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プロローグ

 退屈だ…。入学して一ヶ月、GWも終わり、またいつもどおりの生活。周りの奴らは勉学、運動に励む…。馬鹿馬鹿しい!入学時に行なわれた学力テストでは満点。体力テストは文句なしのA判定。やれ合コンだなどと騒いでいる奴らより、自分の容姿は上だと自負している……。完璧だ……。なのに…なぜッ!なぜ、誰も俺に話しかけてこないのだ!?

男も女も誰も話しかけてこない…。連休中にあったらしいクラスでの親睦会。誘われたが、少し悩む素振りを見せただけで、すぐに出席用紙へ「いかない」の印を付けられた。


「キーンコーンカーンコーン」


授業終了のベルが耳に入る。

「もう放課後か…。」

こうやって一日の退屈な学校生活が終わる。これから家に帰り読み残しの本を読み、入浴し、夕飯を作り食べ、寝る。また同じことを繰り返すのかと思うと涙が出てくるな……。

帰るため自分の席を後にしようとスクールバックを掴んだ。

「帰るのは少し待ってくれないかしら?」

聞き覚えのない声が耳に入る。誰だ?

「えっ?もしかして私の名前知らない?同じクラスじゃないの。橋野姫奈。わかるでしょ?」

「名前は知っている。しかし、俺と君は喋ったことないぞ?面識がない。」

「まぁーねー。でも、あんたに頼みたいことがあるのよー。だからついてきて!」

「お、おい!まてって!話せ!」


橋野はそう言い、俺の手を付かんで走り出した。

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