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先入観

作者: 竹仲法順

     *

 誰もが持つ類のことだ。だが、これほど人間を不幸に、また不幸足らしめているものはないと思う。

 簡単な例を挙げるが、皆から好かれているAという人の行った悪事であるaと、皆から毛虫みたいに嫌われているBという人の行ったbという悪事は、客観的に見て、aとbが等価の悪事であったにしても、人はbの方が悪いと言うだろう。これが人間の一番持ってはいけない先入観というもののなせる業だ。

     *

 日本人は古来から、こういった先入観というもので物事を判断する民族だと思える。まあ、別に日本人だけじゃなくても、地球上の人間全てに当てはまるとは思うのだが、これが前述したようにその人を不幸にしている。いわゆる貧しい物の見方だ。心に差別や偏見を植え付けてしまうという。

 大体、この世の中、そういったことばかりじゃないか!何かに付け、コイツは正しくてアイツは悪いといった風に。ボクもそういった見方がないわけじゃないのだが、周囲には大勢いるね。差別と偏見で物を見る輩。

     *

 まあ、もちろん人間は人生が一定の段階まで来ると、もうそういった見方は捨て去れない。脳に焼き付いているから。それにそういったものが、いかに人間を不幸にしているかは言わずもがなだ。自縄自縛と言うが、まさにその通りである。己の縄で己を縛っている。それがいかに狭くて古臭く、おまけに超が付くほど貧しい考え方であるかは、判断できずに、だ。

 よく「人種差別はいけません」などと言う人がいるけれど、そういった人たちの方が返って人を差別的な態度で見、非常に可哀想な差別的言辞を吐くのだろうと思える。まあ、ボクに対してもそういったことをしてくる人間はいる。別に誰とは言わないけど……。そういったことは人間を不幸にするのだ。そうとしか思えない。

     *

 先入観なり先入主は、暗黙の裡に自分を不幸に落とし込むことはもちろん、他人にも負の要素を突きつける。よくない。かと言って、これが消えることもまずない。ただ何度も言うように、人間を色眼鏡で見るのは、他でもなく自分を不幸にするのだ。これは心得ておきたい。

 最後に一言言っておくと、先入観は偏見そのものとすら結論付けることが出来る。完全にイメージだ。イメージはイメージで、単に頭の中でこしらえたものに過ぎない。別にいいか悪いかは別としても、全般的にはあまりよろしくない代物である。頭ごなしにその人を否定しに掛かるのだから……。そう、人間は幸福な人生を送るか、不幸な人生を歩まざるを得ないかは、そこだけに係っているのだ。物質的な問題や、社会における富の問題はまた別として……。

 ひとまず、自分なりに正論を一つ書かせていただきました。

 ではまた。

                            (了)




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