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「師走は目まぐるしく過ぎていく」

お待たせいたしました。最近投稿頻度が4日に一話ペースになっておりますが、今しばらくこのペースになりそうです。

 2018年12月はVtuber業界にとって沈黙と激動の月だった。


 上旬。企業・個人問わず、全体的に配信頻度が落ちた。一方でSNS等には「作業に集中します」「ちょっと忙しい」と言った文言が飛び交っていた。あるいは直接的に「カウントダウンフェス用の動画に集中します」という理由を述べる者も居た。


 12月31日に予定されている『Virtule CountDown FES』、通称VCFの詳細が発表されたのは11月の初頭だった。内容は3Dモデル所持者によるライブ、更にVtuberによる歌動画を紹介する企画がメインである事が発表された。動画編集等の都合で締め切りは12月15日となった。当初、応募は想定よりも少なかった。新曲での応募も勿論あったが、既に投稿されている曲での応募なども多かった。潮目が変わったのは、『New Dimension X』設立のニュースとティザームービーの公開とその後の追加情報だった。


『New Dimension X』の公式サイトがオープンし、所属するメンバーとして紹介されていた『NAYUTA01』『GAMMA02』の姿がかつての『電子生命体NAYUTA』『願真』のブラッシュアップモデルである事が判明し、更に復活の舞台としてVCFに出演することをSNSで情報公開が行われた。一時間もしない内にトレンドに上ったその情報は、あらゆるVtuberの創作意欲に火を付けた。それはRe:BIRTH UNIONの面々も例外ではなく、全員が自身の作品の為に注力し始めた――




 ※※※




「という訳で最近多数の方が歌ってみた動画を出されて居まして、チェックする時間が足りません。自分の収録は何とか終わらせました。正時廻叉です」

「業務連絡。ダルマリアッチ、この前貰ったファイルにリリック書いたテキストファイルが入ってなかったから送っといて。三日月龍真a.k.a.LunaDoraです」

「タイトルコールもBGMも無く、唐突に雑談が始まる形式でお届けしております、第X回『龍真・廻叉のライトヘビー級ラジオ』のお時間です」


《草》

《いきなりNDXの話し始めたから何かと思った》

《X回て》

《回数数える気無しで草》

《自己紹介で業務連絡すな》

《そういえばバーチャルサイファー勢でVCF参加って言ってたな》

《★ダルマリアッチ@Vtuber:あいよー》

《返事すんなw》


「そんな訳でちょっと大きいニュースが立て続けにあった12月上旬を俺らで振り返りつつ、年末のイベントに関しても触れて行こうじゃねぇかって感じでやる予定」

「具体性に欠ける説明ありがとうございます。実際具体的なプラン皆無で我々は話しております。ご了承ください」

「前回から台本がPDFじゃなくてテキストファイルになったからな」

「しかも2kbでしたね」


《こいつら……w》

《執事、しっかりしたフリして雑に投げる時あるよな》

《初見だけど、いつもこんなノリなの……?》

《2キロバイトは草》

《そんなとこライトにすんなやw》

《初見さん、残念ながらいつもこのノリだ》


「さて、最初のニュースは……『New Dimension X』だよなぁ。まさかの北米発。まさかの復活。去年辺りからこの界隈追ってた人に取っては天地が引っ繰り返るレベルのニュースだったんじゃねぇかな」

「文字通り、界隈に激震が走ったという印象でしたね。無論、影響力の高いお二人だという事は知っていましたが、想像以上でした」

「そりゃそうだろ。あの二人が居たからこそ、Vtuberっていうジャンルが産まれたってレベルだよ。特に17年デビューの個人勢の面々からしたら、創造神って感じなんじゃねぇかな」


《ほんそれ》

《動画のラスト10秒だけ何度繰り返して見たかわからん》

《NAYUTAに関してはガチの消息不明だったからなぁ……》

《最高のニュースだった》


「その上、自身のチャンネルでの配信より前に『Virtule CountDown FES』への出演が決定しましたからね。今の時点で発表されているのは歌唱動画のお披露目と、MCとしての参加でしたか。つまり、参加者が投稿した歌動画をお二人に見られる、と」

「かなり長丁場なのにフルで参加する気らしいからな……まぁ、あの二人らしいっちゃらしいのかもしれねぇけど」

「影響は既に出ているのか、VCFへの動画投稿表明が増えました。我々、Re:BIRTH UNIONは元々参加予定ではありましたが……VCFのハッシュタグが付いた歌動画、かなり増えましたね。そこで冒頭の話に繋がる訳ですが」


《まさか参加するとは思わなかった》

《去年の年末ライブアーカイブ見て、もう二度とこれは見れないと思ってたからマジで嬉しい》

《正直、アメリカ拠点と知って日本と関わらないと思ってたから意外》

《相変わらず予想を裏切る二人だ……》

《古株個人勢が本気出してるよな、歌動画》

《公式から投稿増えて一本頭の紹介する秒数減るかもって報告あって草》


「TryTubeに投稿しておいて、後はアドレスと必要事項書いて送るだけっていうお手軽具合だから参加する気になったら増えるわな。ちなみに締め切り明々後日だから、これ見てるVtuber連中で投稿する気がある奴は早くしろよー。TryTubeに動画だけ上げて参加申請忘れるポカしないようにな」

「弊社からは……確か、ユリアさん以外は投稿済みですね。ちなみに、私の動画は明後日にプレミア公開予定となっております。待機所は概要欄に御座いますのでよろしくお願い致します」

「俺のはバーチャルサイファー勢でオリジナルMICリレー参加な。動画自体は、MC備前のチャンネルに上がってるんでよろしく」

「龍真さんの参加した動画、拝見しましたが凄かったですね。迫力と熱量がラップに詳しくない私にも伝わって来る作品でした」

「マジでVtuberラップのクラシック作るつもりでやったからな。これが俺らの証言ってな。つーか、執事の選曲も大分珍しいよな。ハロウィンの流れを汲んだダーク路線というか」

「配信で選曲会議を行ったのですが『この曲を朗読モードでやって欲しい』というコメントに大量の賛同がつきまして。私自身も、やりたいけれど需要があるか不安だったところ、需要しかありませんでした」


《周知助かる》

《SNSで歌ってみた上げたって投稿の殆どに「VFCに応募した?」ってリプついてて草なんだ》

《関係ない動画にまで付いててbotかスパムみたいになってるのはダメだけどな》

《執事のサムネ最早ホラーだったな……》

《絵師さんの本気》

《Vサイファー聴いたけど確かに凄かった。気合がヤバい》

《★ラッパーVtuber・MC備前:よければ全員のチャンネル登録してくれ。ワンクリックで救われる個人勢が居ます》

《★ダルマリアッチ@Vtuber:ほんそれ》

《うわ出た》

《しょうがないにゃあ……》

《なるほど、『証言』か》

《需要しかない草》

《意外とダークな曲好きよな、執事》


「とまぁみんな頑張ってんだけど、駆け込み投稿が多過ぎて伸びねぇのなんのってもう!」

「確かに、ステラ様とのコラボ時や七大罪コラボの時と比べると初速の伸びが緩やかではありますが……」

「これもう、VCF当日に紹介して貰ったタイミングで不特定多数に盛大に売り込むしかねえな!」

「投稿が増えた結果、サビワンコーラスから30秒くらいの紹介に切り替わるそうですよ。今SNSで発表がありましたね」

「マージでぇ!?」


《草》

《台パンすなw》

《せめて執事の半分くらいオブラートに包むことを覚えろ龍真》

《ギラギラしてんなぁ》

《イベント前から巻き入ってて草》

《草》

《スマホ見ながらラジオ配信するVtuber事務所》

《なんつー声出してんだw》


「まぁぶっちゃけこれまでが俺ら分不相応に伸びすぎてたとこはあるけどな」

「ああ、某所で言う所のステラブーストですか」


《また反応し辛い言い方するわぁ……》

《謙虚っちゃ謙虚なんだろうけども》

《廻叉ァ!!》

《執事ァ!!!!》

《お前本当にそういうとこだぞ!?》

《なんでこの二人事務所から怒られないの?》


「まぁアンチスレの連中が思ってるようなブーストじゃねぇけどな」

「牽引車ではありませんからね。具体的に言うと、西部劇で『足をロープで縛られて馬で引きずり回されてる』図を想像して頂ければ」

「ちなみにリバユニはほぼ全員アンチスレ見てるからな。酒の肴に」

「この話をしてドン引きしてた四谷さんとユリアさんは見ていませんのでご安心ください」


《だから名前を出すんじゃないよ!》

《せめて人並みのメンタルしててくれねぇかな……》

《ファンの俺らのが胃が痛むってどうなの》

《伝統的な拷問で草》

《見てるのかよ!!》

《肴て。酒の肴て……》

《ごめん、俺らもドン引きだわ》

《四谷とユリアを守護らねばならぬ……!!》

《この度し難い異常者どもめ》


「なんか俺ら酷い言われようだぞ、廻叉」

「まぁ当然の反応でしょうね」

「怖くないモン怖がらないだけの話なのにな」

「まぁそれはそうなんですが、いい加減話題も変えましょうか」


《お前らが怖ぇよ》

《わぁ、低評価がうなぎのぼりだぁ(遠い眼)》

《他の箱のヤベー奴らとはベクトルが違うんだよな、こいつら》

《龍真低評価カウントしてゲラゲラ笑うなや》

《淡々と数える執事も怖いからやめてマジで》


「あー笑った笑った。そんじゃ次の話題っつーか、告知行くかー。クリスマス……12月25日に事務所でオフコラボしまーす」

「特に歌とかもなく、普通に食事会オフコラボですけどね。忘年会も兼ねた」

「パーティーゲーム系何か持ってってやる予定だ。チーム戦な」

「個人戦だと龍真さんの最下位は決まってますからね」

「おう、事実だとしてももう少し躊躇えや。先輩だぞ、一応」


《やっと明るい話題が!》

《おおおおおお!!》

《助かる》

《ようやくドス黒い話題から脱却できる……!!》

《リバユニでここまでユルいコラボは実は初では?》

《ちゃんとVtuberらしい事出来るじゃん》

《草》

《龍真、ゲーム未だに上達してないのか……》

《躊躇しながらだったら許してくれる先輩の鑑》


「日時は先ほども申し上げた通り、12月25日。18時くらいからの開始予定です。全員が参加予定ではありますが、最初から参加するのはクリスマスだというのに当日特に予定のない龍真さん、白羽さん、私、ユリアさんです」

「自傷行為に巻き込まないでくれねぇかな?」


《草》

《ひでぇ》

《言い方……!!》

《お嬢まで巻き込まれてて草》

《ステラは忙しいだろうし、キンメは家族と過ごすんだろうってのは分かるけど四谷は?》


「四谷さんはオーバーズ所属のパンドラ・ミミックさん主催『聖なる夜だよ!男女仲がやたらと良いでお馴染みの1809組に独り者の恐怖を与えようDEG大会!!』にハンター側の一人として参加予定です」

「あいつもあいつで地獄みてぇな企画に呼ばれてるな」


《草》

《たぶん活き活きとハンターやるんだろうな、あいつ……》

《DEGってホラー系鬼ごっこゲーか》

《配信でハンター側で何度かやってたし、実際上手かったからコラボ呼ばれたんだろうけど、四谷ファンとして喜んでいいのか気になる》

《オーバーズ1809組が何をしたっていうんだ……!》

《ゴリゴリの嫉妬で草》


「という訳で、一旦曲のお時間です。今回は許可を貰って、音源と画像を頂いております。私も依頼を受けて一部参加しております」

「オーバーズ1804組、フィリップ・ヴァイス&各務原正蔵&秤京吾の歌ってみただな。そんじゃ張り切って行ってみよう。音量注意」


《おおおお!》

《あ……(察し)》

《総員対ショック姿勢を取れ!》

《え、何何》

《うわあああああああああ!!?》

《草》

《草》

《筋骨隆々のフィリップと正蔵おじさんと京吾が!!》

《なんでこれをカバーしたんだアイツら!!》

《執事パートそこなん!?》

《阿鼻叫喚だぁ……》

《これ挟んで後半に行くのか……》

この二人に喋らせるとロクな事になりませんね!


ちなみに執事が参加したのはニュース原稿を読むパートです。

まぁ大体の方はお察しだと思われますが、最後の歌は『兄貴と私(THE NEWS)』です。


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