「ひでぇ言われようなラジオ番組とは存じてますよ」
実は会話だけで5000文字超えたので、コメントを混ぜて分割しました。
無軌道トークを書くのが一番得意まであります。
「バズっても平常運転な俺らのライトヘビー級ラジオ、はーじまーるよー。三日月龍真でーす」
「何ですかそのノリは。正時廻叉です」
「あの、頂いた台本がA4で印刷したら半分も使ってなかったんですけど、毎回こんな調子ですか、これ。あ、どうも。オーバーズの七星アリアです」
《始まったー!!》
《なんでこんなノリなん?》
《適当過ぎて草》
《執事のツッコミも雑だなぁ》
《雑に扱っていい先輩、と認識されてるまである》
《そういえば、今日はゲストが居るんだっけか》
《!?》
《アリア!!!!!!?????》
《オーバーズの大看板がなんでこんなとこに!!》
《こんなとこは酷くね?》
「おーおー、大混乱だよ。アリアさん、あんたの逆オファーでウチのリスナー大混乱だぜ」
「いやー狙い通り狙い通り」
「ご自分のネームバリューがある事を知っていてこれをやられるから、アリアさんは恐ろしいですよね」
「お褒めに預かりまして!」
「褒めてませんし、それは私の定番台詞です」
「ええ、勿論存じてます。いやー、ちょっと私の企画で【ゲリラ出没】ってのをやってまして。ある程度、Vtuberの皆さんが定期的にやっている企画に、突然私が現れたら、というまぁリスナーさんへのドッキリ企画です。今回第一弾として、お二人のライトヘビー級ラジオにお邪魔させてもらいました!」
《本当に大混乱だよ》
《SNSもすげぇ勢い》
《アリアたまにこういう事するからな……》
《褒めてねぇよw》
《決め台詞の自覚はあったのか執事》
《マジで企画で来たのか、この女》
《これがオーバーズの看板、これが最初の七人……》
《アリアを基準にすると他の六人が不満げな顔をするぞ》
「リスナーも言ってたけど、いいのか?こんな場末も場末なラジオに来て」
「龍真くん、そもそもVtuber自体がまだまだ場末のコンテンツですよ」
「とんでもない事をサラリとおっしゃらないでください」
「まだまだ私達は伸びる訳ですし、横の繋がりを無理矢理広げに来ました!」
「心意気は非常に素晴らしいと思いますが、真っ先に我々を選ぶのはどうかと。私どもが言う事ではありませんが、ファンからもアンチからも中々厳しい別名で呼ばれている番組ですよ?」
「ってか、運営がよく許可したよな……」
《平然と自虐すな》
《草》
《草》
《トップランナーがホームを場末扱いすんな》
《J2サポの俺からするとホームが場末はようある事だぞ》
《だからアンチからの情報を仕入れるなと何度言えばわかるんだお前らはw》
《最近じゃアンチスレの連中のが及び腰だからな》
《許可したというか、どうせなんとかしちゃうからで放置したのでは?》
《オーバーズ運営、唯一アリアだけは制御できないって嘆いてたもんな……》
《ああ、運営座談会企画……》
《凄さは認めた上で制御できない、ってガチで困ってて草を生やすのをためらったわ》
「その辺は、私もベテランという事で信頼されておりますし?ただ、まぁ、この番組がひでぇ言われようなラジオ番組とは存じてますよ。曰く『界隈の闇をツマミにして酒を飲むラジオ』とか、『視聴者のメンタルの耐久試験場』とか、『火薬倉庫の中で煙草吸いながらで喋ってる』とか」
「最近見たものですと、『スラム街のコミュニティFM』というのが個人的には気に入っています』
「俺はシンプルに『クソ番組』が気に入ってるけどなぁ」
「私から話題に出したとは言え、よく続けてますよね、この番組」
《草》
《草》
《草》
《想像以上に酷い言われようだった》
《スラム街のコミュニティFMは若干納得してしまいそうで嫌すぎる》
《なんだその今日の末端価格情報が流れてそうなFMは》
《シンプル過ぎるわw》
《本当だよ>良く続けてますよね、この番組》
「ある意味、Vtuberがラジオでやっていい事の下限値の基準になってる気がしないでもない」
「我々の真似をしたと思しき個人運営のVの方が炎上されましたからね。我々、出来事や状況に対する毒は吐けども、特定人物を誹謗中傷は恐らくしていないはずです。恐らく」
《正直、ここより過激な事したら燃えるんだろうなってイメージはある》
《燃えたんかい……》
《あー、名前も覚えてないけど毒舌売りにしてた個人勢だわ。ナチュラルに偉そうで図々しい感じで、毒舌にユーモアもないからこれは伸びねぇなって正直思った》
《炎上した内容が別件の炎上に対する上から目線の愚痴と、リアルもVも問わずのガチな悪口だっけ》
《決定打になったのは2Dモデルの製作者さんが『私の絵でそのような配信をしてほしくない』って》
《あー、SNSで回って来た奴か。リプが付いてたけど、事実上の絶縁状だったんだな、あれって》
《ここは個人名が出ても、基本は褒めるときに名前出すし、逆の時も事件や背景の登場人物として、ってだけだからな》
《そこはもっと自信持てよ執事》
「二回言うくらいには、ちょっと自信がない、と」
「ぶっちゃけ、燃えてないのが不自然まであるしな」
「既に火が付いているのに気が付いていない可能性もありますが」
「龍真さんは元々龍だから火炎攻撃に耐性があって、廻叉さんは多分耐火処理が施された素材で造られてるのでは?」
「なるほど」
「確かに」
《なんで燃えてる前提なんだよ》
《慎重なのか図太いのか》
《草》
《アリアよく見てんなぁw》
《EVILの動画内容でイジってくるとは》
《で、納得してんじゃねぇよ男どもw》
※※※
「恐らく皆さんが聞きたいところだと思うのですが、どうでしょうか。最近のオーバーズは」
「小火が出ました」
「おいマイク止めろ」
《草》
《アリアぁ!!》
《本当、みんながマジで触れないように触れないように頑張ってきたのに……》
《でも大半の奴ら触れてはいけない芸だったよな。わざとらしく名前途中まで言ってから、咳払いや口を噤んだりしてたじゃん。主に京吾とフィリップが》
《あいつらはアホだから仕方ないんだよ》
《そうか、じゃあ仕方ないな》
《それでええんかオーバーズファン》
「実際、ウチは何か光る物を持った人は入れちゃうんですよね。勿論、コンプラ関連の講習はVtuberもスタッフもやってますけど、過去の話にまで遡るとなかなか調べきれない部分もありますから……」
「その辺は、人数の多いオーバーズさん特有の悩みでしょうね」
「オーディションとか、たぶんウチの100倍以上は来てそうだもんな」
「それに、LoP……クロムくん達が大人数ユニットとして成功してしまっただけに、駄目な人は弾けているっていう慢心や油断に繋がったんじゃないかなって思うんですよ」
「身辺調査するにも、流石に人手不足。仮に興信所なんかに頼ろうとすれば今度は予算不足って感じか」
「大手ならではの悩みですね。あ、ウチの四谷がLoPの皆様にはお世話になっているみたいでして」
「いえいえいえ!むしろウチの子達の保護者をしてもらっちゃって本当に有難くて!あの子達もフィリ京ほどじゃないですけど、そこそこのトンチキ揃いなんですよ。四谷くんのお蔭でクロムくんの胃が爆発四散せずにすんでます!」
「クロムくんには何か送っておきます」
「そうしとくか……」
《こればっかりはなぁ。隠そうと思えば隠せちまうってのもあるし》
《大人数での一斉デビューから、二ヶ月ごとに数人デビューの方向に変わったの、間違いなくアレのせいだしなぁ》
《枕木夢人……見た目は好きだったのに、何故……》
《ママがクッソキレてて怖かった。無茶苦茶宣伝してハシャいでたもんなぁ》
《なお、エレメンタルサイドから無事警察への届け出が済んだ模様。震えて眠れ》
《この辺りは、普通の大企業でも難しいだろうしなぁ。SNSバイトテロだって、まだ最近の話題だし》
《小泉四谷とかいうLoP終身名誉顧問》
《★オーバーズ所属/秤京吾:後輩の悪評を大先輩が平然と広めるんじゃねぇよ!ありがとうございます!!!》
《居たw》
《草》
《結局オイシイと思ってんじゃねぇかw》
《何か(胃薬)》
「それにしてもコメント欄の皆さんも大分有識者ですね。深淵覗いてるのに、正気を保ってらっしゃる方が大半じゃないですか」
「深海魚に無理矢理光を当てて浅瀬に適応させている様なものですからね」
「この手の話題に引いたリスナーが、ライトヘビー級ラジオの時は見に来なくなるからな。で、ここなら暴れられるって思った馬鹿も来るんだけど、俺らがもっと暴れてるから荒らしもドン引きして来なくなるっていう」
「こないだ、根気のある荒らしの方がいらっしゃったので3時間ほどイジリ倒したら、ドネート付きで謝罪が来ましたね。『俺が悪かったです。これ以上は勘弁してください』と数百円のドネートを頂きました」
「快挙ですよ、それは。誇りましょう!何なら、私謹製の表彰状を」
「結構です」
《深淵扱いで草》
《間違っちゃ居ないけどさぁ……w》
《MCの二人も自覚してやがるのがタチ悪いのなんのってもう》
《あー、あったあった》
《★オーバーズ所属/秤京吾:龍真さんと執事さん俺らよりやべぇじゃん》
《草》
《この二人はメンタル強度がヤベェんだよ。京吾とフィリップの二人はフィジカルへのダメージがヤベェんだよ》
《表彰状好きだよな、生徒会長》
《大体文面は雑だけどな》
《速攻断られてて草》
「それはそうと小火で思い出したんですが、龍真さんはその後どうだったんですか?生前葬周り」
「小火で思い出されるのも微妙な気分なんだが」
「最終的には火葬しましたからね。MVの演出上ではありますが。今更ですが、タメ口ですね?」
「本性が龍ってバレた訳だからな。人間のフリして敬語使うのはもういいかって」
「なるほど、ならば仕方ありませんね。正直、生前葬企画は『やられた!』って思ったんですよ。出来れば私が世を忍ぶ仮の三次元の肉体の麗しき姿が露わになった時にやりたかった……!!」
「心底悔しそうなのが伝わって来ることに、我々は笑えばいいのか恐れればいいのか分かりかねます」
「てか、『麗しき姿』って自分で言うのかよ。まぁ、それはさておき」
「おかない!重要ですよ重要!」
「はいはい、重要重要」
《 思 い 出 す な 》
《最悪の連想ゲーム》
《スタイリッシュ火葬は何度見ても笑ってしまう罪な演出》
《フリって言うなw》
《実際斬新な企画だったよな。斬新過ぎて誰もやらなかっただけで》
《言い方正しいかわからんけど、中の人の存在を認めた上で消しにかかるのリバユニくらいだよな……》
《そういえばキンメもその口か》
《麗しき(笑)》
《アリアのその自信はどこから来るんだ》
《世を忍ぶ仮の三次元の肉体って表現好き》
《両方からスルーされてて草》
「まぁ、その辺の話も諸々込みで、一旦曲流すか」
「では、アリアさん曲紹介の方をお願い致します」
「はーい、では私の最新オリジナルソング『人生シアター』でーす、どうぞー!」
《曲流すんか》
《そういえばラジオだったわこれ》
《こういう所がスラム街FMなんだな》
《人生シアターめっちゃ好き。一日三回食後に聴いてる》
《内服薬かよ》
次回はイベント絡みについて、グダグダ喋ります。
アリアさん、リバユニには居ないタイプなので書いてて楽しい。
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