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暴走する恋愛探偵に巻き込まれたチンピラの優雅な学園生活  作者: ツネ吉
第三章貴方の下僕になりたいのです
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エピローグ


「2人とも本当にありがとう」


 後日、人生相談部の部室に清水先生が訪れていた。


 伊達と飛田は部長さんにきっちりしぼられたらしく、随分と大人しくなったそうだ。揉めていた2人が表面的にではあるが仲直りをしたおかげで、合唱部は以前の平穏を取り戻したらしい。


「まさかあの2人が揉めていたなんてねえ……やっぱり守谷さんをめぐった争いがヒートアップしたせいかしら?」

「はははは、そうだったみたいですね」


 先生には事件の真相を話していない。それはそうだ、揉めてた理由の半分ぐらいはあなたのせいですなんて流石に言えない。


「今度ね、吹奏楽部の副顧問を増やしてもらう事になったの。だからこれからは合唱部の練習も見てあげられる機会が増えると思うわ」

「良かったじゃないですか!」


 めでたい話だ、これで先生と合唱部の間にあった距離感も消えるだろう。


「……ところで、なんで桐花さんはむくれているの?」


 そう言って先生の視線が向ける先にはブスーーっと頬を膨らませて不機嫌そうな桐花が。


 エリカ様との話し合いの後、桐花はエリカ様に恋愛の協力を申し出た。エリカ様の恋に障害は多い、自身が作り上げてしまったキャラクターを信奉する下僕たち、そして微妙に間違ったツンデレで部長に接し続けていたせいでどう軌道修正すればいいのかわからないそうだ。


 恋愛探偵を自称する桐花にとってここまで魅力的な案件はない。


 しかしエリカ様は即座にその申し出を断った。


『エリカ様なんて言われるようになったのは私、部長を好きになったのも私。全部私が何とかするわ』


 とのことだ。


 目の前のご馳走を取り上げられてしまう形となった桐花は、それ以来ヘソを曲げてしまっている。


「......先生は知ってたんですよね? 守谷さんが部長さんのこと好きだってこと?」


 不満そうに言う桐花。何で教えてくれなかったんですか?とでも言いたげだ。


「ええ、入部してすぐに相談を受けてね。緊張して目も合わせられなかったんですって。ふふ、恋する女の子って可愛いわね」


……エリカ様は相談相手を致命的に間違えた気がする。


「守谷さん、杉原くんに振り向いてもらおうと必死なんだからあまりちょっかいかけちゃダメよ」

「……わかりました。あの2人のことは影から継続的に調査し、記録をつけることで我慢します」

「我慢できてねえよそれ」


 何だ記録って。


「守谷さんなら大丈夫よ。今、彼女に料理を教えているの。清水家の娘に伝わる男の胃袋を鷲掴みにする料理術をバッチリ叩き込んで見せるわ!」


……それは大丈夫なのだろうか? 清水先生2号が出来上がるだけじゃ……


「桐花さんも一緒にどう?」


先生の申し出に桐花はうーんと悩み、



「食べたらどんな相手でも一瞬で恋に落ちて、四六時中作った人のことを考えてしまうような料理ってあります?」

「いや、それもう料理じゃねえだろ」

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