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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金の泥沼編(第3章)
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12




「………」


圧倒的な沈黙が続く。

気まずい。素直に言わない方が正解だったか。

いやでも本気でなんで?って言われたらそれが素直な気持ちだ。





「だっはっは、そうかかーちゃんに言われたからやんのか、そうかそうかそりゃ仕方ねえなあ」


「自慢とか好きな人とか、子供らしくてかわいーなあ。てか10割超えてんじゃねーか!」


「なんかもう、うん、甘酸っぱいなあ」


ぐしゃぐしゃと普通のおじさんに髪を掻き回されて、爆笑する3人とぷるぷる震えてそっぽをむく凶悪さん…。


なんだろう、なんか、うん


なんかイラッときた。


「ほら拗ねんな。しょーがねーなあかーちゃんに怒られないように手伝ってやるよ嬢ちゃん」


「そうだな、まずこれの仕組みの説明をしてくれ」


ムスッとしながらも魔素粉の入った瓶をテーブルに置いて、用意してあった鉄板も一緒に置く。


「雑に説明するとこの粉は魔素水と鉄粉を混ぜて乾かしたものです。それを魔法陣の形にして溶かして対象に焼き付けています。便宜上魔素粉と呼んでいますが、魔素粉を溶かして陣を作ると通常より魔法陣がよく持つみたいです」


「あーこれ魔素水使ってんのか。にしても魔法陣ちっちぇえなあ」


「うちの指輪くらいのサイズですね…これを彫る、じゃなくて溶かして形を作るかあ」



小瓶を持ち上げて動かして試したり、構造を知って改めてブローチを見直したりと忙しい中


もう一度凶悪さんがくちを開いた。


「で、どうすりゃ良いんだ」


なんだろうこの凶悪さん文句も言わず初めっからやる気に満ち溢れたことしか言ってない。

いい人だなー凶悪な顔だけど。


「私が考えた案は溶けにくい金属で魔法陣の型を取り、溶けやすい金属で魔素粉を作って溶かして流し込みできた魔方陣を完成品に取り付けるが一つ。魔法陣の形の焼きごてを作り、対象物に溶けやすい金属で作った魔素粉を振りまいてコテを当てて焼き付けるが2つ。ぱっと思いついて量産できそうな方法はこんなんですかねえ」


「型を作るにしろコテを作るにしろ、まず細かい細工のもんが必要だな…おい、ダディ行けんかこれ」


「んー、お嬢様この魔法陣のもう少し大きめのサイズないですか」


「こんな感じです」


さっと紙を出してじゅっとプリントアウトして若いお兄さんにわたす。


ついでにおじさんたちにも1枚づつわたす。


「結構こまけえな」


「俺はこんな細かいのを小さくは無理だな」


「ここまでちいせえ必要あんのか嬢ちゃん」


「もうサイズは大きめでもいいですが、小さい方がコストがかからないかなって」


「こんなちっせえと型を作るのに時間がかかりすぎてコストがかさむぞ。この紙くらいの大きさのもんにして作った方が材料費を考えても、多分安い」


「なるほど」


そうか人件費か。それは盲点だった。


「とりあえずわかった。嬢ちゃんの言う方法で試して、試作品持ってくりゃ良いんだな?ブローチにつけりゃいいのか」


「試作品は何でもいいです。それこそ鉄板でもなんでもいいです。魔法陣は他のもありますがそれの方がいいですか?」


「ああ、なら数種類の魔法陣の絵をくれ。そん中から出来るやつ持ってくりゃいいだろうよ」


「わかりました。ああ量産して一般家庭でも買える値段、がモットーですが試作が上手くいったら王家への献上品を作ってもらうことになると思いますのでよろしくお願いします。魔素水とか材料は渡した方がいいですか?」



じゅっじゅっと水の初期魔法とか光の初期魔法とかあって困らない魔法陣を複数枚プリントアウトしつつ、すでに構想の段階に入ってる職人たちに声をかけると凶悪さんがにやりと笑った。


「材料も俺らが集めねえと、値段出せねえだろ。王家だか侯爵家だか民家だか知らねえけど嬢ちゃんが怒られねえだけのもんは作ってやるよ。んで、すげーの出来ただろって嬢ちゃんに自慢させろや」


なんだ自慢かえしかコノヤロウ。

思わず笑いがこぼれて、くすくす笑いながらぺこりと頭を下げる。


「どうかよろしくお願いします」


「おう!」

会話文が多くて申し訳ない(´・ω・`)

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― 新着の感想 ―
可愛い。おっちゃん達と同じ気持ちです。 歯車が噛み合うの大好きです!
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