表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金の泥沼編(第3章)
42/177

13


職人たちとの対面から1ヶ月ほど。

内蔵魔力の問題も、カメラの問題も完全に行き詰まりながらも経営の仕事がなくなった時間でちょこちょこ職人さん達の工房へ見学へ行った。

あまりのアクティブぶりにそれまで縁がなかった侯爵家の護衛さんと打ち解けるほどに。



「おうお嬢どうだこんな感じで」


違いがわからん。

ちょっと怖い顔のおじさんこと、アジさんはアクセサリー関係の彫金師をしている人で前回よりグレードアップしたというアクセサリーの台座を見せてもらった。


アジさんはその用途から貴族向けの魔法陣のコテを作りアクセサリーの中に隠し焼き付けることにしたらしいが。


なんだこれ間違い探しですかというくらいビフォーアフターがわからない。


並べられた10のペンダントの台座をよく見て何が変わったのかを睨みつける。

が、無理わかんない。


「何が変わったんですか」


「おう!魔素粉に使う金属の配合を色々変えてみたんだ!後で配合割合による資料を送るな」


「あ、はい」


正直わかんねえと思いながら、まあアジさんは問題なくこのまま商品展開出来るなと理解した。





さらに数日後、やつれたお兄さんことダディさんがうちに来た。

彼が持ち込んだものは指輪だった。

1ヶ月みっちり魔法陣の勉強を重ねに重ねた彼は…なんと魔法陣の基礎を上手いこと改造して素敵な模様の魔法陣リングを作り上げた。

魔素粉なんてものじゃない。魔素鉄のリングだ。


ただの魔法陣とは思えないくらい緻密ですごいバランスで綺麗で。効果はまだ一つだけだったけれどその効果もやばい。

『身体強化』の魔法陣を独自に編み出して作ったそうだ。


「すごい!」


「ふふふ…ほかの魔法陣もいずれ作って見せますよ」


そう言ったお兄さんは本気でやつれていたけど目はイキイキしていた。

どうやって魔素鉄を魔法陣形状にしてさらに指輪にしたのかは企業秘密とにっこり笑って言われたけど、身体強化の魔法陣は教えてくれた。


今後新作魔法陣を生み出す友として交流をしていくことを約束した。



そしてその次の日にはたくさんの届け物が届いた。

普通のおじさんことソルトさんは日用品の改良と生産をする鍛冶師らしく多分母様が最も願っていたものが届いた。


1つめは魔力を乗せた声に反応する光魔法を焼き付けた鉄板。

2つ目は魔力を込めると水が出てくる管。

3つ目は魔力を込めると電流が通る網。


遊びに行った時日用品なら色んな物が出来ますね、と言ってベラベラ喋った結果がこれだ。

自分ではもちろん作れるだろうがソルトさんが考えて色々と作ってくれたことが喜ばしい。


今後も量産すると共に試作品を送るのでなんかネタあったら魔法陣くれたら作るから頼む、と書かれていた。




そして最後は凶悪顔のおじさんことジグさん。

彼の本業は冒険者の武器や鎧の鍛冶師だそうだ。

そんな彼が作ったのは………



大量の焼きごてと金型だった。

ジグさんがつくったのは金型を作る、金型と

焼きごて作る、金型だった。


正直こっちを量産できると一気に職人が増やせてありがたい。でも、武器とかに魔法陣をつけなくていいの?と思わず聞いたところ。



『お嬢のネタで作ったもんで人も殺せる道具作ったら寝覚めがわりぃだろ』


と言われた。エルク様の次にかっこいいとときめいたのは秘密だ。




そんなこんなで、魔素粉や魔素鉄での魔道具の大量生産の目処も整い母様に王室に献上するものを決めるべく報告書をあげる。


「どうぞ母様」


一通りそれを読んだ母様は…


ニコリと笑って、報告書を置いてお腹を撫でた。



「合格よリリア。こんなお姉ちゃんが居てくれたらこの子も安心ね」


そんな爆弾発言を落とした。

はい?はあ?はいいいいいいいい?!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ