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「正時廻叉デビュー1周年&登録者5万人記念凸待ち -リクエスト即興劇-(6)」

世はクリスマスですが、作中は6月です。現代ネタの小説あるある。

「しかし皆様総出でいらっしゃったという事は……にゅーろねっとわーくの皆様同様、同時参加という形でよろしいのでしょうか?」

「そうだね。廻叉くんへの負担を少しでも軽減しよう、という私の提案と」

「はい!私がどうしてもやりたいシチュエーションがあったので三人まとめてお邪魔することになりました!」

「俺はお祝いには行きたかったけど、シチュエーションってのが思い浮かばなくて。なので、先輩方に便乗する事にしました」

「いえ、来て頂けるだけで本当に有難く思っております」


《何気に超豪華なコラボなんだよな》

《オーバーズでもこの三人が揃う所見たことないもんなぁ》

《そもそもオリメントリオがほぼコラボしないっていう》

《青薔薇はソロ配信特化だし、アリアは自由過ぎるし、雛菊は公式仕事が多過ぎるっていうね》


「それでですね!今日もここまでじっくり聞かせて頂いたんですけど、なんで皆様このシチュエーションを頼まないんだろうって思ってまして。しかも今日は青ちゃんと紅くんも居る訳ですしこれはやらずにいられないなと私の乙女回路がキュインキュインしてるわけですよ!」

「嫌だなぁそのパチンコの大当たり告知音みたいな乙女回路の駆動音」

「……凄いね、龍真くんだけ大爆笑してるよ」

「あの方、Vtuberでも指折りのギャンブル狂いですから」

「でも全体的に見ると滑ってますね、紅くん。シレっと言えばスルーされるだろう、って思って凝ったコメントすると丁度全体によく聞こえてその上で滑る事が多いですよね?」

「自覚してるから言わなくていいよ、それ」


《相変わらずアリアは放っておくと延々と喋り続けるな……》

《乙女回路なんてあったの?》

《そもそも乙女?》

《コメント欄が酷くて草》

《草》

《一瞬の静寂を切り裂く龍真の馬鹿笑い》

《パチンコネタはそら龍真しか反応しねぇ》

《具体的にどうスベるかをしっかりと説明する酷い先輩》

《スザクの凄い所はスベっても一切狼狽えないところだよね》

《結果何とかしようとした他の面々が二次災害を起こすかのようにスベり散らかしていくんだよな》


「という訳でですね!廻叉さんの御主人様になりたいんですよ!というか、廻叉さんと紅くんと青ちゃんを執事として逆ハーレムしたいんですよね!!」

「……なんか、ごめんな廻叉くん。この人、こういう人なんだ」

「存じております」

「『私に良いシチュエーションがあるから任せて!』とか言うから任せたんだけどね。君に都合の良いシチュエーションだと気付けなかった数日前の私が実に愚かだったよ」

「フッハッハハハハハ!!私はですねぇ!キャリアの長さと同期の友情を有効活用することを躊躇しない女だ!」


《草》

《うわあ……》

《こいつ、みんなが遠慮して選ばなかったであろうシチュエーションを何のためらいもなく……!》

《スザク疲れ切ってて草》

《執事、今日一の無感情な返しで草》

《おいたわしや青薔薇様》

《なんだかんだでアリア回収班の筆頭になってる青薔薇様の明日はどっちだ》

《※こいつ、オーバーズのオリジナルメンバーで箱どころかVtuberを代表する大看板です》

《みんなどっかで「執事の御主人様になる」を遠慮してた節があったのにw》

《その手の遠慮とかする女じゃないだろ、アリアは》


「私個人としては、逆にその手のシチュエーションを頼まれる前提で居たので大丈夫です。むしろ、Vtuberの皆様は何故あそこまで褒め言葉や甘やかしに飢えていらっしゃるのか。コメント欄の皆様から褒められることだって多々あるでしょう」

「それはですね!さっきまで褒めてたコメントのアカウントが別のVtuberの動画で自分の悪口を言ったり、SNSアカウントでアンチ活動に従事してたりするのを見かけるからですよ!皆様が思う百倍くらいはVtuberってコメントの褒め言葉を社交辞令かアンチの釣り針だって思ってますよ!やっぱちゃんと血肉の通った褒め言葉じゃないとダメですね!あ、私達バーチャルだから血も涙もないんだった!いっけない☆って青ちゃん何を怖い顔でこっちを見みみいいいいいい!!?いたったったったたたたた!?!」

「アリア?本当に、本当にいい加減にしようね?」

「すいません、本当にすいません。基本的に何も考えてないくせに主語だけデカいんですこの人。悪気は無いんです。ただ、それ以上に常識が無いんです」

「……心中お察し申し上げます。それと、先程の悲鳴は青薔薇さんがアリアさんの顔を片手で掴んだ上で、こめかみの当たりをしっかりと掴んで締め上げております。所謂アイアンクローという技ですね」


《そりゃ執事はそういうのが来る想定ではあるよな》

《甘やかされたい勢多過ぎ問題は確かに》

《おいこら》

《本当にさー!この爆弾娘はさー!!》

《★パンドラ・ミミック@ボイスはつばいちゅう:すいませんすいませんすいませんウチの始祖がマジですいません》

《★フィリップ・ヴァイス@OVERS1804:なんていうかこの領域に達するのは難しそうだし、俺らみたいな木っ端がこの域に達したら発火炎上爆発四散するよな、たぶん》

《オーバーズの後輩達が本人より申し訳なさそうで草》

《頭脳は大人、行動が子供なんだよなぁ……》

《スザクくんも大概苦労人である》

《で、出たー!!青薔薇様のアイアンクローだああああ!!》

《リアルだと割と武闘派よね》

《アリアが暴言多いわりに燃えない理由》

《言った事の10倍くらい酷い目に合わせるステキな同期》

《これだからオーバーズオリメンは……》




※※※




「お嬢様、コーヒーで御座います」

「わ、本当に淹れてる……あ、お嬢様お茶菓子で御座います」

「うんうん、良きかな良きかな」

「お嬢様、今日の宿題8教科分で御座います」

「え?なんで!?さっきから青ちゃんだけ厳しいんだけど?!」


《うわ、ちゃんとコーヒーとか出来るんだ執事さん》

《なんか本やら器材やら買って勉強しだしたらしいぞ》

《経費で落ちるか相談してたの草だった》

《変に所帯じみてるよな、執事》

《スザクが素で驚いてる辺り相当ガチで練習してるんだな》

《あ》

《草》

《最初だけだったな、マトモだったの》

《僅か1分足らずでコント堕ちしたぞこいつら》

《意外とベタなボケをする青薔薇様で草》

《コントなら合法的に最初の七人をイジれるという合理的なシステム》

《さっき漫才でもう一人イジってたけどな》


「それは勿論執事長です故」

「そうそう、アメとムチですよお嬢様」

「お嬢様にほんの少しでもまともな人間になって貰うためですよ。ふふ……」

「嘘だね!!アメとムチって割にはムチの割合が多いんだよ!一人なのに!!アメ二人のアメ具合が甘いんじゃないかな?!」

「そもそもお嬢様が爆弾を四方八方に無差別に投げ込むような事さえしないでいて下されば我々とて厳しくする必要など最初からないのです」

「割と自業自得なんですよね、お嬢様の場合」

「この機会にしつk……失礼しました、教育を施すべきではないかと思ったんですよ……?」

「おい躾けって口走ったぞこのユニセックス執事長」


《青薔薇様が執事長なのか》

《まぁキャリア的にもね》

《草》

《しゃーない》

《残当》

《賢明な判断》

《大丈夫?ムチ足りてる?》

《いや、本当にその通りではあるんだけどさ。ただ、お前が言うなよ正時廻叉》

《爆弾製造工場みたいなラジオやってる奴がなんか言うとる》

《何気にスザクの距離感の近い執事が結構ツボだったりする》


「なお宿題の後は習い事のお時間、その後は会食の予定となっております。廻叉くん、スザクくん。それぞれ予定を」

「はい。まず習い事で御座いますがピアノから始まりまして続きまして華道茶道、大型特殊免許の教習、最後にユリガスキー特務少佐教授による現代百合学の講座となっております」

「はーい。会食ですが、当家と取引をしております各社、更には政治家に官僚、文化人に芸能人も集まるパーティーでの会食となっております。また、プログラムと致しまして『アリア七星のすべらない話』の披露も御座いますので、ネタの準備の方を宜しくお願い致します」

「ちょっと待てえええええ!!いつだ!いつ台本を書いたお前ら!」

「お嬢様、言葉遣いにお気を付けください。台本ですが前日に青薔薇様より頂いております」

「そりゃねぇ。昨日の俺らの打ち合わせで『逆ハーしたい』とか言うからだよ」

「ごめんね、アリア。君に主導権を握らせるとロクな事にならないと判断した」


《草》

《多い多い多い!!》

《大特は草》

《最後の授業はちょっと聞きたいまである》

《★プラトニコフ・ユリガスキー特務少佐:ブログにまとめてあるので読むがよいぞ》

《あんのかよw》

《著書w》

《各界の著名人の前ですべらない話披露は地獄よ》

《あ、キレた》

《あるのかよ!!!しかも青薔薇様作かよ!!》

《もう昨日の時点で予兆があったのかw》

《これは仕方ないね。アリアに好きに喋らせるとずっと主導権握られるからな》


「ですが、久々にちゃんと執事らしいところをお見せすることができました」

「本当にね。喫茶店以外でちゃんとミル挽きのコーヒー淹れるの初めて見たかも」

「実際、味も良かったからね。これは、廻叉くんに……それと、このシチュエーションを選んでくれたアリアにも感謝かな。ありがとうございます、お嬢様?」

「ぐ、顔が、顔が近いですよ……そう簡単に私は堕ちたりしない!好き!!」

「せめて一コマ間を開けてくんない?」

「何にせよ、私の本分たる一面を披露する場を与えて下さりありがとうございます。アリアお嬢様」

「むはー!いい気分ですね!でもまぁ私は一日体験御主人様みたいなもんですからね。いずれはちゃんと、生涯を共にできる御主人様なりお嬢様なりを見付けてくださいね。改めまして、登録者数五万人と、デビュー一周年記念おめでとうございます」

「おめでとう」

「おめでとうございまーす!また吞もうね」

「……ありがとうございます。オーバーズ、七星アリアさん、青薔薇さん、紅スザクさんでした」

「よし、ガヤに戻るよ諸君!」

「という訳で頑張ってね。まぁ、俺らは龍真くんほどゲラったりはしないだろうけど」

「次は、Re:BIRTH UNIONの面々の登場だよ。チャンネルはそのまま」


《割と執事ムーブする機会に恵まれない所あったからな》

《コーヒー淹れる練習雑談とかはやってたけどな。平日昼間だから同接とかは流石に少なかったけど》

《青薔薇様のデレ来た!》

《なんだかんだで最終的にはちょっと甘やかすんだよなぁ》

《草》

《同コマで堕ちるな》

《んー、流石の堂に入ったお嬢様呼び。手慣れてるというか、なんというか》

《そこはもう執事度の違いよ》

《おいコラw》

《むはー!ってw》

《あ、でも良い事言ってる》

《これが言えるから燃えないってのもあるしな。一切の装飾なしの言葉を躊躇なく全力投球できるのがアリアの本当の魅力なんだけど、本人は何故か変化球投げたがる悪い癖があってな……》

《でも危険球退場しない謎のコントロールの良さはある》

《いやー、豪華なの見れたわ……》

《あれ、リバユニ全員なんかな?》

《最初聞いた感じだと一人ずつっぽかったけど……》





「あー、すまんな廻叉。お嬢以外、シチュエーション思い浮かばなかった」

「ノープランにも程がありませんか貴方達」




《おい!!wwwww》

《4人居てそれかよ!お嬢を見習えお嬢を!w》

《身内が最大の試練で草》

《龍真が言うと反省してる感ゼロなんだよなぁ》

という訳で、この企画のトリは単独でユリアのお嬢です。ステラ、龍真、白羽、四谷は合同でなんかします。

単なる雑談になるかもしれませんが、ちょっとした捻りは加える予定です。


御意見御感想の程、お待ちしております。

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― 新着の感想 ―
[一言] 仕方ないのでノープラン軍団には即席バンドでもやってもらおう……執事なら何か楽器できるでしょ、執事だもん。多分ベースとかその辺。
[一言] はねるちゃんが言ってたけど あえていつも自分を汚すことで意図的に炎上するラインを下げてリスク管理してる 皆に○○ならこれくらい言うって認識されたら勝ちっていうね アリアや執事や龍真はこっち系…
[気になる点] 「ステラ?本当に、本当にいい加減にしようね?」 「すいません、本当にすいません。基本的に何も考えてないくせに主語だけデカいんですこの人。悪気は無いんです。ただ、それ以上に常識が無いん…
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