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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。
この連載作品は未完結のまま約8年以上の間、更新されていません。
今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。

【神と人の終焉回廊】

作者:蒼海
 “それ”は、『少女』の姿をした“なにか”だった。
 “それ”は、『少年』の形をした“なにか”だった。
 “それ”は――人の姿形をした、『神ならざる者』だった。



 十年前、エルフを排斥したことによって光の恩恵を失い、今尚異常気象に見舞われ続ける小国≪アインスヴェルン≫――その城下町、通称≪霧の晴れぬ都市≫で、少年は生まれ育った。
 流行り病で亡くなった母の遺した喫茶店を経営しながら、少年はただ願った。
 平穏な暮らしを。安寧の日々を。友人との永久の絆を。母の“望み”を全うすることを。
 “神”と“精霊”が形作り、“人”とその“混ざり物”である様々な種族が蔓延る世界。その片隅で、少年のささやかな願いは叶えられる――はずだった。

「――オ前、“女神(デア)”ノ子、カ?」

 濃霧に覆われた新月の夜、少年――エフェシア・フィアーブラの運命は一変する。『神ならざる者』の手によって、その運命を捻じ曲げられる。
 酷く、醜く、悍ましく――最も歪で“正常”な形に、エフェシアの運命は動き始める。

「――童、力が欲しいか?」
 それは、人智を超えた諸刃の剣。天使にも似た悪魔の囁き。
 “精霊”の王は、エフェシアに語り掛ける。
「……その力があれば、僕の護りたいものを、護れるか?」
「妾は与えるのみ。使うのは童自身じゃ。のう、『神ならざる者』よ」

――それは、数百年に渡る終焉の序章にして、数千年に及ぶ歴史の幕開け。

「――僕は、自分が何者であるかを知りたい――そして、」
 産まれるはずの無かった“忌み子”が、自分を見付けるまでの物語。
「僕が『エフェシア・フィアーブラ』以外の何者でもないことを、証明する!!」

「――善いのぉ、偽りに塗れた欺瞞の子よ。崇め立てられ、忌み嫌われた“神の子”よ。人智を超えたその身に、力をやろう。祝いをやろう。呪いをやろう。さぁ――新たな“神話”の幕開けじゃ」
Prologue-始まりの荒野-
2017/05/26 04:22
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