[超短編]アラーム時計と俺の朝
※「なろうラジオ大賞3」応募作品です。(使用ワード「時計」)
ある晴れた朝、アラームの音で俺は目を覚ました。
スマホのアラーム時計を見ると、午前6時を表示している。
陽光の差しこむ部屋でスッキリと目覚めた俺は、元気よくベッドから身を起こした。
窓の外に広がる早朝の風景を眺めているときが、一日で特に幸せな時間だ。
俺はたっぷりと景色を楽しんで、朝から最高の気分になった。
*
ある晴れた朝、アラームの音で俺は目を覚ました。
スマホのアラーム時計を見ると、午前7時を表示している。
日当たりが良く空調の適度に効いた部屋で、俺は目玉焼きとベーコンを作って食べた。
コーヒーをすすってまったりする優雅なひと時が、一日で特に幸せな時間だ。
俺はたっぷりと食事を楽しんで、朝から最高の気分になった。
*
ある晴れた朝、俺は目を覚まして、アラームの音がまだ鳴っていないことに気づいた。
スマホの時計を見ると、午前9時を表示している。
「遅刻だ! また課長に怒られる!」
俺は慌てて起き上がると、胸焼けで吐きそうになった。
深く眠れなかったみたいで、頭痛がして体が重い。
「くっそ~。
俺の中にいる別人格のAとBめ。
あいつらが朝から好き勝手に過ごしたせいで、
俺の一日の始まりは最悪だよ!」
いつの間にか変更されたアラーム時計の設定画面を、俺はズキズキする頭で睨みつけた。
(了)
主人公はこのあと、誰よりも早起きになったそうです。
最後までお読みいただき、誠にありがとうございますm(_ _)m