#rtした人の小説を読みに行く、というタグをやってみた。
本エッセイの読者の皆様なら、私がなろう作品に感想や評価をつける際にどういうスタンスで行っているか既にご存じのことと思います。
そんな私が、昨日Twitterで
#rtした人の小説を読みに行く
というタグツイをして、実際にいくつかの作品を読んでみました。
結構多くのRTを頂いたのですが、さすがにその全てに目を通すことはできず、リプ欄に作品へのリンクを貼ってくれた方の作品だけになりました。RTを下さったにも関わらず読みに行けなかった作者の皆様には、この場を借りてお詫び申し上げます。多分見てないと思いますけど。
タグツイの際に『辛口です』と書いておいたので、それでもRTするってことは覚悟はできてるんだよね? ってことで遠慮なく辛辣な感想を述べさせていただきました。短編は最後まで読みましたが、中~長編の作品は序盤のある程度のところまでの評価となってしまったことも重ねてお詫び申し上げます。
しかし、例えば最初の五話ぐらいまで読んで合わないと思いながらその先まで付き合ってくれる読者はまずいないと思うので、いち読者の行動及び感想としてはそれぐらいが妥当なところではないかと思います。
で、元来感情の希薄な私は、最初の方をちょろっと読んでキャラクターに感情移入なんて不可能なので、一歩引いた視点から文体や構成を評価するという形になることが多いです。サーッと作品を読んで、このキャラクターはどう思っているかとか、登場人物の視点に立って心のこもった感想を述べられる方を私は尊敬します。私には無理です。
序盤の構成としては、これは最早一般論に近いしわざわざ私が偉そうに言うことでもないとは思いますが、いきなり説明から入るのではなく、印象的なシーンを見せるか、印象的なキャラクターを出していく。そして、まずは読者にそのイメージを固めてもらってから世界観を小出しに見せるというパターンが理想だと思っています。
しかし、問題は文章のほうです。
なろうの感想欄でもそうなのですが、文章が拙いと書くと、『どこがどう拙いのか具体的に教えてください』という趣旨の返信が来ることがあります。が、わざわざ『文章が拙い』と滅茶苦茶失礼なことを敢えて書く場合は、具体的にどこと指摘できないほど拙いところがたくさんあるという意味なので、現実的に不可能なんです。
敢えてアドバイスをするならば、とにかく紙の本をたくさん読んで、自分の文章とどこが違うのか比べてみてください、ぐらいでしょうか。どんな本を読めばいいか、ということなら、お勧めできるものは色々あります。
私なら、綾辻行人の作品から読みやすさを学び、森博嗣の作品からユーモアの出し方を学び、ALI PROJECTの歌詞から比喩や暗喩、耽美な表現を学んでくださいと答えるでしょう。私が手本と仰いでいるものがそこにあるからです。夏目漱石や太宰治、芥川龍之介、谷崎潤一郎、夢野久作ら文豪の作品も、読めば作品に深みを出すことができるかもしれません。
最近の純文学のことはよくわかりませんが、文体に変化を出したいなら、食わず嫌いせずに色々な作家の作品を読んでみればいいと思います。全然興味がなかったジャンルの作品からも学べる事柄は多いはず。特に異性の作者の感性を吸収できれば大きな糧になるのではないでしょうか。
今回は以上です。