6(うちの子天才です)
「うちの子が天才すぎてな、ロバート…」
「何かと思ったらただの親バカかお前」
「いや、お前もうちの子天才ってよく言うからちょっと比較したくて…」
「王子は侯爵令嬢とはまた違うだろうが」
うちに咲いた可憐な華、リリア。
子は望めないだろうと言われたアイリスが産んでくれた可愛すぎる愛娘。
一人娘ということで将来苦労をかけるのが申し訳ないうちの娘は。
だいぶ、おかしな天才だ。
「いや、領地の決算書類や嘆願書を普通読むか?5歳で」
「は…?」
そう、俺ですら読もうと思ったことがない領地の資料を夢中になって読み。
見たこともない魔法を扱う、天才というには異常すぎて違和感が多い子。
「しかもある日ペットを飼っても良いかって涙目で来たから子猫かなにかかと思ったら」
「お、おう」
「水竜とシルフ連れてきた」
「はあああああ!」
高位精霊は魔法軍の団長や研究所の所長が持ってるクラスの精霊だ。
それらも使役で多量の魔力を使うらしく、なにかを頼むのは月に1回がせいぜいと聞くが
うちの娘は毎日普通にこき使ってる。
なんかもう規格外すぎて解せぬ。
「おい、5歳児なんだよな」
「ああ、5歳児だ」
「それ本当ならば将来有望どころか現在も有望すぎて国を上げて保護レベルだぞ」
「うちの子はやらん!」
「いやそうじゃなくてな…」
解せぬのはやはり俺だけじゃないようだ。国王であるロバートが頭を抱えていることからやっぱりうちの子は異端な天才のようだ。
まあ、可愛らしさも天災クラスの愛らしさだがな!
「お前、ちょっとリリア嬢今度連れてこい。そうだな誕生日パーティでもするか。うちの子達も連れていくから」
「うちの子は嫁にやらんぞ!」
「真面目に考えろ。そんな化け物みたいな娘、第1皇子の嫁でもおかしくない」
「ダメだ、リリアはお父さんのお嫁さんになるんだ!」
「政治的政略考えろよ騎士団長!なんで家族のことになるとお前アホになるんだよ…」