「正時廻叉デビュー1周年&登録者5万人記念凸待ち -リクエスト即興劇-(2)」
このペースだと、1万人記念会やカウントダウンフェスくらいの長さになりそうです。
お付き合い頂けますと幸いです。
「さて、ここまで7名の方に来ていただけましたが、本当に皆様褒められる事や、甘やかされる事に飢えてらっしゃるなぁ、と。キンメさんは本当に用件だけ済ませて帰っていかれましたが、ある意味キンメさんらしいな、と」
《いやー、もう聴いてるこっちの脳が溶ける甘々具合よ》
《ドラちゃんに、ネクロに、ホークアイキッドに、リリアムに……》
《男女各二名って辺りに、こう性別じゃない人間の根源から来る欲求を感じる》
《ちょっと待て男三人だぞ》
《リリアムバ美肉だって事を忘れてる奴が多過ぎる》
《バ美肉開拓団は女性箱だから(過激派)》
《キンメ、娘のダンス発表会へのエールだけ頼んで帰っていったの草》
《同期が一番アッサリ終わったのリバユニだよなぁ》
「それでは次の方をお呼びいたしましょう。どうぞ」
「はーい、バ美肉開拓団団長こと夜深志夢々でーっす。いやー、一周年&五万人おめでとう!!」
「ありがとうございます。以前のオーバーズさんの企画以来でしょうか」
「そうだねー。SNSとかだと、ちょいちょいリプさせて貰ったりはしてたんだけどね。あとは、DJD杯で戦った仲だっけ」
「そうでしたね。接敵はしませんでしたが。我々のチームは結局総合で12位という棒にも箸にも掛からない順位でした」
「私たちの所も9位だからねぇ。初動ファイトで師範代チーム倒した所がピークだったまであるよ」
「主なトピックが私のブリンク投身自殺だった私達よりはいいのでは?」
「あの切り抜き死ぬほど面白かったからいいんじゃない?私ら、主に戦闘じゃない部分での切り抜きばっかりだよ?」
「私もいくつか見ましたが、大体貴方のせいですよね?」
《おおおおおお団長だああああ!!》
《相変わらず女子声だよなぁ……》
《DJD杯でアカツキ(DJD道場生)の性癖を歪めた張本人だ》
《同世代のバ美肉お兄さんにガチ照れするアカツキ、ナチュラルに距離詰めて誘惑する夢々団長、それ見て大爆笑するエレメンタル火咲》
《瀬羅腐のSNSのファボ欄がアカ夢々のファンアートだらけになってたの草しか生えない》
《十宝斎も匙投げてたからな……「腕前が落ちなければ堕ちてもいいです」は鬼の発言だよ》
《草》
「別に私は私らしくあるだけで、率先して落そうとしてる訳じゃないよ?ただ、崖に向かって歩き始めた人たちを暖かく見守っているだけで」
「見殺しって言葉はご存じですか?」
「うふふふふ。さて、それじゃあ私からのリクエスト。『疑似バ美肉して女子会トークしましょう!ただし敬語禁止のお友達って立場で!!』でーす!」
「まさか立ち絵まで送られてくるとは思いませんでした……では、一旦こちらの姿に変わらせていただきます。ただ、2Dモデルではない静止画である点だけはご了承ください。制作はビクトリア正輝さんです」
「んー、クールビューティだね!!流石正輝ちゃん分かってる!!」
《悪女だ……w》
《食虫植物かな?》
《執事、〇〇ってご存じですか?ってツッコミ好きよな》
《笑って誤魔化してんじゃねうおおおおおおおおおおおお!!!》
《団長、マジで一生ついていきます!!》
《立ち絵!?》
《★ビクトリア正輝:頑張りました》
《サンキュービクニキ》
《メイドではなく男装の麗人な辺り、分かっていらっしゃる》
《★MEME:ひらめいた》
《MEMEママ?!》
《良からぬことを閃いてて草》
「……それで、夢々さんはこれで満足?」
「いやいや、女子会トークしたいんだから!実際、今の気分はどんな感じ?」
「何というか、複雑な気分ではあるかしら。ボイスチェンジャーが無いから声自体は、今までと何の変わりもないもの。多少は、それらしくあろうとはしてるけど、夢々さん程にはなれないわよ」
「ノンノン。大事なのは女の子として、可愛くあろうとする心、綺麗であろうとする心だから。じゃなきゃ、正輝ちゃんはただの面白いオッサンになるし」
「結果、面白いバ美肉おじさんになってるから然程変わりがない気がするのだけど?」
「それはもう魂が面白いからしょうがないんじゃない?」
《ひゃあああああああああああああ!!!》
《やべぇ、ゾクゾクする》
《元々そこまで低い声じゃないから、女性の低音っぽく聞こえるの不思議》
《ちょっと気怠い感じなのたまらん》
《★三日月龍真a.k.a.Luna-Dora:wwwwwwwwww》
《★丑倉白羽@RBU1期生:廻叉ちゃん可愛い》
《先輩が草生やしてて草》
《そりゃこいつらは面白がるよな》
《分かりやすい女性口調にはしてるけど、女性役をやってると考えればそこまで不自然にも見えないから流石だわ》
《団長のバ美肉精神、色んな所で聞くけど毎回いい事言うなぁって思う》
《ビクニキまたイジられてて草》
《★ビクトリア正輝:おいこら》
《草》
《魂が面白いからしゃーなし》
「それで、結局女子会トークっていうけど、具体的な内容は?」
「そりゃ、恋愛でしょ。誰が好きー?とかは私も貴女も発火炎上爆発四散するから流石にしないけど」
「その話始めたらDirecTalkerから蹴り出すところだったから、命拾いしたわね」
「やだ物騒。まぁ実際の所は私達って男性でしょ?そんな私達から見た『素敵な男性』の条件とか話そうかなって」
「浮気しない」
「それは前提条件でしょ」
《恋愛トーク好きだなぁ、夢々団長》
《それは炎上不可避》
《キックも辞さない執事草》
《命拾いしたわね、が堂に入り過ぎなんよ》
《男性なんだよなぁ……》
《正直、アカツキの気持ちがちょっとわかるもん》
《女性として負けてると思う所が多過ぎる……》
《草》
《それはそう》
《突然の正論》
「真面目に言えば、相手の事を理解しようとする気持ちを持ち続けている事。実際には、理解できるかどうかなんてわからないし、理解したつもりでも微妙にニュアンスが違ったり、みたいなところはあるけど。それでも、理解しようとし続ける事は大事な事だと思う」
「うーん、真面目。ウチの団員に聞かせたいね!あいつら『顔!』『金!』『顔と金と性格の三権分立!!』とか平気で言うからね。何かしらのトラウマを抱えてるかのように」
「バ美肉開拓団の闇をこんな所で披露されても困るのだけど」
《うーむ、誠実》
《執事って相互理解重視してるとこあるよな》
《ただし度を超すと「知らねぇよ事件」再来》
《草》
《バ美肉開拓団さぁ……》
《可愛い女の子と恋愛をするのではなく、可愛い女の子になる事を選んだ男たちだ。面構えが違う》
《一番最後のだけ酷すぎて草も生えない》
「それにしたって、そういう執事さんに愛されてる人、本当に羨ましいなって思う。まぁ、こういう稼業だと中々難しい話ではあるんだけどね。デビューした時点で既に結婚してたキンメさんみたいなパターンじゃなきゃ、絶対色々言われると思うし」
「それはまぁ人前に出る仕事である以上、避けては通れない話じゃない?そもそもキンメさんも色々言われたけど、捻じ伏せるだけの胆力があった訳だから。最初から、既婚者としてデビューしておくのが一番良いのかもしれないけど」
「でもなー、いつかは誰かのバーチャル結婚式とかバーチャル披露宴、見たいよねぇ」
「バーチャル生前葬ならウチの先輩がやったけど?」
「冠婚葬祭ならなんでもいいとは言ってないでしょ」
《優良物件だよな、本当に》
《素の自分が分からないタイプだけど、最近ちょっとずつ見えて来てるしな》
《機械に人間の心が芽生えるのは王道だからな。次は人間との恋愛だな》
《#早く孫の顔見せろ執事》
《それは気が早すぎる》
《色恋沙汰はトラブルと背中合わせだからなぁ》
《キンメの場合、ガチで前世抹消レベルのことやったしな。ある意味あれも生前葬だった》
《正直見たい<V結婚式》
《俺だって見たいけど、推しがとなるとちょっと……》
《草》
《一生擦られる生前葬》
「ただ、相手方がVtuber……というか、配信自体にある程度以上の理解がなければ無理でしょ。何百何千、下手すれば万人単位の相手に見られる訳だし」
「あー確かに。下手に理解の無い人とお付き合いして、SNSとかで色々言っちゃう可能性もあるんだよね。『私の旦那さん、Vtuberの夜深志夢々なんです!』とか」
「恐らく一切の悪気無しにやらかす姿が目に浮かぶのがもう……」
「身バレ覚悟で一般人と結婚するか、炎上覚悟でVtuber関係者と結婚するかの二択しかないね、もう」
「……ちょっと考えさせて」
《なんか女子会っていうより、こう違う何かになりつつある気が》
《女子の皮被った男たちによるガチな結婚トーク》
《あー、こっちのローカルルールとか不文律とかしらずにやっちゃう系かー》
《もう大炎上する未来しか見えない》
《なんだその究極の二択》
《俺、いちリスナーで良かった》
《別にVtuberじゃなくても結婚できないだろお前ら》
《処すぞ》
《それを言ったらもう後は戦争だぞ》
《★ビクトリア正輝:名前覚えたからな》
《フルボッコで草》
《ビクニキ、ステイ》
「私らはまだマシだけどね。年齢的に。ウチの団員、リアルに結婚せっつかれる年齢の人多いから……」
「やめましょう、この話。今この配信を見てるリスナー込みで誰一人として得しないもの」
「でも、リアルの世界のシステムから逃れられない以上、避けては通れないもの。別に遊びたいわけじゃないけど、いざ本気で好きな子とか出来た時に結婚という選択肢を選ぶのを躊躇するようなのは、ちょっとね」
「その時は……もう覚悟を決めるしかないんじゃないかしら。身バレする覚悟か、灰も残らないレベルで燃える覚悟か」
「そうねー……リスナーの八割が納得いく関係性を築ければワンチャンスあるかもだけど」
《本当に誰も得をしないトークテーマだった》
《話してる内容が婚期に焦るOLなんよ》
《今私の事を笑ったか?》
《者ども、戦の準備を始めるわよ》
《ここ、それなりに女性率高いのになぜこんな迂遠な切腹行為を》
《腹切る前に囲まれて十回くらい介錯されそうな勢いで草》
《それはもうただの辻斬り集団なんよ》
《うーん、重い》
《声優さんとかでも未だにアレなの居るしなぁ》
《めでたい事を祝えないのは辛いわな》
《そこで覚悟決めろ、にシフトする当たりやっぱ執事だな》
「っと、もう時間ね。ありがとね、廻叉さん。演技力の賜物、ってのもあると思うけど、それを差し引いても女の子と話してる感じで過ごせた!」
「……こちらこそありがとうございます。正直、コメント欄も受け入れて下さったようで」
「中途半端にネタに走ったり、わざとらしいまでにクドい女の子喋りしてたら違っただろうけどね。その辺のバランス感覚は流石って感じ」
「お褒めに預かり、光栄です」
「また、何か機会があったらその女性立ち絵使って話そうね!それではー」
「夜深志夢々さん、ありがとうございました。……まぁ当面は使う事は無さそうですが」
《長いようで短かったなー》
《トークの密度がヤバいんじゃあ》
《なんというか、俺らが想定してた以上に執事の演技の幅が広かったんだなって思い知らされた気がする》
《あの女性立ち絵はこのままお蔵入りはちょっと勿体無い気がする》
《えー、なんなら週一で使おうぜ》
「さて、それでは次の方ですが……正直、この方から応募があるとは思いませんでした。いい意味で、驚いたという印象です」
《おや》
《全く接点の無い人とか?》
《ただ、執事の場合マジで業界視聴率が高いから誰が来るかわからん》
《うーん、わからん》
「それでは、どうぞ」
「ハァイ。元気してるかしら?ラブラビリンス所属、エリザベート・レリックよ」
《ええええええええええええええ!?》
《!?》
《な、マジか?!》
《ACTの小火事件の当事者二人じゃん》
《これは確かに予想外》
《DJD杯での戦闘(執事の自滅)くらいだもんなぁ、あの後の絡みって》
《あれ?この子こんなキャラだっけ?》
《GWのリアイベ前後からこんな感じだぞ》
《出ようと思うのも、出すのもどっちもメンタル強すぎるでしょ……》
「ようこそおいで下さいました。こうして、配信の場でお話するのは初めてでしょうか?」
「そうね。あの時はごめんなさいね。リスナーに甘やかされるのに慣れ過ぎてたせいで、クレーマーを差し向けるみたいになってしまって」
「そのクレーマーに水を掛けて塩を撒いて燃えたのは私の対応が理由ですから、どちらも不味い点があった、という事でその話は手打ちという事で」
「ありがとう。正直、直接謝りたいと思っていたし、可能であればみんなが見ている配信の場がいいと思っていたから。……それじゃあ、お話しましょうか執事さん?」
「ええ、勿論です」
《いやービビった……》
《あの件をこういう形で消化しに来るかぁ……》
《いい意味でふてぶてしくなったなぁ、エリちゃん》
《塩対応を通り越してたからな、あの時の執事》
《普通にこの二人の会話は気になるな……》
この二人を配信で話させたかったんです。
御意見御感想の程、お待ちしております。
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