「笑っていられるのも今の内だ」
オーバーズの全員がここまで酷い訳ではないのです。酷い人の方が、何故かこの手の企画にノリノリで参加してくる事務所というだけの話なのです。
「それでは続きまして数学!正直、ここは少し短めです!割と普通の間違いとか空欄が多かったので止む無し!」
『平均点は58.7点となっております。高いと思われたかもしれませんが、上位と下位の差が非常に大きかった結果です。ご安心ください』
「いや不安になるわ!」
《何を安心しろってんだw》
《数学は出来る人と出来ない人の差が激しいからなぁ》
「という訳で最初の問題はこちら!」
『以下の計算をしなさい。
1:7×8
2:(-3)×12
3:9×(16-7)
4:108÷18+71×14
5:0.4×0.22』
「もう基礎中の基礎の計算問題です。むしろ算数です。だからこそ、忘れてる奴もいる、と……フィリップの答え!」
「ん?ちゃんとやった筈だがな」
『A4:1078』
「あー……フィリップ。どういう順番で計算した?」
「そりゃもう左から順番に」
「……掛け算と割り算は足し算引き算より先にやるって教わらなかったか?」
「……過去は振り返らない主義なんだ」
「うん、振り返らなくていいから思い出せ」
『正蔵さんの言う通り、掛け算と割り算から先に計算するのが正しい解き方になります。そのように計算すると、6+994となり、答えは1,000となります』
《草》
《初歩的なミスだなぁ》
《キッカリ1,000になる辺り、逆に不安になる奴だ》
※※※
「次は図形の問題というより、面積やらの公式の問題だな。まー……適当ブッこいてる人が結構居ます。まずは問題から行きますか。廻叉さん、お願いします」
『以下の図形の面積及び体積の求め方の公式を書きなさい
1:三角形の面積
2:ひし形の面積
3:円の面積
4:直方体の体積
5:四角錐の体積』
「問題文の横に図形の画像を張ったので、どれが何かわからないって人は居なかっただろうけどさぁ……ユーマの答え」
「え?俺?」
『A1:底辺×高さ÷2』
「これは正解」
「あ、やっぱりあってるじゃん。なんで俺呼ばれたの?」
「うん、これを踏まえて2問目の答えをどうぞ」
『A2:底辺×高さ÷2×2』
「なんで割ったのを戻した!?」
「え?ひし形見てたら三角を二つ重ねたっぽいからこれでいいんじゃねぇかなって」
「ユーマ、だったら底辺×高さだけで表記できるよね……?」
「まぁ平行四辺形の一種だからこれも正解は正解なんだけど、書き方にツッコミどころしかなくて採用しました」
「そんな風にしなくても出来るだろうよ。ちゃんと勉強してきたかー?」
《ま、まぁ最終的に合ってたからいいだろ……》
《たぶんこれ思い付いた瞬間「俺天才」とか思っただろうなw》
《二度手間で草生える>2で割って、2をもう一回掛ける》
《京吾がまた調子こいてるなw》
「おー、それなら京吾はひし形出来たんだろうな?」
「なら京吾の答えを見てみようか。はい、どん!」
『A2:対角線A×対角線B÷2』
「正解!」
「見たかオラァ!!」
「マジか……」
「正蔵せんせー、俺も÷2の所も合ってるから二重正解って事で加点くれ」
「やれるかぁ!!」
《やるやんけ》
《これはドヤって良い》
《フィリップがショック受けてて草》
《ユーマ図々しいwww》
※※※
「という訳で理科です!」
「数学もう終わりなん!?」
「ガチの計算ミスとか白紙回答出してもアレだからしょうがないんだよ!時間切れの白紙も多かったし!」
『平均点54.2点となっております。得意な箇所と不得意な箇所がハッキリ別れた形になりました』
「それじゃ、最初は植物に関する問題。では、廻叉さんお願いします」
『以下の文章の空白を埋めて植物の光合成の説明文を完成させなさい。
植物は光合成によって( 1 )と( 2 )を作っている。
光合成を行うためには材料として( 3 )と( 4 )が必要となる。
光合成は植物の( 5 )という細胞で行われる』
《中1のテストでやった奴だ》
《穴埋め問題は大喜利が始まる》
「んじゃ、最初は正解パターンから見て行こうか。敢えて誰の答えかは言わずに行ってみよう。どうぞ!」
『植物は光合成によって( 酸素 )と( デンプン )を作っている。
光合成を行うためには材料として( 水 )と( 二酸化炭素 )が必要となる。
光合成は植物の( 葉緑体 )という細胞で行われる』
「完璧!そしてこれを答えたのは……春日野ユーマ!」
「ええええ?!マジで!?」
「俺ね、理科だけは得意中の得意なんだよ」
「うわ、ドヤってやがる……!」
《おおおおおお》
《やるやんユーマ!》
《理系でチャラ男……》
《リブラのガチ驚きで草》
「一方で、実にオーバーズな回答がありましたねぇ。パンドラ・ミミックの答え!」
『植物は光合成によって( 楽曲 )と( 酸素 )を作っている。
光合成を行うためには材料として( 二酸化炭素 )と( カラオケ耐久配信 )が必要となる。
光合成は植物の( サリー・ウッドのお部屋 )という細胞で行われる』
「お前はサリーさんを何だと思ってるんだ!」
「え?樹」
「アバウト過ぎるわ!!あと、片方だけ合ってるの中途半端!」
《草》
《同期イジりが酷いw》
《怒られろwww》
※※※
「次は定番の元素記号問題ですが、名前は知ってても元素記号だと分からないってのを集めました。お蔭で正答率がまぁ酷いことになりましたが……とりあえず問題から見ていきましょう。廻叉さん、お願いします」
『以下の元素記号が表す元素名を答えなさい。
1:H
2:Ne
3:Ca
4:Pb
5:Nh』
「理科が得意なユーマですら、4問正解でしたねー」
「5がマジでわかんなくてさぁ。流石に周期表全暗記してる訳じゃないかんね」
「そんな5を唯一正解したのは……紅スザク!」
「お、合ってたんだ」
『A5:ニホニウム』
「これは素晴らしい!」
「ニュースか何かで見た覚えがあってね。確か、日本人の研究者グループが発見したんだよね?」
『仰る通りです。こちらは113番元素で、日本人によって発見された元素となっております』
《おおー》
《雑学で取り返していくスタイル》
《スザクニキ、学力ではなく知性で魅せていくの素敵》
「もうこんなんクイズじゃねぇかよ……」
「えー、クイズだとしても酷い解答してる京吾の答え」
『A1:水素
A2:ネニウム
A3:カニウム
A4:パブリウム
A5:ナヒウム』
「京吾さぁ!お前、理科に限らず全体的に安直なんだよ!」
「水素だけ合ってるのが逆に恥ずかしいまであるな」
「殺せぇ!!いっそ俺を殺してくれぇ!!」
《草ァ!!》
《いっそ水素も外せばボケと言い張れたのになw》
《結果ナヒウムが惜しいの草》
《せめて実在の元素を書けwww》
『ちなみに正解は上から順に水素、ネオン、カルシウム、鉛、ニホニウムとなっております』
《京吾の発狂をものともしないサブ司会の鑑》
《テンションの落差で笑うw》
《執事だいたいこんな感じだぞ。このノリでやってるラジオが超面白いぞ》
《リバユニ勢の情報提供助かる》
※※※
「最後は天体関連ですね。大体一問一答形式にしてますが、物理やら化学式やらで計算させると数学以上に撮れ高不足になりかねないのでご了承ください。では、問題文の読み上げをお願いします」
『以下の天体・宇宙に関する問題に答えなさい。
1:地球が太陽の周りを一年に一周する運動の事は何か?
2:太陽系の惑星で一番大きい惑星は何か?
3:太陽系の惑星に存在する衛星を“月以外で”一つ答えなさい。
4:冬の大三角を形成する恒星を一つ答えなさい。
5:約75年に一度、地球に接近する有名な彗星は何か?』
「どれか一つ、という問いが多いのは我々の優しさだと思ってください。そんな優しさを台無しにしたリブラくんの答え!」
「え?」
『A4:デネブ・アルタイル・ベガ』
「夏の大三角ゥ!!」
「でも全部合ってるじゃん!」
「冬を答えろって問題でしょうが!あと、歌の歌詞で知ったクチでしょ多分!」
「っ、何故それを……!?」
『問4ですが、誤答の9割が夏の大三角の一部を書いていました。全部書いたのはリブラさんだけでした』
「執事さぁん!!やめてよぉ!!」
『事前打ち合わせでスタッフさんや正蔵さんから『遠慮しないでいい』と言われましたので、お言葉に甘えさせて頂いております』
「遠慮はしなくていいから、容赦してよ!」
《草》
《リブラくんボロボロやんけw》
《執事にヘッドショットされてて草》
《遠慮はしないし容赦もしないw》
《夏の大三角は有名な曲があるから、そっちの印象に引っ張られたかw》
「ここ、それぞれ採用したい誤答が多かったんで矢継ぎ早に行ってみたいと思います。廻叉さん、準備はいいですか?」
『はい、大丈夫です』
「では、行きましょう!問題1!秤京吾の答え!」
『A1:回転』
「またしても安直!!次!問題2!フィリップ・ヴァイスの答え!」
『A2:太陽』
「一番やったらダメな答え!次ぃ!問題3!クロム・クリュサオルの答え!!」
『A3:ひまわり』
「人工衛星は対象外!!次っ!問題4!パンドラ・ミミックの答え!!」
『A4:ピラミッド』
「大きい三角形を答えろって話じゃねぇんだ!最後!問題5!リブラの答え!!」
『A5:シャア』
「ベタにも程があるだろ!!!どいつもこいつも何やってんだ!!」
『全問正解だったユーマさんとスザクさんだけが盛大に笑っていらっしゃいますね』
《草》
《これは草》
《大草原》
《練習でもしたのかってレベルのテンポの良さw》
《wwwwwwwwww》
《答え自体は短くても全員キレッキレで困るw》
《クロムの気象衛星ひまわりはハイセンス》
《せめてボケようという気概なのか、それともガチなのか……》
《ユーマとスザクだけ大爆笑で草》
「え?得意だって言ってたユーマはともかく、スザク先輩も?」
「雑学でなんとかなる問題だったからね。実験とか生物あたりは逆にボロボロだった気がする」
「では、模範解答って事でスザクさんの答えを見て、理科の〆にしましょうか」
『A1:公転
A2:木星
A3:エウロパ(木星)
A4:シリウス
A5:ハレー彗星』
「完璧でしたね。衛星の問題はちゃんと惑星の名前も書いてくれていました」
『ユーマさんも全問正解でしたが、問題3のみ土星の衛星、タイタンと解答されていました。勿論正解です。ちなみに、木星は名前の付けられている衛星だけでも50以上あります』
「そんなに」
《スザクニキ、本当に雑学強いよなぁ》
《クイズゲーム配信で科学とか歴史の分野バシバシ当ててたからな。なお、発売当時の芸能問題がボロッボロだったけどな》
《コンシューマーのクイズゲーあるある。発売当時の時事がわからない》
《ユーマも本当に理科得意なのがよく分かった》
「という訳でね、理科も大分問題っちゃ問題だったけど……もっと問題なのは、次なんだ。採点を手伝ってくれたスタッフがマジで頭を抱え、マネージャーが余りの惨状に涙を流した……社会だ」
「ははは、マネージャーが泣いたってそれは盛り過ぎっしょ」
「……ユーマ、マジなんだ」
「ごめん、ちょっと引く」
《ひぇぇ……》
《ドラちゃんの珍しいドン引きボイス》
《企業Vtuberが社会低いのは問題では???》
《そういえば音色ちゃん22点だったな……》
《あっ……》
《ああ……(諦め)》
《★鈴城音色@オーバーズ1801:君達?》
《で、でも執事さん85点だったから!希望はある、あるんだ!!》
《執事さんリバユニだからオーバーズの社会性には関与しないんだなこれが》
《やっぱダメじゃねぇか!》
《もうさっきまでみたいに笑えないかもしれない》
《草も枯れ果てる荒野の旅へと俺達は進むのであった……》
次回、Vtuberの鬼門こと社会と英語です。つまり、本当の地獄はここからです。
御意見御感想の程、お待ちしております。