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0歳児スタートダッシュ物語  作者: 海華
課金の泥沼編(第3章)
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7


『リリー眠いー』


そんなリェスラの声を聞いた気がする。


『リリーせまいー』


そんなイェスラの声を聞いた気がする。


「未婚の男女が同衾なんて!!」


そんな父様の声を聞いた気がする。




ぱっちりと目を開けると、イェスラのもふもふと黒い髪が見えた。

あれおかしいな、なんか枕も暖かい。

1度目を閉じて開ける。

やっぱりイェスラと黒髪が見える。あとなんか人の胸部が見える。しかもボタンが外されていていろっぺえ鎖骨がこんにちは。



こ れ は や ば い 気 配



しっかりと目を閉じて、しゅぽっと掛布団の中に潜り込み。

もぞもぞと足元から這い出る。

途中、私の脇に居たリェスラも捕獲してベッドからぬけでる。


『んー、りりぃ?』


そのまま床を見て這い這いで背中にリェスラを乗っけて扉の方へ向かい……扉に到着すると、シュッと扉の方を向いてそのまま逃亡した。


危なかった。とても危なかった。

いや思いっきり寝顔見られたとか一緒に寝ちゃったとか乙女の恥じらいも無くはないが…



エルク様の寝顔とか御褒美過剰すぎるもんをみて死ぬとこだった。





「昨夜は御迷惑をお掛けしました」


「いえ全然。新鮮で楽しかったですよ」


朝ごはんまでにはなんとか平常心を起動して、エルク様と2人でとる。

母様は何故か今日はお寝坊さんのようだ。

父様は朝早く私の部屋に来て、私を確認して笑顔で出仕していった。


「今日はどこへ行きたいですか?」


「じゃあ魔道具屋を見に行ってもいいですか?」


「良いですよ」


約束をして、マナーと歴史の家庭教師の先生にお勉強を教わって。

気合いを入れて勉強をしたらいつもより早く授業が終わったので昼前にエルク様とお出かけすることになった。



侯爵家の護衛に守られて馬車で貴族街から商店街へと向かう。

イェスラとリェスラは目立つので姿を消してもらい、もはや慣れ親しんだ抱っこで商店街を歩く。

ちなみに護衛はすぐ前と後ろにいる。

私を抱いているせいでエルク様がとっさの時に護身出来ないので容赦なく守ってもらっている。


余談だが私街を見るのは初めてだ。

侯爵令嬢なので誘拐などの可能性があったので今までお出かけしたのは母様と呼ばれたお茶会くらいで。

前世とは違う町並みに感動をする。


「エルク様いい匂いです」


「どこかで食事でもしましょうか。食べたいものはありますか?」


「今まで食べたことが無いものがいいです!」


「あの、侯爵家の料理人は…」


エルク様と護衛がうちの料理について確認をして、系統を決めて店の場所を確認する中、ぐるっと辺りを見回す。


食事処の店前で焼いている出店から美味しそうな匂いが出て。

剣や鎧の店には冒険者かな?といった服装の人が中に入っていき。

オシャレなお店の前には年頃の女の子たちがたむろって盛り上がっていた。


道を通る人はきっちりとした貴族っぽい服の人や兵隊さん、小さな子供も走り回っていて。

初めて実感する異世界の外に、興奮が止まらない。


「決まりましたよキャロル嬢」


「はい!」



出店の物も食べてみたかったけど、まあ貴族だしそんな我儘は言えないのでエルク様たちが選んでくれた大衆向けじゃない高級のレストランで大人しく座る。


「私とキャロル嬢の味は違うものを頼みましたからお口に合わなかったら交換するので言ってくださいね」


「はい」


そして出てきた料理は……油が控えめな中華料理みたいな。

濃い味付けとそれを引き立てる薄味のパンを堪能した。

エルク様は包み焼きのようなものを食べていたのだけれど、細い体のどこにそんな入るんですか?ってくらいパクパク食べているから驚いた。


そしてふと気づく。

そうか、今まで隣の席で食事をとっていたから知らなかったんだ。


新しいエルク様の一面を心のメモにしっかりと記憶した。



おなかいっぱいになってからは私の希望通り魔道具屋さんに行った。


入ってすぐ、ランプっぽい物が並んでるのが目に付く。

ランプは値段がピンキリで、何故か数字が書かれていた。


「エルク様、この1回とか2回とかなんですか」


「ああ、それは保証回数ですよ。魔法陣が効果を発動すると魔道具は壊れてしまうので何回まで使えますよーって書いてあるんです」


なんですと。

いやまあ確かに書いた魔法陣が何回でも使えたらとても効率は良いけども。

使い切りだったとは知らなかった。


「これとこれ、同じに見えるんですがなんで回数が違うんですか」


「えーとそれは…」


「魔素水を使ってるんだよ」


エルク様を遮ったのは店員さんだった。

片眼鏡をつけた、父様より年上っぽい店員さんは私を見て目を細めて笑った。


「こちらの商品は魔力が濃密な魔素水で魔方陣を書いてるから普通のものよりもちがいいんだ」


「魔素水?」


「水系の一部の中位精霊以上が作ることの出来るマジックアイテムの1つですね。精霊によって出来る魔素水の品質が変わります」


「ほう、兄さんよく知ってるなあ。この魔道具は火を使わずに灯りを灯すアイテムなんだ。主に冒険者連中が使うから安モンから高いのまであるんだぜ。お嬢ちゃんや兄さん見たいな貴族にはこっちのコーナーがオススメだぜ」

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