一夏の恋
態度を改めてみたからといって
気持ちが変わるとは限らない
上から叩きつけるだけだった陽ざしが
大丈夫、と様子を覗き込むように
少しだけ和らいで手を伸ばしてくるようになった
まとわりついて暑苦しかった風が
冷たいタオルを首筋に当てるように
少しだけ涼やかに撫でていくようになった
暴力的な熱量に
惹かれる子だっているだろうけど
わたしにとってそういう態度は
ただただ暑苦しいだけで
顔を出さなくなったからって
今更優しい振りをしたって
そんなのただの振りだけだって
分かってしまうものなんだからね
そうやって気を許して
またあなたにいい顔を見せたら
あなたはまた調子に乗って
上から目線で高圧的になるんでしょ
激しい感情の雨に曝されて
全部全部流れちゃったんだよ
今更じっとこっちを見つめて
頬を濡らしているからって
同情なんてしないから
刺すような輝きも
燃えるような想いも
それを望む誰かと一緒に
分かち合えばいいじゃない
冷たくなってく気持ちが
気づけば温かくなっていた
そんな風に側にいてくれる
あなたになるなら考えるけどね
態度を改めることがなければ
気持ちが変わることもないのだけれど