近さ、この町で話題になってる事件って知ってる?」


「事件? この前の交通事故のこと?」


「それ事件じゃなくて事故じゃない。あ、でも…うーん…。惜しいかなー」


「惜しいってなによ」


「あのね、今この町では『騒音問題』が多発してるんだって」


「なにそれ。暴走族とかが暴れてるの?」


「それが、その騒音問題のほとんどは原因不明らしいの」


「原因が分からない騒音って何?」


「『騒音』って言うからには結構うるさいはずよね? でも、その音の発生源を見に行ってもそこには何もないんだって」


「へぇ…。…ていうか、そもそもその騒音ってどんな音なの?」


「どんな音だと思う?」


「質問に質問で返すのあんたの悪い所よ」


「ちょ、睨まないでよ。ごめんって」


「許す」


「ありがたき幸せ。で、実はね? その騒音を聞いた人は皆、まるでしめしを合わせたかのように口をそろえてこういうんだって




『誰かが言い合っているような、喧嘩をしているような叫び声』だぁって」


「じゃぁそれ普通に喧嘩じゃん」


「でも、さっきも言ったようにその騒音、怒鳴り声が発生した所には何もないのよ? つまり、喧嘩をしてる人は誰もいないの」


「逃げたんじゃない?」


「逃げたとしても、似たような事があちこちで起きてるんだよ? おかしくない? しかも、中には小さな女の子の声もまじってたって言う人もいるらしいし」


「え、それは普通にやばくない? 警察とかに連絡とかいってるの?」


「勿論。でも、警察が調べてもやっぱりその騒音の原因は分からないんだって」


「それ怖いわね」


「で、もっと怖いのがね? この騒音問題、誰かが怒って叫んでるような、泣いてるような声が聞こえるところの唯一の共通点がさ


『最近誰かが死んだ所』


…ってところなの」


「うわ…」


「もしかしたら死んだ人の幽霊が生きてる人を一緒に連れて行こうと呼んでるのかもしれ」


「いっきに胡散臭くなったわー」


「え!?」


「なんかよくありそうな話しになったわねー」


「え、ちょ、酷くない? 警察も動いてるんだよ?」


「いやいや、よく考えたら人の声ごときで警察が本腰入れて調べるとか考えにくいし、多分それ調べてますって言ってるだけなんじゃない?」


「そんなことないって! 私たちの払ってる税金分あの素晴らしい職業の方々は身を粉にして」


「はいはいワロスワロスー」


「ちょ、ちゃんと聞けって!!」



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