表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/232

「【Re:BIRTH UNION】緊急招集SPECIAL【公式配信】」

お待たせいたしました。ついに公式配信です。

実験的に地の文を排除してみました。


2020/10/22 コメントの改行と不要なルビの修正を行いました。

【午後21時、配信開始】


「皆様、こんばんは。Re:BIRTH UNIONの正時廻叉です。本日は、公式配信・緊急招集スペシャルにお集まりいただき、誠にありがとうございます。僭越ながら、私が司会進行を務めさせていただきます。至らぬ点は多々あるとは存じますが、ご容赦の程よろしくお願い致します」


《始まった》

《きたー!》

《喋ると光る執事》

《なんか公式っぽいシステム使ってる!》

《緊急招集ってまた不穏な》

《この人、良い声だし棒読みじゃないのに全然感情が無いな》

《それが正時廻叉やで》

《たまに呆れが声に乗るから、それが見たくて今日も下ネタコメントを送るのだ》

《廻叉ファン拗らせ過ぎてない……?》

《でも朗読とかやると感情全開だぞ》

《何それ気になる》


「それでは緊急招集、という事でRe:BIRTH UNIONのメンバーを呼び込んでいきましょう。まずは、私の先輩である三日月龍真a.k.a.Luna-Doraさんです、どうぞ」

「Hey yo!!MC Luna-Dola in da House Baby!!俺が三日月龍真a.k.a.Luna-Dora、今日は楽しんでいこうぜ?」


《るなどらー!!》

《Hey yo!!》

《heyyo!!》

《へいよー!!》

《陽キャだ》

《ヤンキーだ……》

《心配するな、奴もまた陰の者》

《VIRTUAL-MC FENIXX CHANNEL:韻踏める陰キャだから》

《ダルマリアッチ@Vtuber:サイファーで自分の老後の心配するラップした時は流石に引いた》


「おいこら、聞こえてるっつーか見えてるぞコメント。っつーかお前ら自分とこで配信やれよ。個人勢のラッパーVtuber自由過ぎんだろ」


《ダルマリアッチ@Vtuber:ちゃんと先輩出来てるか見に来た》

《VIRTUAL-MC FENIXX CHANNEL:そもそも会話できるか心配で……大丈夫?ビート流す?》


「よーし、BEEF仕掛けられてんな?てめーら公式配信でDISとは良い度胸だ。リスナーのみんな、こいつら良いラップやる個人勢なんでよければ今度見に行ってやって。チャンネル登録は曲聴いて判断してくれ」

「陰とか言われる割に顔が広いですね、龍真さんは。宣伝するのは優しいですが登録を促すところまでしないのは厳しいというかなんというか」

「そんな売れ方したってこいつら喜ばねぇからな」


《優しい》

《今度見に行ってみようかな》

《前サイファー一緒にやった人か!》

《ダルマリアッチ@Vtuber:いや、売れりゃなんでも嬉しい》

《VIRTUAL-MC FENIXX CHANNEL:企業勢の一言が登録者数3桁の個人勢を救う事だってあるんだぜ?》

《曲を聴いてくれっていう龍真の優しみ》

《その優しみ真上で台無しにされてんぞ》

《草》

《草》

《貪欲で草》


「そうだよな、お前らそういう奴らだったな……!」

「さて、龍真さんの気配りが裏目に出た所で次のメンバーをお呼びします。同じく私の先輩である丑倉白羽さんです。どうぞ」

「はーい、みんなこんばんはー?今日もちゃんとFコードの練習してるー?ギタリストVtuber、丑倉白羽でーす」


《ぐふっ》

《こんばんはー!》

《白羽ー!》

《かわいい!》

《でかい》

《インテリアギター勢を初手で殴りに行くスタイル》

《殴られてる奴反応早くて草》


「白羽さんは相当な練習の鬼ですからね。何なんですか、週に三回のギター練習配信って」

「え?だって上手くなりたいじゃん」

「俺らみたいな素人からすると白羽も十分上手いって感じるけどなぁ」

「えー……だってまだシンフォニックメタルの速弾き出来ないし」

「これは想像ですが現状のプロのギタリストでも出来る人限られてると思いますが」

「お前メタル嗜好だったんか……?」


《どこを目指してるんだ》

《そりゃ北欧のヤベー奴らっしょ》

《同期が一番引いてるの草しか生えない》

《この箱、変人しかいないのか?》

《何を今更》

《少数精鋭の奇人集団ぞ》

《なお、それぞれの専門分野はガチで凄い模様》

《初見なので情報助かる》

《初見に与える情報量じゃない気がする》

《V業界だいたい情報過多だからすぐ慣れる》

《だな、俺も慣れた》


「白羽さんの音楽性についてはまた後程に語って頂くとします。では、私の同期である魚住キンメさんにご登場いただきましょう、どうぞ」

「ざっぱーん!水の中からこんにちは、人妻子持ち人魚メイドVtuber、魚住キンメの登場だよー!今日は先輩方や廻叉くんとも初めてのコラボだから楽しみ!よっろしくー!!」

「元気いいなぁ」

「可愛いねぇ」

「人妻子持ちのテンションではありませんね」


《ざっぱーん!》

《キンメちゃーん!》

《キンメー!旦那さんを僕にください!》

《同期が辛辣で草》

《彼女が巷で噂のマママーメイドメイド魚住》

《声に出して読みたい日本語>マママーメイドメイド》

《英語なんだよなぁ》

《ほんまや英語や》

《気付けよ》

《既婚者公言って珍しいね》

《デビュー配信即身バレは事件通り越してもはや伝説》

《あれめっちゃ面白かった》


「廻叉くん容赦ないね!?先輩方は優しいのにー!」

「じゃあ先輩方と一緒に私も貴女を甘やかしたら、キンメさんはどうしますか?」

「付け上がる☆」

「だからです」

「すごく納得した☆」

「ぶはははははは!!お前らおもろい!」

「息ピッタリだねぇ」


《草》

《草》

《仕込みの様なトークだぁ……》

《龍真大爆笑してて草》

《旦那的に嫁がこの言われようで大丈夫なのか》


「あ、廻叉くんとウチの旦那、通話で話した事あるよ」

「え、そうなん!?」

「デビュー配信で身バレした後、流石に打ち合わせが必要になってねー。そこであたしとスタッフと廻叉くんとで話してて、そこで旦那と娘の事をどうするかって相談してて。最終的に名前や顔を出さないなら、って条件でOK貰ったの。その時に一緒に挨拶したって感じかな」

「その際に『妻を甘やかさないようにお願いします』と言付けを受けております」

「え!?アタシそれ知らないよ!?」

「キンメさんが飲み物を取りに離席した際に言われました。ちなみに、その後連絡先も交換しまして『そろそろバラしていいよ』と言われましたので、この場を借りて事後報告を」

「……ちょっと旦那シメてくる」

「後にしよ?ね?今は先に配信上で廻叉くんをシメよう」

「きひっ、ひひひ……おいやめろ白羽。公式配信を戦場にすんな……」


《草ァ!!》

《旦那と執事仲良しなの草》

《おい、この執事とメイド濃いぞ》

《心配するなリバユニみんな濃度と粘度高めだ》

《全員トーク慣れし過ぎだろ》

《デビュー二ヶ月そこそこでこの喋りが出来るのすごいわ》

《倍率まぁまぁ高いオーディション通った二人だからなあ》

《この四人がまだそこまで伸びてないのマジ勿体ない》

《今日バズれ》


「まぁそれはさておき、本日は緊急招集スペシャルという事で私どもが集められたわけですが。私に至っては集められた上に司会を急に任されたわけですが」

「悪いな廻叉、俺はMCだけどMCできねぇんだ」

「龍真くん、一人雑談ですらタイムキープ出来ないもんね。あ、丑倉も出来ないからよろしくね」

「あたしはマスコット枠だから☆」

「盟友たる同期に、そして尊敬する先輩方にこのような言い方は大変心苦しいのですがいい加減にしろよお前ら」


《草》

《執事キレッキレやな》

《無感情に言われると怖い通り越して笑えて来るわw》

《執事頑張れ》

《お前だけが頼りだ執事》

《MCがMC放棄していいんか》

《白羽もシレっと押し付ける気満々なんだよなぁ》

《でも白羽に任せると正論パンチが飛んでくるから……》

《マスコット……?》

《おい人妻》

《さっきから草しかコメントしてない、おもろい》


「ともかく、時間は有限です。先に進めます。改めて緊急『招集』と銘打たれた通り、我々は誰かに招集されたから、今こうして集まって配信をしているのですが、誰が招集したと思いますか?」

「呼び出すっつったらスタッフくらいだろ?最初に連絡くれたの久丸さんだし」

「うん、丑倉も最初に連絡貰ったのは佐伯さん」

「……んん?廻叉くんの口ぶりだとスタッフの人とか、そういう当たり前の答えじゃないよね?」


《そういえば集合じゃなくて招集だわ》

《ひさまる?》

《佐伯ってスタッフさんか》

《運営会社の社員らしい》

《スタッフブログでたまに名前が出る人》

《というかリザテで社長以上に名前出てる人よな》

《企業勢だしスタッフの名前くらい配信で出るわな》


「まぁ大体はキンメさんのお察しの通りです。Re:BIRTH UNION統括マネージャー・佐伯久丸氏は確かに本日のコラボの企画書を我々に送った方です。しかし、その企画書は佐伯氏による作成ではありません。彼は受け取った台本の内容をチェックして、私たちに送っただけです」

「……え?佐伯さんをそんな雑用で使ったの!?」

「っつーか久丸さん統括マネだから割と上から数えた方が早い人だよな、ウチの事務所とか運営で……そんな人にそんなお願い出来るの、俺一人しか思い浮かばねぇわ……!!」

「――丑倉も、察した。そっか、うん、わかった……!確かにあの人なら頼めるし、佐伯さんも引き受ける……!」

「……っ!!ああああああ!!!」

「お気付きになられたようで何より」


《!?》

《え、何?》

《ちょ、ま》

《うせやろ?》

《ステラ、クルー?》

《ステラだ!!》

《銀盾持ちだー!?》

《ちょっとまて、これステラ・フリークスとRe:BIRTH UNIONの初絡み見れちゃう?》

《どこまで台本なんだ?どこからガチだ?》

《!?》

《暗転した!?》

《え、何、放送事故?》


『そう、君達を招集したのは私だよ。三日月龍真、丑倉白羽、正時廻叉、魚住キンメ……私の愛しい後輩達』


《おおおおおおおお!?》

《この声は?!》

《ヒェッ》

《あああああああああああああ》

《マジか!マジでか!!》

《画面が宇宙になってる!》

《四人ワイプになってて草》

《ひゃああああああステラ様ああああああ》

《2Dステラだー!!?》

《かわいい》

《美しい……ハッ!?》

《2Dでも相変わらずミステリアス美人だぁ……》

《こわい》

《ゆらゆらしててかわいい》

《超絶歌上手宇宙的恐怖顕現》

《このセリフが似合う時点でもう選ばれし者》


「ここまでお待たせして申し訳ありません、ステラ様」

『いいよ、廻くん。ここからはある程度は私が主導で話そうと思う。構わないかな?』

「ええ、勿論。貴女の思うままに振舞ってください。ここは貴女の庭だ」

『ふふ、存外落ち着いているね。流石は廻くんだ。私は執事を付けるつもりはないけれど、いつか現れる君の御主人はきっと果報者だ』

「お褒めに預かり恐悦至極」


《もうアニメやん》

《執事がここまで畏まってるの初めて見た》

《尊い……》

《なんか過呼吸みたいな音聴こえるんだけど》

《廻くん呼びなのか》

《意外にも気さく》

《俺も聴こえた。同時にキンメのワイプがキラッキラしとる》

《草》

《【悲報】人妻、限界化》

《一期生二人が黙り込んじまってる》


『ああそうだ、龍くんに白ちゃん。二人の歌動画、見たよ。<Stargazer>、良い曲だ。龍くんのラップはいつも以上に熱が入っていたし、白ちゃんの初めて聴くタイプのギターや歌声もとても素敵だった。SNSでこの曲をつい宣伝してしまったけど、迷惑だったかな?』

「ひゃ、ひゃいいい……う、丑倉光栄ですっ……」

「SNSで俺らの事広めて貰えてマジで嬉しいっす……!でも、次は自力であれくらい数字回して見せますんで……!!」

『ふふ、期待してる』


《この二人にも渾名呼び》

《スターゲイザーマジで良かった全人類2000兆回聴け》

《丑倉限界化しとるな》

《かわいい》

《龍真が熱いなぁ》

《ポエトリーやってるけど根はバイブスの人よな》

《ダルマリアッチ@Vtuber:よかったなあルナドラ》

《VIRTULE-MC FENIXX CHANNLE:バズるマイメン見てると嬉しいけど次は俺だって気持ちになる》

《自力で回してもおかしくない実力はあると思うんだがな》

《個人勢頑張れ応援してるぞ》

《龍真とステラどっちが年上なん?》

《ステラは不明、龍真はプロフでは25》


『さて、キンメちゃん。私の絵を、かなり力を入れて描いてくれてるらしいじゃないか。アーカイブ、見せて貰ったよ?完成を心待ちにしているから、出来たら是非送って欲しい』

「送ります!!雨が降ろうが風が吹こうが!!!」

『あっはっは、キンメちゃんの気合が伝わって来るよ。うん、本当に楽しみだ』


《キンメだけはキンメちゃんなのか》

《草》

《腹から声出してんなあw》

《そりゃキンちゃんだとなんかアレだし……》

《リバユニ総限界化で草》

《みんなステラ大好きかよ》

《執事は?》

《御主人候補には高血圧になるくらい塩対応な執事があそこまで傅いてる時点である意味限界化してると思われる。あと声色にわずかに喜悦が混じってる。この様な声色はこれまでの執事の発言では見られなかった現象であり非常に興味深いし、俺にもあれくらいの愛ある対応を取って欲しい》

《執事有識者ニキ助かる。あとキモい》

《微量の感情を読み取れる強火執事担怖い》

《感情ソムリエかよ》

《報告書からナチュラルに怪文書にシフトしていって草》


『さて、今日君達を招集したのは他でもない。君達、Re:BIRTH UNIONをより多くの人々に知ってもらうにはどうするか?という事だ。君達は才能と、目的意識に溢れた素晴らしい人材だと思っている。そして、私自身が求めた人材だ。リバユニの構想自体は、私の発案だからね。君達はスタッフから聞いているかもしれないが、視聴者諸君は初耳かもね。そう、私はR()e():()B()I()R()T()H() ()U()N()I()O()N()()0()()()だ。自分の箱を、より広めたい。そういう気持ちから、君達を集め――私のやりたい事に、少しだけ付き合ってもらいたいと、そう思った。簡単に言うと、君達四人と、それぞれコラボをする」


《リバユニ0期!?》

《運営会社が同じなだけで別物かと思ってた》

《この四人、ステラに選ばれたのか……》

《おいV好きWebライターこれ絶対記事にしろお願いします》

《やりたい事ってなんだ》

《コラボキター!!!》

《うおおおおおおお》

《ステラのコラボとかマジ貴重》

《銀盾が登録者数引上げかよ、だっせぇ。寄生虫集団リバユニ》

《これは楽しみだ》

《マジで何やるのか想像付かない》

《なんか変なん居るな》

《触れるな》

《こいつ4人の配信でもそれぞれ煽りに来てモデレーターにブロックされたアレな奴やぞ》

《※このアカウントは管理者により非表示設定されています》

《草》

《公式チャンネルで暴れて何故許されると思ったのか》

《ステラのやりたい事ってなんだろう》


『まぁ、私は歌しか歌えない、歌うこと以外に能の無い女だ。なので、君達と一緒に歌いたいんだ。私は龍くんみたいにラップや作詞で己の内面世界と向き合った表現ができない。私は白ちゃんみたいにギターを自由自在に操って演奏したり作曲や編曲したりする事が出来ない。私は廻くんの様に感情を完全にコントロールして、聴く人の心を震わせるように物語を語る事は出来ない。私はキンメちゃんの様に絵を描いて、自分の想像をアートとして残すことが出来ない。私は歌う事しか出来ない。私は歌しかない。だから――





――きっと、私を超えていく君達と、一緒に歌いたいんだ』

続きます。今週中には更新できるように頑張ります。

御意見御感想、お待ちしております。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「優しみ真上で台無し」に思わず笑った。 そういった面白いフレーズがちょくちょく出ていて好きです。
[気になる点] 誤字報告機能でやろうと思ったんですが、「改行の挿入だけ」の修正は差分扱いされないらしく、報告できなかったのでこちらで失礼します。 > 《VIRTULE-MC FENIXX CHANN…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ