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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金の泥沼編(第3章)
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14



母様を見る。

お腹を見る。

母様を見る。

お腹を見る。


そして自分を指さす。


「おねえちゃん…?」


「そうよリリア」


おねえちゃん。おねえちゃん。

妹か弟ができる。

ムッハーと一気に喜びが全身を駆け巡った。


「母様赤ちゃん出来たんですか!!」


「そうよリリア。貴女おねえちゃんになるんだからしっかり…はしなくていいわ。貴女が頑張りすぎると怖いから」


「弟ですか!妹ですか!」


「まだわからないわよ」


すぐさまジャンプして母様の前の床に座り込んでじーっとお腹を見るここに妹か弟がいる。居る!

前世でも今世でも兄弟はいなかった。夢の姉弟!


「触ってもいいわよ」


言われて触ろうとするけど、なんか触り難く怖くて躊躇うと

母様に手を取られてお腹を触らせてもらった。


……。

わかんない。母様のお腹もまだ膨らんでないし、実感なんて何も無い。

でも。


ここには命が宿っているんだ。


「守ってあげてねリリア」


「この命に代えても…!」


「そこまではしなくていいわ」




母様の妊娠で屋敷中がハッピーモードになった。

なんだろう、全てが明るい。


しかし妊娠となると母様は今まで通りという訳には行かない。安静にしなくてはならないので代わりに侯爵家の仕事をする代理人を王家から借り受けることにした。




余談だが、私を産む時に母様は仕事を手伝えるものが爺しかおらずとんでもなく大変だったらしい。

なるほどそれで私は執務室で乳母と一緒に母様に育てられてたのかと納得した。出産して溜まった仕事が一気に攻めてきた感じかな。

絵本替わりに嘆願書を渡されたことにも納得した。



代理人はもちろんエルク様。

この国は基本的に長子が爵位を継承するため、将来の侯爵は基本的に私になる。エルク様は婿入りをしてくるため将来のためにもなると言って王家から借り受けることになった。


侯爵代理はエルク様。その補佐を爺と私が務め、母様は安静にしながら相談役をすることになった。





『リリにきょうだいかー』


「弟かな、妹かな」


『普通の子かしら、リリ似かしら』


わっかんないなーとデレデレしながら超巨大美鳥のイェスラの腹の羽を引っこ抜く。1枚が私の腕くらいのその羽はイェスラの春羽らしい。

もうすぐ夏で、暑くなるから抜けるけどこれで赤ちゃんの布団でも作るか?と言われて全力で頷いたのは私です。


しばらく引っこ抜いて細かく切って布で作った袋が満タンになったら入口をちまちま縫う。

イェスラはまだ羽が抜けたりないのかくちばしであっちこっちの羽をむしっていた。

ふと気づいて急いで縫い物を終わらせて、ぼふんっとイェスラの腹の柔らかいところに飛び込んだ。


『ん、どしたー』


「もっふもっふ」


『いい羽毛ぶとんだろー』


ケラケラ笑いながら二本足で立っていたイェスラが抱卵の体勢に代わり、卵の代わりに私を包んだ。

もふもふ幸せじゃあと思いながらそのままお昼寝に入った。




新作魔道具はすぐに飛ぶように売れた。

作成方法と、試作品を王家に献上するとすぐに注文が王家から入りそれを侯爵家からお抱えの職人に割り振る。

職人たちはジズさんのおかげで瞬く間に下請けの職人を増やして侯爵領では新作の魔道具を作れる人が爆発的に増えた。



とはいえ、魔素粉や魔素鉄の詳細は公にしないことにした。

きっとスパイや技術泥棒がはいりすぐに情報は漏洩するだろうがいつ公にするかは王家に任せることにした。


陛下も母様と同じように頭を抱え込んで、侯爵領で作るのは構わないがとりあえず攻撃魔法は控えてくれ、他国とのバランスの兼ね合いもあるのでしばらくは生活を豊かにする魔法系を中心に生産するように、と言われた。

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