表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
要らないSSRの利用法(第4章)
49/177

5


「いい加減謝ってるだろ!」


天然カップルと私たちに無視され続けたピンクがついに我慢の限界を迎えたのかテーブルを叩いて立ち上がった。


「なあなあ、2重詠唱気になるだろ?教えるし、エルクだったか?お前にも謝るし、なんならオレの嫁にしてやるから無詠唱教えてくれよ!」


「嫌です」


「だから僕が教えるってばトーマー」


「お前の教え方わからねえんだよ!魔力なんて見えねえし!」


その一言で一時期の皇子たちのように見えないが故に感覚が掴めないことを察した。

そしてそれと同時に見えなくても感覚を掴めていたフェルナンド様との相性の悪さも知ったが。


黙ってエルク様の入れてくれたお茶を飲んで、黙って茶菓子を食べる。


「うーん、見えるようには出来るけどー。僕のこのメガネ、アイラの髪色と同じで気に入ってるからあげれないからなー」


ちらっと見ないでくださいフェルナンド様。

それから喜んでいるアイラ様には申し訳ないが、アイラ様に出会う前から貴方ピンク色好きだったでしょ。


「俺は、俺は、魔国の王太子だ…!若ければ若い方が良いって言われる無詠唱、出来ないなんて言えないんだよ…!」


『リリただいまー』


「おかえりイェスラ」


ピンクのシリアスな空気をぶった切って、窓から入ってきたイェスラが私にすりすりと頭を寄せてからすぐにエルク様の方に乗った。


「おかえりなさいイェスラ」


そしてすぐに茶菓子をひとつとって慣れた仕草で餌付けするエルク様。



「な、なんで高位精霊が無器に懐いてるんだ!?」


そんな微笑ましい私たちの日常をピンクがそう突っ込んだ瞬間。

イェスラが風の塊をピンクに飛ばして、ピンクが椅子から落ちた。



「いい加減口に気をつけてください。精霊は人間たちと違って権力のしがらみはありませんから、お気に入りを害されたらそうなりますわよ」


「…悪かった」


不機嫌になったイェスラを抑えるためにも渋々忠告をすると、意外にもピンクは素直に従った。さすが魔国の太子、精霊というものはわかっているのだろう。


はあ、とため息をついてこれ以上の茶番は面倒なので終わらせることにする。


「トーマ様、私は来年から学園で無詠唱についての教鞭をとる予定なので教えを請いたいのでしたらどうぞ来年留学してきてください」


「ほう…!」


「学園では魔力を可視化するメガネを配布する予定ですので殿下の行き詰まってる問題もそれで解決するかと」


「そのメガネ、いますぐ買うことは出来ないのか」


「メガネの入手が御希望でしたらエルク様にどうぞ。現在可視化メガネの発注は国の依頼を受けたエルク様が受け付けていますので」


「頼めるかエルク」


作ろうとすれば一瞬だが、作りたくない私の意思がわかったのだろう。

ポンポンと頭を撫でられる。


メガネに関しては教材として準備してくれと学園に言ってあり、学園から国に依頼し、国からエルク様を通して発注が来ている状況だ。


国からの依頼は侯爵家と城を行き来しているエルク様が大部分を任されている。決して、私がエルク様の頼みを断らないからでは無いが…その辺はたぬきな陛下のすることなので怪しい。


「お一つであればすぐに在庫で用意は出来ますよ」


「そうか、ならば一つ……いや、千は欲しいな。可視化メガネとやらが魔力を見れるなら重要だ。これからフェルナンドがうちで無詠唱を教えていく上でも必要なので輸入したい」


「それはすぐに御用意出来ませんのでまず国交省の方にご相談ください。ですが、生産を増やせるように業者には頼んでおきますよ……リリア、どうかな?」


「……職人を増やすようには言っておきます」


「なんだ、くだんの魔道具職人の元締めもお前なのかリリア」


気安く呼ばないで頂きたい心底。

再び殺気立った私をなだめるようにエルク様がまたポンポンと頭を撫でてくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ